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手を結び民主主義を実現しよう!/たたかう韓国労働者と交流の旅
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手を結び民主主義を実現しよう!〜たたかう韓国労働者と交流の旅

   尾澤邦子

 11月8〜11日、韓国へ行ってきた。9日(土)ソウルの全国金属労組事務所で、韓国サンケン労組の仲間と再会。指導委員のキムウニョンさんから、「チョグク問題の教訓と課題」「ムンジェイン政府の成績表」「時代の要求」「民衆の直接政治」などについて話しを聞いた。

 ウニョンさん(写真上)は「(ムン政権の)『共に民主党』はチョグクを守れと言い、私たち民主勢力は検察改革、財閥解体を要求している。韓国は今まで検察権力の思うままだった。改革が必要だ。ムンジェイン政権は財閥を擁護している。労働政策では前進がみられない。最高裁判決で労働者勝利の判決が出ても解決できないでいる。パククネ支持の自由韓国党は赤いシャツを着て頭を剃り、ハンストまでやって大結集している。米日に頼って力を得ようとするものたちと、自分たちの力で民主を守ろうとする者たちとの対決の様相だ。親米・親日の腐りきったものたちとの対決だ。闘いに適当なことは許されない。私たちが日本の仲間たちと闘ったのは、全てをかけて一歩も引かない闘いだった。今日は労働者大会で、11月30日には民衆総決起集会が開かれる。今こそ進歩勢力が歴史の前面に登場すべきだ。後ろに引く空間はない。手を結び、民主主義実現のため、労働者が主人となる世をめざそう」など話してくれた。

 全泰壱(チョンテイル)烈士精神継承全国労働者大会は、午後3時から国会議事堂のあるヨイドで開かれ、約10万人が参加した。クレーンで吊り上げた大画面とスピーカー群にはいつも驚かされる。数万、数十万人の集会には必須だ。日本でも応用できないだろうかと思う。

 今年の労働者大会は、変形労働制の導入や、作業場内での争議行為中止などをもりこんだ労働法の改悪をムン政権が国会で審議しようとすることに反対してヨイドで開催された。「私はチョンテイルだ。労働改悪粉砕しよう!労働基本権闘い取ろう!非正規職を撤廃しよう!」などのスローガンを叫んでいた。民主労総委員長のキムミョンファンさんは「この50年間、烈士の念願を込めて駆けてきた民主労総は、闘う世界の労働者と連帯して、さらに強く次の50年をつくっていきます。より力強くすべての労働者のために、民主労総の総団結で労働解放の道に進軍しましょう」とあいさつした。

 国際連帯の労働者、労働組合が紹介され、香港労総のラムシュメイさんと、日本の全労協議長渡邊洋さんがあいさつした。闘争現場からの発言として、全国教職員労組、民主一般連盟、全国鉄道労組の代表があいさつした、歌、律動(ユルトン、踊り)、プンムルなどの文化公演、演出もすばらしかった。

 10日(日)双竜自動車労組のキムジョンウク事務局長の案内で、ソウルから列車に乗り平澤(ピョンテク)へ。労組の事務所でキムドクチュン支部長からお話をうかがった。

 2009年の大量解雇までは工場の中に労組事務所があったが、追い出され、もともと食堂だったこの場所の社長が労組に提供してくれたとのこと。事務所の前にあった送電塔にハンサンギュンさん(のちに民主労総委員長に)と共にのぼり、解雇撤回を要求して170日間、送電塔の上で闘ったボクキソンさんや、その後、工場の煙突にのぼって131日間解雇撤回を叫んだキムジョンウク事務局長の闘いが紹介された。

 ボクキソンさんは解雇当時非正規職だったが、闘って正規職として復職し、4年になる。キムジョンウクさんも4年前に現場復帰している。キムドクチュンさんやハンサンギュンさんなど残り48名は、今年7月1日に現場復帰となったが、無給休職となっていて、来年1月2日から現場復帰することになっている。

 しかし損害賠償問題が残っている。ひとつは2009年のストライキ当時、警察が労働者を弾圧するために使ったヘリコプターの修理費(屋上から労組員がパチンコで壊した?!)などで、利子も含めて約2億1千万円。現在韓国大法院で審議中。もうひとつは、77日間工場を占拠して闘ったが、その間生産ができなかったと、会社が上部団体の全国金属労組に損害賠償を請求している。金額は約7億8千万円。11月15日に2審の判決が出る。10年間闘い不当解雇を撤回させたが、国内外の支援が大きな力になった。これからは連帯活動をやっていこうと論議し、決議したと話してくれた。

工場の周りを歩き、正門や煙突の見えるところなどでキムジョンウクさんから様々なお話を伺った。「ハムケ サルジャ(共に生きよう)」という言葉がいつも念頭にあったと話していた。

 その後、平澤の米軍基地拡張に反対して闘ってきた人たちと交流し、米軍基地反対の一人デモを737回も続けているというキャンプハンフリーに同行した。その夜は平和センターに宿泊。たくさんのことを学び、またこれからも交流を続けていきたいと思った。まだまだ続く闘いを共に、トゥジェン!

 11月15日、双竜自動車の損害賠償裁判でソウル高裁は、労働組合に責任があるとして損害賠償請求を認定する不当判決を宣告。双竜自動車支部は直ちに声明を出し「責任者たる国と会社は、労働者いじめの損害賠償訴訟から手を引け」と訴えた。


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