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狭山事件・石川一雄さんの新年メッセージ
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新年メッセージ

全国の狭山支援者の皆々様、明けましておめでとうございます。

 昨年も私なりに精一杯の闘いを展開して参りましたが、期待に反し、再審裁判も適
わず、結果的に今年も支援者皆さんにご迷惑、ご心配をおかけすることになってしま
い、大変申し訳なく済まない気持ちで一杯です。三者協議は34回を重ねましたが、弁
護団の正当な証拠開示請求にもかかわらず、検察官は「必要性がない」などと開示に
応じようとせず、遅々として重要な証拠の開示が進まぬ現実を直視すれば、或いは検
察当局は、私が死ぬのを待っているかの如くさえ感じてしまいます。だとすれば、私
は意地でもとことん長生きしようと、常に自分を戒め、言い聞かせ、冤罪を晴らし、
完全勝利するまで権力に対峙して参る所存であります。

 弁護団は、下山鑑定にひきつづき、私の無実を示すさまざまな新証拠を提出してお
り、それによって、年々狭山事件の真相を知って下さる人たちが多くなり、時には集
会等に向かうために街頭を歩く私の姿を見て「石川さん応援しています。元気で頑
張って下さい」と声をかけて下さる人が多くなり、確実に支援の輪が広がっているこ
とを実感しています。加えて政府も部落差別の実態を認め、2016年12月に「部落差別
解消推進法」の制定を勝ちとりましたが、法律をどのように具体的に活用していくか
が重要であり、人権教育や啓発の重要性も取り上げられている事を鑑みれば、狭山事
件への波及効果、運動の推進にも無関係ではないと思われます。

 元より日本国憲法では「基本的人権は侵すことの出来ない永久の権利」であり、
「全ての人が個人として尊重」され、「平等権」も明記されていることからも「部落
民」として差別すること自体許されるものではありません。

 私は仮出獄後、23年になりました。うれしいことに昨年は全国各地で様々に狭山学
習会や、人権学習会が持たれ、また、狭山現調にも多くの人が来て下さり、心の底か
らうれしく感じました。

 何れにせよ、狭山再審裁判闘争において、新証拠の方は弁護士先生方の英知に委
ね、私は不当な扱いをされてきているのは紛れもない事実なので、ただ只管に真実の
もとに、公正で納得のいく、事実を証としての裁判を求め、今迄の裁判所の不当な判
断を糾弾していく事しかありません。その意味からも全国各地で、様々に闘い続けて
下さっている支援者各位、また各地から高裁前アピール行動に来て下さっている方た
ちの存在がどれほど狭山事件の真相普及のために大きな力になり、証拠開示等の実現
につながってきたか、人間の善意と正義を求める人が沢山いることに感無量でありま
す。私は、これまで絶望の中から少しずつ光の中を歩んできた此処数年の中で温かい
心に触れ涙にくれることが多々ありました。最近、自分がすっかり涙脆くなったこと
を感じます。そしてその反動として「決して負けるもんか」とファイトも与えられて
参りました。皆さん方の真摯な長い狭山の闘いが、「今年こそ」と常に私を強く駆り
立てて下さったのです。

 下山・川窪両鑑定や森鑑定も弁護団や、支援して下さる皆さん方の弛まぬご努力や
調査活動があったお蔭と深く感謝しておりますし、これらを力にして2018年は道が拓
けると確信しています。私自身が気を弛めず、司法に対し、真実を究明すべき法廷を
開き、事実調べを迫っていけば必ず勝機は見いだせると確信のもとで今年も全力で
闘って参る決意でおり、これが最後の闘いとの決意で臨んで参りますので、皆さん方
も最大限のご協力を下さいますよう切にお願い申し上げます。

 末尾になりましたが、今年も皆様方にとって最良の年になりますよう心から念じつ
つ年頭にあたり私石川一雄のご挨拶といたします。

除夜の音に 心に秘めて 誓いたて 55年の 今時に懸け

2018年1月1日

                              石川 一雄

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