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アスベスト禍に苦しみつつ同じ被害者の救済に奔走〜レイバーフェスタ報告

『子どものころ光る砂であそんだ』ショートムービー(26分) 取材/制作者 北穂さゆり 12.22レイバーフェスタで上映

 この作品は、さいたまにあるアスベスト(注)企業「エタニットパイプ社」大宮工場のアスベスト禍当事者の活動に寄り添った映像で、好評だった。松井絵里さん(主人公/左)は、アスベスト工場の近くに住み、毎日そのそばで遊んでいた。そしていま、そのために肺の病気「中皮腫」に罹っている。いつ死ぬか、何年生きられるかもわからないし、短期間で重篤になるとのことだ。そんな中、会社ものらりくらりとして、まるで死ぬのを待っているようだという。とはいえ、動ける間は被害者の掘り起こしと救済を求めていくと強い信念を語った。

 映画の中でも、そのあたり一帯は度重なる再開発で引っ越しした人も多く、被害者を探し出すのも大変だという。また、アスベストに接触して20〜40年後に発症するというだけに、当人がその体調不良がアスベストのためということすら気がつかない場合も多いとか。それを砂粒を探すような努力を重ねているという。当日も熱のある中、ぜひ訴えたいと足を運んでくださった。

 制作者の北穂さゆりさん(右)も、長年この問題を追い、粗削りながら女性の同士の感性の響きあいを感じさせる作品に仕上げてあった。アスベストのみに限らず、「公害」といわれる病気の罹患者を救済するのに、とてもうれしい作品だ。私たちレイバーネットの仲間でもある北穂さんの作品ということでもうれしい。【笠原眞弓】

(注)アスベストを使った管は、加工がしやすく安価であることから、戦前から戦後にかけて水道の普及、戦後の復興などに積極的に使われた。1970年代に入ると、徐々に使われなくなり、安価になった鋳鉄管や硬質塩ビ管に代わっていき、1992年には、JIS規格からも外された。


Created by staff01. Last modified on 2018-12-27 18:39:13 Copyright: Default

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