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シャープ亀山工場で3千人雇い止め〜「材料扱い」される外国人労働者

 「シャープ亀山工場 外国人労働者3千人雇い止め問題」と題した記者会見が12月3日午後、厚労省記者クラブで行われた。会場は6社のテレビカメラと40人近くの記者で埋まっていた。国会の「入管法」審議もありメディアの関心は非常に高い。いったいシャープ亀山工場で何が起きているのか? 会見の中心は「ユニオンみえ」。ここに亀山工場で雇い止めされた日系の外国人労働者がたくさん駆け込んできたことで、事態が明らかになった。

 もともと液晶工場だった亀山工場だったが、ホンハイ買収後の2017年にiPhone部品製造の飛躍的受注を受けることになった。そのため大量の労働者が必要となり、「ヒューマン」という派遣会社を使って全国から約3千人の日系・外国人労働者をかき集めた。しかし、それからわずか1年程度で雇い止めが始まり、ことし10月までにほぼ全員が解雇されることになった。ヒューマンの社長がいうには「アップルが部品の生産拠点を別の国に移したため、3千人の労働者はいらなくなった。しかたない」として「雇い止め撤回」など組合の要求にはいっさい応じていない。仕事を失い、住居も失った労働者は「車上生活」を余儀なくされている人もいる。

 ユニオンみえの神部書記次長は憤る。「会社は外国人労働者を人間としてみていない。材料としてみている。契約も2か月更新で、労働契約書と同時に退職届を書かされる。亀山工場内でのiPhone部品製造の仕事は変わらないのに、労働者の雇用主は2か月ごとに変わる。ヒューマングループはいくつもペーパー会社をつくっていて、労働者を転がすことで社会保険の負担や有休支給を免れ、いつでも解雇できるようにしているのだ」と。

 iPhoneといえばいまもっとも最先端のツールである。しかし、その部品をつくっているのがこうした劣悪の労働環境に置かれた外国人労働者たちだった。末端の彼らは時給1200円から1300円で夜勤シフトで亀山工場で働いてきた。アップルからの部品発注の下請け構造は数次に及ぶという。大企業は手を汚さずダーティな企業を利用して、都合が悪くなればどこの会社も責任をとらないで労働者を路頭に放り出すのである。

 今回の大量の雇い止め事件について当のシャープ自身が「知らない」と逃げ回っている。発注元のアップルでさえ「調査をしたい」としているのに、シャープの態度はあまりに無責任なものだった。神部書記次長も、「自分たちの都合しか考えないやり方。こういうことが放置されておいて、外国人労働者受け入れ拡大とはとんでもない」と語っていた。


 会見には雇い止めされた日系・外国人労働者4名も参加していた。3年働いて雇い止めされたシマヅさん(27歳/写真)は「ショックだった」と一言語った。そして「でも、ものづくりが好きで日本で働きたい」とも。外国人労働者の受け入れが大問題となっているいま、今回の「シャープ亀山工場」事件が日本の私たちに突きつけているものは大きい。(M)

ユニオンみえHP


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