アメリカ労働運動 : 教員ストの力が消え去る前に | |
[MenuOn] Home | ニュース | イベント | ビデオ | キャンペーン | 韓国 | コラム | About | Help [login ] | |
教員ストの力が消え去る前にクリス・ブルックス(レイバーノーツ・スタッフ)
この春起こった教員ストライキの波は、労働組合の強化につながるのだろうか? 教員組合がこれまでどおりのやり方に戻ればそうはならないだろう。 ウェスト・バージニア、オクラホマ、ケンタッキー、アリゾナ、コロラド、ノース・カロライナ各州のストライキの原動力は教員たちの深い苛立ちであった。教員組合が教育予算の何十年にもわたる削減を止められなかったことに教員たちは危機感を抱いていた。 その敗北の理由の一部は多くの教育組合が損害賠償責任保険や能力開発などのサービスを売り込むことによって組合員を獲得する活動スタイルを取ってきたことにある。議会へのロビー活動もプロのロビーイストに大きく依存してきていた。 州レベルの教員組合はそのスタッフの書記によって運営されている。学校職場や地域段階では大した活動は行われていない。一年に何回は州議会へのロビー活動が行われるが組合員のごく一部しか参加していない。教員や補助職員は組合に帰属意識が薄い。 したがって、今回のストライキの組織化の大部分が組合組織によって担われたのではなく、フェイブックによる非公式グループによるものが多かった。 一連のストライキによって教育当局と議会に対する組合側の力が一時的に強くなっている。しかし、それは十分とは言えない。そこでウェスト・バージニアの教員たちは組合幹部に後を任せるのではなく、州の公的健康保険制度を改善するための活動を続けている。アリゾナでは金持ちに課税することによって教育予算を確保するための住民投票を実現するために街頭に出て15万人署名に取り組んでいる。 このような正義の闘いに勝つためにはロビー活動や組合に好意的な議員を選出することが必要になってくる。しかし、それだけでは州政府を支配している大企業と教員の間の力関係を変えるには不十分である。 2011年のウィスコンシン州での公務員労働者の蜂起の後どうなったか見る必要がある。組織的に弱い労働組合が共和党の資金力のある候補者と対決したが結果は惨めなものであった。この春、教員たちに力を与えたのは大量動員であった。しかし、一旦家に戻ってしまうと、その力は消え去ってしまう。前進するためには、大量動員を何度でもできることを示さなければならない。教員組合は学校や地域での存在感をもっと確立する必要がある。 そうでないと、教員組合が推薦する候補者は選挙に負け、通したい条例も通らず、教員たちの運動も消耗して消えていくだろう。 筋肉を付けるには筋肉を使わなければならない。より良く組織化するには、もっと組織化しなければならない。教員組合はもっと上手にこれまでとは違う種類の闘いに取り組み、各校区の教育当局と団体交渉を追求するべきである。 教員にはそれができるか? 大丈夫。ご存知ないかも知れないが、多くの州では教員組合が団体交渉をすることは法律で認められている。団体交渉事項は州によって異なっているが、労働協約によって、クラス規模を制限し、給料表や健康保険給付を守り、標準テストの導入を制限し、昇進や雇用保障を決め、恣意的な懲罰に対する保護を勝ち取ることは可能である。 これらの課題は教員の切実な経済的要求である。しかし、ウェスト・バージニアでは労働協約のある校区は一つもない。オクラホマやケンタッキーでも極くわずかしかない。 ケンタッキー州ルイスビル市はその例外の一つである。「教員がクラスを維持するために必要な授業計画作り、授業準備などのすべての労働条件を交渉事項にしている」とジェファーソン郡教員連盟副委員長のタミー・バーリンさんは言う。ケンタッキー州は労働権州(注1)であるにもかかわらず、彼女の組合ローカル(注2)は93パーセントの組織率を誇っている。 労働協約改定交渉のための活動は労働組合にとって大変な取り組みである。一般組合員の中からリーダーを見つけ、育てる。団体行動に参加する組合員の数を増やすことにより組合の力を示す。保護者や生徒との共闘を強める。もし教育組合の100のローカルが今年このような取り組みを行えば、州規模での次の決起の準備がどんなに進むことだろうか? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー Created by staff01 and Staff. Last modified on 2018-09-24 13:31:26 Copyright: Default |