↑ 東京総行動(2月17日)ー経団連前
昨年12月、バングラデシュの繊維産業の拠点であるアシュリアで、数万人の労働者が賃上げをもとめて1週間のストライキにはいりましたが、この報復としてバングラデシュ政府は、非常事態法の下で組合活動家35人を逮捕・投獄し、1600人を解雇しました。
世界最大の国際労働団体・インダストリアルオール(IndutriALL)は、2013年に1100人の労働者が死亡したラナ・プラザビルの崩壊事件以来、バングラデシュの労働者の人権をもとめて活動してきましたが、バングラデシュの傘下組合員が逮捕されていることもあり、2月15−16日に国際キャンペーンを実施することになりました。10年前にインダストリアルオールの前身であるIMFが、フィリピントヨタ労組のために国際キャンペーンをはってくれたように、各国のバングラデシュ大使館へ抗議行動をすること、バングラデシュ政府への抗議書簡の送付、同時にバナーをもっての写真キャンペーンもよびかけています。
↑ 東京総行動(2月17日)ー経団連前
オランダに本部がありヨーロッパ各国に支部をもつクリーン・クローズ・キャンペーン(CCC)などの国際労働NGOも、ラナ・プラザビル崩壊事件ではキャンペーンを実施しましたが、今回のこの逮捕事件でもインダストリアルオールと連動してキャンペーンをすることに急遽決定。日本にはCCCが香港の労働NGOによびかけて香港経由で2月13
日に知らせが届きました。
そこで、17日の東京総行動に参加するみなさんによびかければ、写真キャンペーンならできるのではないかと相談し、実施することにしました。
↑ 東京総行動(2月17日)ー経団連前
報告と写真・遠野 はるひ(横浜アクションリサーチ)、大井 呑(自動車産別連絡会議)
<注>
* インダストリオールは、人権や労働組合の諸権利の保護・確立、賃金・労働条件の改善のために、世界の製造に係わる労働者の連帯活動を推進する国際労働団体です。 世界140カ国、5000万人の製造・エネルギー・鉱山部門に働く労働者を組織しており、スイス・ジュネーブに本部書記局があります。
* インダストリオール・グローバルユニオン(インダストリオール):IndustriALL Global Union(IndustriALL) 国際金属労連(IMF)、国際化学エネルギー鉱山一般労連(ICEM)、国際繊維被服皮革労働組合同盟(ITGLWF)の3つの組織が統合して2012年に設立された。
↑ 東京総行動(2月17日)ー新日鉄住金本前
↑ 東京総行動(2月17日)ー新日鉄住金本社
↑ 東京総行動(2月17日)ー新日鉄住金本社
↑ 東京総行動(2月17日)ーニチアス本社前
↑ 東京総行動(2月17日)ーニチアス本社前
↑ 東京総行動(2月17日)ートヨタ東京本社前
↑ 東京総行動(2月17日) プラカード
続報:バングラデシュの労働組合活動家・衣料労働者35人が国際キャンペーンで全員が釈放
<資料>
<労働情報 2017/2/1 翻訳:喜多幡佳秀>
バングラデシュ:衣料労組のリーダー11人を逮捕、1600人以上を解雇
バングラデシュの首都ダッカのアシュリア工業地区で12月に数万人の労働者が賃上げ等を要求してストライキに入り、多くの工場が約1週間にわたって操業中止となった。この闘いに対する報復弾圧の中で、政府は戦時を想定した制定された「特別権限法」によって多数の組合リーダーを逮捕。拘留している。
以下はインダストリオールの1月5日付の声明である。
インダストリオールはバングラデシュにおける衣料産業労働者、労働組合リーダー、労働者人権活動家に対する迫害の即時中止を要求する。
衣料産業における恐るべき反動として、この2週間の間に11人の組合リーダーと労働者人権活動家が1974年の特別権限法の下で逮捕された。同法は戦時に適用される非常事態法である。逮捕された11人の中にはインダストリオール加盟の3つの組合、BGIWF、SBGWF、BIGUFの7人の組合員が含まれる。
同時に、1600人以上の労働者が解雇され、警察は労働者や組合リーダー約600人を送検した。
この弾圧は12月12日にダッカのアシュリア地区で行われたストライキの後に起こった。同日、労働者たちは最低賃金を現行の月68ドルから190ドルに引き上げることを要求してストライキに入った。
工場所有者たちは賃上げを強硬に拒否した。この国での賃金は世界で最も低い水準であり、住宅費や日用品、医療費が高騰しているにも関わらずである。
ストライキへの報復として衣料製造輸出協会(BGMEA)は59の工場で生産を中止し、工場所有者たちは1600人以上の労働者を解雇した。
ストライキが行われたウィインディ・アパレル社とファウンテン・ガーメント社は239人の労働者を刑事告訴した。ヘミーム・グループも1000人の労働者に対して損害賠償請求を準備していると報じられている。
現地からの情報によると、今、多くの衣料労働者が怖くて工場に戻れないと言っている。警察の迫害を逃れるために故郷へ帰った労働者もいる。現地のインダストリオール加盟組合の事務所の大部分が閉鎖されるか荒らされている。
同国のインダストリオール組合評議会はすべての被拘留者の即時釈放と、警察によるすべての送検の取り消しを要求している。また、ILOにBGMEAとの交渉の仲介を要請している。
インダストリオールは他の組合や運動団体と共同で、バングラデシュの工場から製品を仕入れている衣料ブランドに対して、バングラデシュ政府に拘留されているすべての組合リーダーの釈放と、訴追の撤回と組合リーダーや労働者人権活動家に対する迫害の中止を求めるよう要請する書簡を送った。
バングラデシュは独立的な労働組合や労働者活動家への暴行、拷問、死の脅迫をはじめとする忌まわしい歴史がある。2012年には活動家のアミヌル・イスラムが殺害された。ヒューマンライツ・ウォッチや他の第三者機関がこの事件への同国の治安当局者の関与を強く疑っている。
インダストリオールのウォルター・サンチェス書記長は次のように述べている。
「バングラデシュの衣料産業における労働組合や労働者に対する弾圧を続けることは許されない。インダストリオールは政府が拘留されているすべての組合活動家とリーダーを釈放し、多数の衣料労働者に対する訴追を取り消すよう要求する。政府の弾圧は彼ら・彼女らを沈黙させることはできないし、われわれを沈黙させることもできない。衣料労働者には基本的な権利である団結権があり、生活できる賃金を得る権利がある。政府が衣料産業の労働者を人間として扱わないのなら、この国の重要産業である衣料産業を失うことになるだろう」。
**********
<「労働情報」 2017/3/1 翻訳:喜多幡佳秀>
バングラデシュ:衣料労組への弾圧が拡大
バングラデシュで昨年12月の賃上げ要求スト以降、衣料産業の労働組合に対する弾圧が続いている(本誌2月1日号を参照)。2月10日にはチッタゴンで、インダストリオールに加盟している独立衣料労働組合連合(IGWUF)の事務所に警察官が立入り、組合リーダー9人を連行した。同13日に全員が保釈になったが、容疑は取り下げられていない。
前週にはガジプールで、インダストリオールに加盟しているバングラデシュ革命的衣料労働者連合(BRGWF)の役員たちが4時間に及ぶ尋問を受け、その後、警察の介入を避けるため活動停止を余儀なくされている。
12月以降、少なくとも26人の組合リーダーおよび組合員が逮捕され、今も拘留されている。組合事務所への侵入、破壊、書類や機器の強奪が続いている。多くのリーダーは逮捕を逃れるために身を隠している。
インダストリオールはUNI、ITUCと連携して、弾圧に抗議し、国際的な連帯を呼びかけている。
ラナプラザ・ビルの倒壊から4年近くが経過し、安全協定(アコード)を通じて防火やビルの安全の面で改善が進んているが、労働法や国際労働基準の遵守などの面では政府の取り組みはあまりにも貧弱である (インダストリオールのウェブより)。
インダストリオールの呼びかけに応えて、ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)、クリーン・クローズ・キャンペーン(CCC)を始めとする22の国際人権団体や労働権擁護団体が、アパレル産業の有力ブランドの60社に対して、拘留されているすべての組合リーダー・組合員の釈放と1500人の日解雇者の復職のためにバングラデシュ政府に働きかけるよう申し入れた。
CCCは、声明の中で「バングラデシュの政府と衣料産業の経営者は賃上げストを労働組合弾圧の口実に利用しようとしている」と指摘している。
別の動きとして、米国アパレル・フットウェア協会(AAFA、米国の千以上のブランドが加盟)は1月23日にこの問題に関連してバングラデシュの首相に、労働者の団結権の擁護と、多くの紛争の原因となっている賃金水準についてすべての関係者が参加する定期的で透明な検討のメカニズムの確立を求める書簡を送った。
また、H&M、GAP、プライマークなど20の小売チェーンが1月11日に首相に対して新しい賃金委員会の設置を求める書簡を送っている(「ザ・デイリー・スター」紙1月27日付より)。
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Last modified on 2017-03-05 00:19:03
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