前川喜平氏が自ら示した「個人の尊厳、国民主権」〜記者会見をみて | |
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前川喜平氏が自ら示した「個人の尊厳、国民主権」〜記者会見をみて元国労組合員の久下格です。IWJが流してくれた6月23日の前川前文科省次官の記者会 見を見て、Facebook で公開した感想です。------------------ ●個人の尊厳、国民主権●6月23日(2017/06/23)の前川喜平氏の会見はたくさんの人々に感銘をあたえ、ネット 上でも様々な媒体が意見を表明しています。私にも触れたい点、書きたい点がたくさんあ るのですが、ここでは前川氏が記者クラブの求めに応じて書いた「個人の尊厳、国民主権 」という言葉について書きたいと思います。 「個人の尊厳」という言葉も「国民主権」という言葉も中学校で習ったように思います 。全ての個人がお互いを人間として尊重する「個人の尊厳」。「平和主義」「基本的人権 の尊重」とともに日本国憲法の三大原則の一つである「国民主権」。何となく皆が、戦後 日本ではあたりまえだと思っている原理、何もしなくても、空気のように私たちの社会を 規定し続ける原則だと、大半の人々が思っている原理です。しかし、実際にはそうではな い。この二つの原則を、建前ではなく本当の意味で社会を律する原理として確立するため には、国民(普段私は使わないのですが、ここではあえて「国民」)には不断の努力が、 あるときには自分自身の人生を賭けた行動すら必要となる。そのことを前川氏は自らの行 いによって私たちに示したと思うのです。 ---------- ここには、権力の中枢、官僚のトップにまで上り詰めた前川氏が、なぜ今回、公の場で 安倍政権の姿勢を批判する発言を始めたのか、そのおおもとにある考え方が示されている と思います。 目の前で不正が行われているとき、それを正すことができずに目をつぶり、与えられた 仕事をただ有能にこなすことで出世の階段を上がっていく、それでは「滅私奉公」ではな いか。人間の尊厳がないがしろにされているのではないか。いや、自分自身で人間の尊厳 をないがしろにしているのではないか。前川氏にとって「人間の尊厳」とは、「個人の権 利が侵されない」という受け身の権利ではなく、人が信念、思想、信条、良心を持った一 個の存在として能動的にふるまうことができるのかを問う、生き方の原理であると思いま す。省内で共有され、関係者すべてが存在を知っている文書がなかったことにされ、関係 者すべてが知っている官邸の関与がなかったことにされる。それが権力の力で押し通され る。それを黙って見過ごすしかない。そんな社会は「人間の尊厳」が保証されている社会 だとは言えません。 国民主権にも同じような意味が込められています。目の前で「あったことがなかったこ とにされ」、首相による友人への巨額利益誘導の疑いの濃い事態が進行しているのに、現 に共有されている文書を政権がないことにしているのに、事実を公表できないとすれば、 それは主権を持った者の振る舞いであると言えるのか。権力者に臆して黙り通し、自分の 身の安全と自身の将来をはかるのは、主権を持った国民としての振る舞いではない。国民 主権という原理もまた、何もしないでも空気のように存在する「与えられた権利」ではな く、一人一人が主権者として振る舞う努力を通して、本当のものにしていかねばならない 、そうした権利として、前川氏はとらえていると思います。 今、私たちは、こうした考えにもとづいて、権力の中枢と巨大マスコミが共謀した謀略 報道の脅しにも負けず、人生をかけて発言した前川氏を、なんとしても守り抜かねばなら ないと思います。 ここで負けたら…、 人間の尊厳も国民主権も、もっと言えば、私たちが学校で習ってきた民主国家日本のあ り方は、あまりに空疎な建前になってしまう。いや、さらにもっと言えば、長く、あまり に空疎な建前になっていた、人間の尊厳、国民主権という原理、民主国家日本という原理 を、前川氏は自分自身の人生を賭けた行いによって、いきいきとした原理として、公正、 平等で民主的な社会を作るための原則として私たちの前に提示してくれたのだと言えます 。 今、問われているのは、私たち一人一人です。私たち一人一人が、人間の尊厳をかけて 、主権の保持者としての責任をもって行動することができるのか。 臨時国会を開催して全関係者の証人喚問を実施するために、加計学園問題の全容を解明 するために、みんなが自らの持ち場で一歩前に踏み出そうではありませんか。 Created by staff01. Last modified on 2017-06-26 11:22:45 Copyright: Default |