佐久間忠夫さんの他界を悼んで
わたしたちは、松原明・佐々木有美両監督の『人らしく生きよう 国労冬物語』のフラ
ンス語字幕版を上映する会をつくり、2004年6月に両監督と佐久間さん、山田則雄さ
ん、故大谷英貴さん、大谷友枝さんをパリに迎えました。佐久間さんご自身が著書『人ら
しく生きよう』で語られているように、フランスの労組SUD(シュッド:連帯・統一・民
主主義)、市民団体ATTAC(アタック)との共催による2度の上映会で、彼らは満場から
熱気に満ちた拍手と温かい支援、そしてたくさんの質問を受けました。短い滞在にもかか
わらず、福祉制度改悪反対やイラク戦争反対デモに参加し、フランスの社会運動や市民運
動にも触れられたことを、とても喜んでいらっしゃったのを覚えています。また、ジョリ
・モーム劇団の路上パフォーマンスをみんなで観て楽しみ、最後に「インターナショナル
」をいっしょに歌っていらっしゃいました。フランス国鉄労組の案内で東駅を見学したと
き、列車の運転室に入れてもらった佐久間さんの嬉しそうな表情も、忘れられません。
その後も、日本に帰国した際、レイバーネットのみなさんといっしょに、また福島原発
事故後は経産省前のテントひろばでお会いする機会がありました。痩せたお体に不屈の精
神がみなぎる佐久間さんのお姿は、彼につづく世代の多くの人々をどれほど励ましてきた
ことでしょう。フランス滞在中も、何事も怖れず、自由で気っぷうがいいお人柄が印象的
でした。
日本でもフランスでも、そして世界じゅうで、ごく一部の富裕層がますます富を貪り、
資源をとり尽くし、人間らしい暮らしを破壊しています。だからこそ、佐久間さんが示さ
れた「人らしい」生き方を心の灯火として、これからもくじけず、一歩一歩、歩みを進め
ていきたいと思います。佐久間さん、颯爽とした人生、お疲れさまでした。あの世でも元
気にまくしたててください。近年、フランスのデモなど社会運動のとき必ず歌われる「オ
ン・ラッシュ・リヤン」On lâche rien ! (あきらめない、負けないぞ)の歌詞の抜粋
を送ります。
闘いがあるかぎり 希望がある
生命のあるかぎり 闘いがある
闘いつづけるかぎり 俺たちは倒れない
倒れないかぎり あきらめない
オンラッシュリヤン オンラッシュリヤン オンラッシュリヤン 負けないぞ
『人らしく生きよう 国労冬物語』フランス上映委員会
2016年7月11日
久保田ゆり、菊池恵介、三宅芳郎、ポール・ジョバン、エルワン・ケレン、山口啓、
辻俊子、飛幡祐規(田代優子)
*写真=パリ上映後なりやまぬ拍手
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staff01.
Last modified on 2016-07-13 23:05:20
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