【2016参院選】福島県内土木・建設関係業界団体から国民政治協会へ3年間で1,700万円の巨額政治献金 | |
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【2016参院選】福島県内土木・建設関係業界団体から国民政治協会へ3年間で1,700万円の巨額政治献金安全問題研究会・黒鉄好 自民党の政治資金団体である「一般財団法人国民政治協会」への企業・団体献金について、公表されているものとしては直近の3年間(2012(平成24)年〜2014(平成26)年)分の政治資金収支報告書を安全問題研究会が調査したところ、福島県内の土木・建設業界関連の29団体から、3年間で合計1,700万円もの巨額の献金が行われていたことがわかった。とりわけ、2012年度は710万円、2013年度は832万円もの献金が行われている。福島県内団体の献金額一覧は以下の通りだ。 この額は、他県の土木・建設業界関連団体からの献金額と比べても突出して多く、東日本大震災の主要被災三県(岩手・宮城・福島)の中でもこれほど巨額の献金を行っているのは福島県だけである(岩手県内団体は、国民政治協会への献金自体、行っていない)。同じ期間における全国の土木・建設業界関連団体からの献金額は3434万円(以下の表の通り)であり、福島県内団体からの献金だけでこの約半分を占める。 いうまでもなく、2012〜2014年度といえば、福島県内で「復興」事業が集中して行われた時期に当たる。2012年は、年末に自民党が政権復帰するまで、ほとんど野党であったにもかかわらず、自民党に対してこれだけの献金が行われていた事実に驚かされる。 福島では、震災復旧、除染、復興公営住宅整備などの事業が、大量の税金を投入して行われてきた。2016年度の福島県当初予算案は一般会計で1兆8819億円だが、その55%に当たる1兆384億円が「震災・原子力災害対応分」に重点配分されている。福島県内の土木・建設業界が自民党に巨額の政治献金をし、国・県の税金が福島県内の震災・原子力災害対策に「重点配分」されていく。そんな実態が見えてくる。 福島県内では、放射能による健康被害を訴え、福島から避難する人々が相次いだ。そうした人々に対し、「復興の妨げ」「風評被害の元凶」「避難者がいるから『復興』が進まない」などといわれなき中傷が浴びせられてきた。「復興」という言葉が出た瞬間、国・県・東京電力を批判してはならないかのような「空気」が作られ、原発事故に対する批判は徹底的に封じ込められてきた。子どもたちに100人を超える甲状腺がんが発生しても、福島の被災者たちは沈黙を強いられ、危険な高線量地域への「帰還事業」ばかりが加速してきた。「復興」の名の下に、あらゆる情報の隠蔽、ごまかしの嵐は今なお強烈に吹き荒れている。 福島県民に沈黙を強いているものの正体が、業界によってカネで買われた「復興」だとするならば、今こそ、私たちは「復興」の正体を問わなければならないだろう。 今行われている参院選は、このような「利権まみれ、カネまみれ」の汚れた復興の継続を許すのか、真に住民本位、健康・安全最優先の「人を中心とした復興」への転換を図るのかを問う選挙である。自民党の議席増を許すようでは、今後、汚れた復興が加速するだけだ。 いよいよ残り1週間。福島を、そして日本の市民を幸せにできる「本当の意味での復興」を掲げる野党候補に、あなたの1票を投じてほしい。 なお、当研究会は一般マスメディアにも今回の献金の事実をプレスリリースした。明日以降、メディアがどのような取り上げ方をするのか、あるいは黙殺するのか。それにも注目してほしい。 <参考記事・資料> 福島県「避難地域の復興加速」 16年度当初予算案を発表(2016.2.4 日本経済新聞) 本記事が参考にした2012(平成24)年〜2014(平成26)年分の政治資金収支報告書は、総務省サイトの以下のページで見ることができる。 2012(平成24年)分……平成25年11月29日付け官報(号外第259号) 2013(平成25年)分……平成26年11月28日付け官報(号外第265号) 2014(平成26年)分……平成27年11月27日付け官報(号外第268号) Created by staff01. Last modified on 2016-07-03 13:47:42 Copyright: Default |