石川源嗣のコラム :「辞めさせてくれない」相談増加の意味すること | |||||||
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東部労組の石川です。 東部労組機関紙2016年2月号コラム<二言三言>に下記の文章を掲載しました。 「辞めさせてくれない」相談増加の意味すること NPO法人労働相談センターが扱った2015年の相談件数は前年を329件上回る8 597件(月平均716件)になり、過去最高を記録した。 相談内容では、「いじめ嫌がらせ」がこの3年ほどトップを続けている。15年ほ ど前には、相談件数の5%に届かなかった「いじめ嫌がらせ」が毎年増加し、昨年 は22%にまで急伸し、相談内容の第1位になっている。 また目立つのは「辞めたいのに辞めさせてくれない」相談の増加である。 直近の集約でも、経営側から「あなたが辞めたらみんなが困る」「辞めるなら 裁判を起こしてやる」「嫌でも働いてくれ」などと脅かされ、「夜中に電話で引 き留め」られるような「辞めさせてくれない」事例が続いている。「バックレる しかないのか」と悲鳴が漏れる。 この「辞めさせてくれない」相談は昔はほとんどなかった。10年ほど前から目 立ちはじめ、当初は対応に戸惑った。2010年ころから急増し、昨年は947件(月 平均79件)であった。この年間900件を超える異常な高水準は2013年から3年続 いている。 経営者にとって、労働者を解雇するのも、辞めさせず働かせ続けるのも、思い通 りの、完全な自由である状態が一番よい。かつては、労働者がかなり広く持って いた「退職の自由」はこの10年ほどの間に、強く制限されるようになった。文字 通り経営者が労働者にたいして常に生殺与奪の権を持つ。 昨年労働相談の最大の特徴といえる「いじめ嫌がらせ」と「辞めさせてくれな い」相談の高止まり状態は、現在の労働実態と多くの労働者が職場でいかに働き づらい状況になっているかを如実に示していると言える。 「辞めさせてくれない」相談増加の要因は、労働者派遣法の制定と改悪(200 3年製造業派遣解禁、2015年「生涯派遣」)、そして非正規労働者の増加による 雇用の不安定・劣化、また労働組合員数とストライキ争議件数の減少による労働 者の力の減退、その結果としての職場での労働者の無権利にある。 派遣労働者など非正規労働者の労働環境悪化は全労働者の労働条件、生活と権 利破壊に連動直結している。 これら歴代政府とりわけ安倍政権の新自由主義政策の強化に対抗する基本的な 力の源泉は、職場での労働組合結成とその強化にある。(石) Created by staff01. Last modified on 2016-02-26 12:21:35 Copyright: Default |