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インドネシアのミズノ関連工場で1300人解雇・組合つぶし〜PDK労組支援の声を!
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インドネシアのミズノ関連工場で1300人解雇・組合つぶし〜PDK労組支援の声を!

    遠野はるひ(横浜アクションリサーチ)

*2016年2月9日、ミズノの108回の創立記念日に日本大使館前で抗議行動

 数日前にオランダに本拠地がある国際労働NGO,CCC(クリーン・クローズ・キャンペーン)から、インドネシアにおけるミズノのサプライチェーン、パルナブ・デゥカリャ社(PDK)の労働組合を支援する国際キャンぺーンを、急遽、実施することになったので、日本の団体にも参加してほしいという呼びかけがあった。横浜アクションリサーチは3年前からPDK労組と連絡していることもあり、この呼びかけに応え、10月12日16時から御茶ノ水にあるミズノ東京本社前で、レイバーネット国際部などの団体とともに要請行動をおこなうことにした。

●女性労働者1300人を解雇

 ミズノが取引をしているパルナブ社のグループ企業・PDK社は、ジャカルタから車で1時間の工業都市・タングラン市で2013年12月まで操業し、アディダスやミズノの靴を製造していた。PDK社は2次下請けだったが、最大の取引先であるミズノから直接注文を受けることもあった。労働者のほとんどが女性で労働条件は過酷。ハイシーズンには納期にまにあわせるために5,6時間、時には9時間の残業をしいられる長時間労働で意識を失うなどの精神障害がおきることもあったが、賃金は最低賃金を下回る低さだった。2012年2月、女性たちが中心となってPDK労組を結成したが、PDK社は組合結成の翌日に女性委員長・ココム・コマラワティさん(写真)を解雇し、組合潰しをしようとした。おりしもインドネシアでは最低賃金のアップと非正規雇用の正規化をもとめて労働運動が勢いをつけていた頃だった。

 この年の7月、PDK労組の2000人の組合員は、ココム委員長の解雇撤回と法定の最低賃金の要求など、労働条件の向上を求めてストライキに突入。会社は警察を導入し、催涙ガスを妊娠中の女性にも容赦なく浴びせ、7日間にわたるストライキを鎮圧。その後、労働者を脅迫し、組合を脱退するように強要したが、従わない1300人労働者を、違法ストライキをおこなったという理由で大量解雇した。

 解雇になった組合員たちはPDK社と同じような下請け企業に再就職をしながら、PDK労組に所属し闘争を継続している。彼女たちの要求は、2013年12月に会社が閉鎖になるまでの賃金、退職金、および不当解雇になったことにより生じた子どもの退学、住居の立ち退きなどの被害の補償などである。解雇から4年近くを経過した今も346人の女性たちが、親会社であるパルナブ社、発注元であるアディダスやミズノの責任を追及し、インドネシアに事務所がないミズノに代わり日本大使館への抗議行動を繰り返し行っている。

●国際労働団体が支援に乗り出す

 国際労働NGOであるCCCは、ミズノのサプライチェーンであるこの争議への責任をとるように求めてミズノ本社へ連絡をとりはじめ、争議支援の国際キャンペーンを展開している。また、ミズノは2011年に産業別国際労働組織・インダストリオールと健全な労使関係を目指す国際枠組み協定(Global Framework Agreement)を他社に先駆けて結んだこともあり、インダストリオールもミズノにPDK労組の要求を尊重し交渉を行うように促している。このような国際的な動きもあり、ミズノは独自調査をスタートしたが、大量解雇は違法ストライキによるという立場をとり、具体的な解決行動には結びついていない。

 昨年、G7の議長国であるドイツは、「G7エルマウ・サミット首脳宣言」の「責任あるサプライチェーン」の項目において、多国籍企業が劣悪な労働条件を是正する責任を、子会社のみならずサプライチェーンにまで負っていることを明記。来年のG20の議長国としても、この問題を取り上げる予定だと聞いている。また、今年のILO総会でもグローバル・サプライチェーンは議題となり討議が行われた。今年5月の伊勢・志摩サミットでも、この問題をとりあげるように国内外のNGOは日本政府に働きかけたが、残念ながら実現しなかった。

 インドネシア現地では、8月9日にPDK労組が親会社であるパルナブ社と交渉を行い、労組側が要求額を下げたにもかかわらず何の進展もなかった。次回は10月13日に交渉を予定しているが、ミズノもインドネシアに来て交渉に同席するように国際キャンペーンは要請している。この要請を拒否した場合は、10月16日(日)にミズノがスポンサーとなっているアムステルダム・マラソンでの抗議行動を予定している。

 ミズノは海外の子会社との間に良好な労使関係を築いている模範企業として、さまざまな場所で講演をおこなっている。そのミズノにサプライチェーンの労働問題として今や国際問題となっているPDK争議の積極的な解決を求めて、日本でも下記のようにミズノに交渉参加を要請するので、ぜひ、ご参加を!

日時:10月12日(水)16時から 場所:ミズノ東京本社前
  http://bb-building.net/tokyo/deta/839.html
(住所:千代田区神田小川町3-22 最寄駅JR御茶ノ水駅、千代田線新御茶ノ水駅)
★参加できる方は、横浜アクションリサーチ yokohama-arc@jca.apc.org、遠野まで連絡をください。


Created by staff01. Last modified on 2016-10-09 22:23:25 Copyright: Default

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