根津公子の都教委傍聴記(9/8) : 英語教育にも「日本人の自覚と誇り」か! | |||||||
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●根津公子の都教委傍聴記(2016年9月8日) 英語教育にも「日本人の自覚と誇り」か!議案は校長の任命と懲戒処分案件3件でいずれも非公開議題、公開議題は≪来年度高校入試実施要綱について≫と≪「東京都英語教育戦略会議」報告書について≫の報告のみ。懲戒処分は非公開報告事項としてもあった。公開議題に費やした時間はわずか35分。 以下、≪「東京都英語教育戦略会議」報告書について≫報告します。エリート都立高校生を海外留学させる「次世代リーダー育成道場」(2012〜)、国際高校の国際バカロレア認定校(2015)、英語教育重点校及び同推進校の指定(2014〜)等と並行して、今年度からは、都が作成した英語教材「Welcome to Tokyo」及びDVDを小学校5・6年生、中学生、高校生に配布し、英語教育及び「日本人としての自覚や誇り」育成に都教委は莫大な金を投じている。これらの取り組みは、私が定例会を傍聴するようになった2011年からかなり頻繁に報告されてきたことだ。 グローバル化が進む国際社会において世界における日本の力を高め、国際協調を進めるために英語によるコミュニケーション能力が必要とされることから行ってきたこれらの取り組みだが、現在の英語教育の課題及び改善の方向性・具体的方策について提言を行うために2013年、都教委は「東京都英語教育戦略会議」を設置したという。政府の「グローバル人材育成戦略」(2012.6)、文科省の「グローバル化に対応した英語教育改革推進計画新実施計画」(2013.12)、都教委の「都立高校推進計画新実施計画」(2014.2)「東京都教育ビジョン」(2014.4)に基づくという。 同会議は、「使える英語力」の育成のための英語授業の改善、小学校英語教科化を見据えた、教員の指導力・英語力の向上が今後の大きな課題といい、24の提言をしたとの報告だった。その報告書(「グローバル社会を切り拓く人材の育成に向けて」)が配布された。 英語力を高めることには反対しないけれど、これまでも言ってきたように、「ノンエリート」高校の学校予算を削って「エリート」高校生の留学費用に充てるなどの不公平性、「日本人の自覚と誇り」の押し付け、ボランティア活動を義務付ける2020東京オリンピック・パラリンピック「おもてなしプロジェクト」は看過できない。「使える英語力」に格差及び「愛国心」を持ってくるな、と言いたい。 「小学校教員採用で英語科教員の採用をしっかりやってほしい。JICAの研修生を動かすべき」(木村教育委員)との意見は出されても、これまでの取り組みや提言についての疑問や反対意見はない。都教委はどこまで子どもたちと教員を振り回すのか。子どもたちは都教委のいいようにいじくりまわされている。 Created by staff01. Last modified on 2016-09-10 10:56:11 Copyright: Default |