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「われわれがテント!負けないで続ける!」〜脱原発テント強制撤去される
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「われわれがテント!負けないで続ける!」〜脱原発テント強制撤去される

動画(7分半 撤去時証言あり)NHKニュース(撤去シーンあり)

 それは8月21日の未明、午前3時40分だった。5人の泊まり番のうち起きていたのは2人。そこに、裁判所執行官・経産省職員・警察の人間があらわれ「10分以内に私物をもって退去せよ」と通告した。すでに周辺の地下鉄出口3か所と周辺道路はバリケードで封鎖されていた。5人が退去すると「テント撤去」作業が開始され、約1時間で撤去が終わった。一部マスコミは事前に知らされていたようで、三脚をたてて撤去の様子を撮影していた。未明に電話やメールで知った支援者らが駆け付けたが、すでに作業は終わっていた。


 *テントがあった場所

 続いて午前6時半に抗議集会、9時から記者会見、13時から抗議集会と、テント跡地では断続的に抗議行動が取り組まれた。「撤去すべきは原発でテントじゃない」「今度はわれわれ一人ひとりがテント」「負けないで続ける」。怒りと新たな決意の声が聞かれた。脱原発テントは約5年、この日は1807日目だった。

 警官隊に守られて経産省職員が何度もやってきた。「国有地」の看板を付け直したり、台座に腰掛ける市民を恫喝したり、市民に座らせないようにベニヤ貼り作業をしたりしていた。そのたびに小競り合いがあった。そうした混乱のなか、1名が逮捕された。


 *台座に座らせないために急遽つくった造作物

 記者は、テントを支えてきた人に話を聞いた。毎週一日来ていたという女性(写真下)は「テントは消えたけど気持ちは変わらない。行動を続ける。このクニはひどくなるばかりで、その責任は私たちにある。これから大変な若い世代のためにも頑張りたい」と語っていた。

 車イスでテント通っていた男性(写真下)は、「とにかくよく5年間頑張った。私は64歳でかかわりいま69歳になった。その間、亡くなった人もたくさんいた。テントのたたかいは反原発運動の歴史に刻まれるだろう。これからも続けていきたい」と誇らしく述べた。

 市民が跡地前にプラカードを並べ、折りたたみイスを出して座り始めると、警察の幹部があわてて「座り込みは禁止されている。道交法違反だ」と盛んに警告し「強制排除する」と脅かしていた。しかし、市民らは当然のように座り込み、抗議行動をつづけた。

 火炎瓶テツさん(写真)は、ラップ調のコールで「今度はわれわれ一人ひとりがテントになろう。テントになって歩いて声をあげよう」と元気に呼びかけた。テント跡地から、また新たなたたかいがはじまる。(M)


Created by staff01. Last modified on 2016-08-22 13:49:56 Copyright: Default

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