我慢ならぬ会社の横暴!〜インド・ホンダ子会社で正規・非正規労働者が立ち上がる | |||||||
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我慢ならぬ会社の横暴!〜インド・ホンダ子会社で正規・非正規労働者が立ち上がる遠野はるひ(横浜アクションリサーチ)ホンダ・モーターサイクル・アンド・スクーター・インディア社(HMSI)のタプカラ工場で、正規労働者、契約労働者、2000人の労働者による争議がおきている。タプカラ工場が位置するデリー近郊のこの工業地帯ベルトには、争議をかかえるマルチスズキ、ダイキンなどの生産拠点もあり、労働者の支援の輪が広がっている。 始まりは、2月16日、午後2時半、午前中のシフトを終えた塗装部門で働く契約労働者が、上司から残業するように命令され、3日間連続して残業をおこない体調がすぐれなかったので断ると、平手打ちにされる暴力をふるわれた事件からだった。この場面を目撃した大勢の労働者たちは怒り、工場内に座り込み、生産をストップさせた。同時に、登録中の組合に連絡し、会社に暴力行為への謝罪と解雇・停職処分をうけている9人の組合活動家と契約を切られた400人の契約労働者の職場復帰の交渉を要請した。会社は、交渉の代わりに労働者の指導部を排除し、警察と違法な暴力団を工場内に投入し、夜7時頃から、労働者たちに催涙ガスを浴びせ、こん棒で乱打し、投石し、60−70人に重軽傷を負わせた。その後、5人のリーダーを含む44人は、殺人・暴動・略奪などの誤った容疑で刑事事件に訴えられ、拘留された。 1999年8月に創業されたHMSIは、ホンダのインドにおける二輪車生産・販売子会社である。ホンダは、1984年に現地メーカーとの合弁企業、ヒーロー・ホンダを設立しインドでの二輪車の生産をスタートさせ、インドにおけるトップメーカーとなった。しかし、ヒーローとの方針の違いもあり2010年に合弁を解消。その後、ホンダ独自の子会社・HMSIは生産を急増させ、2014年には420万台を販売し、国内第2位のメーカーに成長した。生産拠点は、2001年にマネサールに建設した第1工場に続き、2011年には今回の争議がおきているタプカラ工場、2013年には第3工場、2016年には第4工場を稼動させ、生産能力は580万台(従業員2万人)に拡大している。 タプカラ工場では、2012年から継続している大争議・マルチスズキ同様に、契約労働者が多数雇用されていた。正規労働者は466人、実習生と会社契約労働者で100人、契約労働者が3000人で、労働者の4分の3以上は契約労働者が占めていた。賃金も正規労働者が月20000ルピー(36000円)に対して契約労働者は月10000−12000ルピー(18000円から21600円)、残業代も違っておりその他、様々な差別が存在した。 2015年8月、227名の正規労働者と実習生、契約労働者は、身分の違いを超えて一緒に組合を結成、登録の手続きをしたが、登録を阻止しようと会社は法的手続きを含む数々の妨害をおこなう。12月14日、組合は協定書を提出し、県の労働局は交渉の日程を調整するが、会社は4回もこの交渉を欠席。その一方で、登録申請中の組合の委員長、ナレシュ・クマールの配転を11月におこない、拒否すると他の3人の組合活動家とともに解雇。他にも5人の組合活動家を停職処分にし、20人に「警告文」を送った。 また、2015年9月から2016年2月はじめまでに、組合結成に積極的だった契約労働者の削減をおこなった。2月16日の抗議行動の背景には、契約労働者への差別、組合結成への妨害、不当解雇と、会社に対する積み重なった労働者の怒りと不信感があった。 この後、会社は工場内外に警官隊と暴力団を配置し監視するとともに、職場に戻らず抗議を継続する労働者たち代わり、遠方の地域からの移民労働者を契約労働者として雇い、また、2016年2月には、新第4工場をグジャラート州に開設したが、生産の遅延がおきている。 2月19日、HMSIの労働者、マネサール工場からのホンダ労働者に、マルチスズキなどの同じ地域の労働者・組合などの支援者を加えた3000人がグルガオンのタウ・デビラル・スタジアムで集会を開き、インドのホンダ本部まで8キロの道を抗議のデモをおこなった。この後、工業地帯全体に抗議行動が広がることを恐れた州政府はデモの許可をだしていない。 3月1日には拘留されていた44人のうち39人が釈放、残りの5人のリーダーたちも3日後に釈放され、地方政府は組合と会社との調停を約束した。しかしながら、会社は、この後も、停職の文書を正規労働者の100人に送り、契約労働者500人には正規労働者にするという申し出をおこない、両者の分断工作を図っている。 現在も職場に戻っていない2000人のHMSI労働者は、虚偽の嫌疑による刑事事件の撤回、解雇・停職にされた労働者の職場復帰、組合結成の承認、暴力を振るった警察・会社側人間を罰すること、警察の弾圧と過剰警備の中止などの要求をかかげ、地域の労組と連帯をしながら闘いを継続している。(2016年3月15日記) 仔細は下記に詳しい。
〔写真上〕2016年2月16日、工場内で座り込んで抗議するHMSI労働者 Created by staff01. Last modified on 2016-03-15 20:23:12 Copyright: Default |