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若者を見る目のあたたかさ〜木下昌明「シールズはどこへいく」を読んで | |
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若者を見る目のあたたかさ〜木下昌明「シールズはどこへいく」を読んでフクシマ陽太郎1938(昭和13)年生まれの筆者は60年安保や数々の闘いを経験し、今も国会前等の活動に参加し記録を発表し続けている。「新日本文学」の編集部で働いていたというのだから、実に貴重な歴史を背負った人物だ。歴戦の、いまなお前線で体を張る勇士だ。筋金入りである。 その筋金は全く硬直してなどいず実に柔軟で優しい。若者を見る目のあたたかさが、このシールズを見守り応援する文章に横溢している。「かれらが十代後半から二十代というだけで魅力だった」。「体から発散してくる若いエネルギーが理論や論理をこえて迫ってくるものがあった」。奥田愛基、福田和香子、紅子、牛田悦生、高塚愛鳥らの行動を生き生きと活写する。ただ彼らを見るだけではなくその著書をも読んで理解しようと努める。
こうして、新しい動きを捉えつつ、大事な教訓や真理を差し出す。「時の権力の理不尽なふるまいに力をもたない一人一人が歌であれなんであれ声を上げ、反対の意思表示をする…このことがなによりも大切なことである」。筆者はこれを花田清輝ばかりか反原連とシールズから学んだと謙虚に記す。何か行動を起こす人々を冷笑するだけでは何も生まれはしないとも。 そして、「憲法」や「民主主義」が新たな人々の行動の精神的支柱となって光り輝いていると指摘する。 「憲法を守れ!の声をあげてたたかったたたかいは、いまや日本全土に熾火となってくすぶりつづけている。そこに新たな火を放てば、やがてそれが燎原の火となって燃えさかってもおかしくない」。この認識と希望は実に力強い。 しかし、フクシマでぶつくさとつぶやくばかりの私には次のことばが最大の励ましとなる。「わたし自身はこれまでずっと敗北してきたから敗北でもいいんだという考えをもっている。また、次にたたかえばいいんだから、と」。 木下昌明さんの本『〈いのち〉を食う』(績文堂出版)は圧倒的に重く鋭い。こちらも是非読んで欲しい。 →『月刊東京』一部450円 tel03-5976-2571 fax03-5976-2573 Created by staff01. Last modified on 2015-10-22 23:15:28 Copyright: Default | |