ドキュメンタリー紹介 : 沖縄を読み解く映画 『泥の花』 | |
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5/23、5/28、6/4と上映会が続く『泥の花』を紹介します。この映画は、通奏低音のようにジーンと効いてくる。 抑えつけ踏みつければさらに強くなる沖縄を読み解く映画 『泥の花』笠原眞弓抑えたトーンでの始まりに、最初は戸惑ったものの、見ているうちにいま辺野古で行われている抗議行動の「息の長さ」がわかってくる。 2、3年前に同じ輿石(こしいし)正監督の『シバサシ』を観た。世界的に石油が高騰した石油危機の反省を踏まえて、石油備蓄基地を金武湾に作る計画が三菱石油主導で持ち上がった(今考えると、この備蓄基地は米軍のためのような気がする)。その映画を見たとき、市民運動とは、こういうことだと思った。人々は雑草のようにそこの土地に生きている。その根から吸い上げる栄養こそ、その土地の文化である。文化があってこそ、人々は強く闘えるのだと思った。 「金武湾を守る会」の抗議行動は、カチャーシー(沖縄民謡に合わせて踊る)で始まる。みんなの思いが、丸い円になって連帯が生まれる。そんな映 像を見ながら、「運動は、文化に支えられてこそ」という意味が理解できたと、感動した。「パンとばら」が必要なのだ。そして、そのことをこの『泥の花』でも強調される。 日本本土の平和から、沖縄の歴史を引き算したら何が残るか 「日本本土の平和から、沖縄の歴史を引き算したら何が残るか」と映画は問いかけてくる。 沖縄の犠牲の上に本土の平和があると、本土の人間である私にグイグイと迫る。この問いかけに、本土の人間は答えなければならない。いったい、何が出来るのか。 「過去の記録を振り返った分だけ未来が開けてくる」とも言っている。金武湾の石油備蓄(CTS)闘争では、人々は「人の母は海」と言い、海を埋め立てることは、母を埋めることだからできないと「海と大地と共同の力」を合言葉に、住民運動にリーダーはいらないと闘ってきた。 そして、1千万坪の埋め立て計画を64万坪に押さえ込んだ。備蓄基地に伴う計画の一部は出来、海流の変化で湾内が汚れたりと変化したものの、スルッと入り込んでいた原発計画は阻止できた。今の辺野古に、その時闘った人々が立っている。70、80歳を超えた彼らは、「金武湾を守る会」の精神でそこに立ち、若い人々にその精神を引き継いでいる。 自律した反乱に敗北はない 沖縄経済界の大手「かりゆしグループ」の代表は、仲井眞弘多前知事の寝返りに腹を立て、はっきりと辺野古反対と表明したという。「何を今更とい うかもしない。しかしもう基地に依存しなくても、経済的に自立できる」と熱く語り、様々な思いから表明をためらいつつも踏み切ったと語る。そして闘い現場 への、毎日の差し入れを欠かさないとか。 また、稲嶺名護市長も、助成金打ち切りに対して、言外に、そんなはした金はもらわなくて結構と、胸を張る。ここにも「ひとりひとりの自律が地域の自律につながる」という金武湾闘争の信念が生きている。 この映画全体を通して、大声を出すでもなく淡々と紡がれる言葉の奥に、透明な滓を感じた。それは、長い闘いの中で掴み取った、沖縄の精神そのも のではないか。沖縄に憧れて30年、移住して30年を沖縄名護市に住む監督は、既によそ者ではない。闘いの当事者だからこそ伝えられるものがあると強く思 う。この映画の監督を含め、彼らにとって辺野古新基地闘争は、日々の生活であり、呼吸なのだから。 生身に降りかかってくる国家暴力を振り払う闘いが沖縄で続いていることを、私たちは誇りに思うと同時に、その負担を共に負いたい。共同の闘いこそが、勝利への道なのだから。 ----------------------------------------- ●2015年5月23日(土)13:00〜16:30(1回のみ上映) 主催:本郷文化フォーラム・ワーカーズスクール(HOWS) 03-5804-1656(木嶋)
●5月28日(木)14:00〜 神奈川みなみ医療生協 主催:逗子・葉山九条の会 場所 逗子文化プラザ さざなみホール ●6月4日 18:30開場/19:00開始 主催:ビデオアクト上映プロジェクト 場所 東京ボランティア・市民運動センター(東京都新宿区神楽河岸1-1 飯田橋セントラルプラザ10階) 03-6451-0098 info@videoact.jp Created by staff01. Last modified on 2015-05-21 21:39:09 Copyright: Default |