本文の先頭へ
LNJ Logo 日赤争議終結 : 9年の闘い!!ありがとうございました!!
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 0403hirose
Status: published
View


9年の闘い!!ありがとうございました!!

 【日赤争議終結】本人の声明文・1日記者会見の写真・その新聞等報道です。
日赤争議を闘って来た廣瀬明美です。 当事者の私から争議終結にあたっての声明文と、1日の厚労記者会での会見写真、それから記者会見の記事をまず毎日新聞朝刊、デジタル版(2パターン)に掲載していただきましたのでご紹介します。URLはデジタル版での掲載されているものです。 また、会見の「動画」も追ってお届けします。※4月6日週のUPになります。 【※注目してください※】 報道は文字数が限られたため、補足させていただきます。単に派遣の専門業務偽装が「契約外業務だった」だけではなくて、 【きっちりと一審判決で『日赤職員との同一業務』まで認定させています(判決文数回記載)】。 それ以上に働いていて役職もあったので本人としては原判決の同一業務認定でも不服としていますが! ■<日赤>元派遣社員と和解成立 契約内容と異なる業務(毎日新聞) - Yahoo! ニュース http://t.co/hyl6ue7o6y ■日赤:元派遣社員と和解成立 契約内容と異なる業務 - 毎日新聞 http://t.co/CC985RV9IQ ■損賠訴訟:元派遣社員に日赤が解決金 契約外業務 - 毎日新聞 http://t.co/u86bagF1sK ■<日赤>元派遣社員と和解成立 契約内容と異なる業務 - BIGLOBEニュース http://t.co/VC5cmk130G ■<日赤>元派遣社員と和解成立 契約内容と異なる業務 - エキサイトニュース http://t.co/0j54pS1873 ■元派遣社員と和解成立 契約内容と異なる業務|社会ニュース|TNC http://t.co/d9gCNpRB1x ■元派遣社員と和解成立 契約内容と異なる業務 http://cont.t-com.ne.jp/social/50006_1.html ■日赤:元派遣社員と和解成立 契約内容と異なる業務 http://t.co/oC1OdJmTvO   →*記者会見動画(YouTube)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

●日本赤十字社争議の終結にあたって

 2015(平成27)年3月31日          
             控訴人 廣瀬 明美
  
 控訴人であり当事者の廣瀬明美です。本件は、本年3月26日午後2時25分に東京高等裁判所民事4部において和解に至りました。

 私は2007年から本格的にナショナルセンターを超えた全国の各労働組合等とつながり、多くの皆様と連帯して闘って来ました。報道機関の皆様にも幾度となく取り上げていただき、多くの方々のご関心をいただき、約9年間の争議を解決することができました。本当に心より感謝申し上げます。

 私は2006年6月末から日本赤十字社(以下日赤)と株式会社スタッフサービス(以下スタッフサービス)に対し派遣法違反(労働者供給)の解消を働きかけてきました。そして不当にも解雇(契約終了)された後は、引き続き日赤とスタッフサービスの職場改善、事業改善と派遣制度そのものの改善に努める9年間を送ってまいりました。それは「困っている人を放っておけない」「気持ちよく働きたい」「違法に遭いながら献血者や世間の皆様と接することは解消したい」という医療福祉に携わる者としての姿勢であり、根本はモノではなく人として湧き出る行動にほかなりませんでした。私が就労中の日赤の職場とスタッフサービスのコンプライアンスの状態は、私の失業後のさらなる働きかけにより、大きく改善して来ております。働きかけて来た当の本人である私は、法的にも本来は保護される立場にあったのですが、残念ながら救われることが厳しい現実と向き合うこととなりました。

 この後、微力ながら、この争議の勝ち取ったところ、積み残したところを今後に続く方のお役に立てたいと思っているところです。

■日赤からの事実上の解雇通告その実態は

 私は、2006年から日本赤十字社の国内独占である血液事業を運営する血液センター(以下日赤)で働いていましたが、就労開始して間もなく、派遣契約内容と実際の業務がかけ離れている違法に気づきました。形式上は株式会社スタッフサービス(以下スタッフサービス)の派遣労働者でした。私は自ら日赤とスタッフサービスとの間で、違法派遣(実態は労働者供給)を解消するために丁寧に話し合いを持つなど努力してきましたが、違法は是正されず、2009年9月2日の業務中に、「9月末日をもって期間満了」と直接、日赤から電話で告げられたのです。

 就労中の2007年、私は解決のために自ら派遣法を勉強して日赤に対し直接雇用を申し出ており、日赤も直接雇用を承諾しました。同時に日赤から直接部長室に呼ばれ、国内最大級の献血ルームへ選抜され、その配転の打診は“職員の内示”でされています。そして仕事は、正社員と変わらない、ものによっては正社員以上の血液センター(献血バスと献血ルーム)での業務でした。その実態はまさに「労働者供給」に当たり、日赤とスタッフサービスによる共同不法行為にほかなりません。

 2008年末「年越し派遣村」が社会問題化し、2009年2月東京労働局は人材派遣会社最大手のスタッフサービスへ「特別全社総点検」を行い、その結果、私の違法派遣(労働者供給)がようやく是正されることになりました。しかし、日赤はスタッフサービスに対し、契約内容の変更や派遣社員を直接雇用にすることの申入れに対し「他社との整合性が取れない、前例がない」と一蹴。スタッフサービスとの労働者派遣契約を打ち切り。この流れで私は日赤から事実上の解雇通告を直接受けたのです。

 日赤は「スタッフサービスの言うことが飲めないから、スタッフサービスにうんざりした」という理由です。幾度となく私の契約更新は、日赤がスタッフサービスの担当者と連絡がつかずに滞り、会社間で契約がうまく交わせていませんでした。そんな中で、私は日赤とスタッフサービスの不作為により、正社員登用の話も反故にされてしまいました。

 違法派遣の是正指導に対する2社のこの対応は、違法に働かせていた私への責任放棄です。

 この事件は、日赤は私を直接雇用にしようとしていたのは事実です。しかし、スタッフサービスは派遣労働者の業務点検のための巡回を一切しておらず(この点は原審証人尋問でも明らかになりました)、その上「廣瀬さんはうちのスキルだ、うちの利益だ、手放したくない、日赤さんには思惑がある他」と直接雇用を妨害した不法行為もあります。派遣制度の「搾取構造」をほとんど味わった事件と言えます。三面関係は成り立っていません。2社ともに団体交渉はして来ていますが、私が不当にも日赤の職場を去ってからのスタッフサービスとの団体交渉においては、労働者派遣契約が切れたことによる私への失職に対し謝罪をしつつも「商取引だから仕方がないんです」と開き直りました。

■両社の違法派遣は、厚労省も各労働局も裁判所も認定

 事実上の解雇後、私は、一般業務でありながら、契約に派遣受入期間制限が無い「専門業務派遣」と偽って働かされていた事実を根拠として、法的に雇用が守られる立場であると神奈川労働局に申告しました。その結果、2010年3月1日付で厚労省と東京労働局からスタッフサービスに事業改善命令が、同年3月16日付で神奈川労働局から日赤に是正指導が行われました。スタッフサービスの行政処分は「専門26業務派遣適正化プラン」の第一号事案となり、当時は大々的に労働行政から報道され、マスメディアでも繰り返し報道されました。

 これを受けた日赤は、2010年4月中に、当時の就労中の派遣社員12名を直接雇用に切り替えましたが、労働局申告した私については路頭に迷わせたままでした。

 本来、私は就労中に直接雇用を約束されており、法的にも、日赤から「直接雇用の申し込み」をされるべき立場にありました。また、申告者に対し、法的に不利益な取り扱いをしてはならないという罰則規定もあります。

 私は、日赤との間に明示・黙示の労働契約があったとして、2010年12月、地位確認を求めて東京地裁に提訴しました。しかし、2014年4月、東京地裁は、日赤の一連の派遣法違反と日赤の直接雇用の職員との同一業務を認めたものの、地位確認訴訟として全面棄却の不当判決。私は、これを不服とし東京高裁に控訴し、2014年5月より約1年間を控訴審に費やして来ました。4回の弁論期日と職権和解を継続しながら、そして2015年3月26日に和解成立しました。

■直接雇用し現場で働きながら子育てを

 日赤の職場では私の労働局申告により、派遣社員の直接雇用化や正社員化が実現しました。同時に非正規雇用の正社員化も推し進められ、雇用環境が改善されています。私が申告するまでは前例が全くありませんでした。派遣社員から直接雇用になって産休を取得している女性もいます。使命ある仕事を続けながら出産育児をする、まさに私の願いそのものです。闘いは9年。解雇争議としては5年半でした。

 和解成立したもののいまだ女性としての働くこと、産むこと、育てる環境等の権利の実現をめざし闘い続けています。今年5月1日で40歳になります。

 最後に、違法行為を行った法人企業は、声を上げている者に真っ直ぐ向き合い対応してこそ本物です。世間も注目します。女性、スタートは若年層の1人、形式上派遣で争議をする…ハードルがありました。本人が救われないという課題や派遣制度の諸課題はまだまだ積み残したままです。闘う仲間と手をつないでこの後も途を切り拓いていきたい。

以 上

Created by staff01. Last modified on 2015-04-07 20:25:14 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について