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「泣き寝入りはできません!最後まで、納得するまで闘います!」〜都立高校A教諭の不当解雇撤回裁判始まる
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「泣き寝入りはできません!最後まで、納得するまで闘います!」〜都立高校A教諭の不当解雇撤回裁判始まる

                    湯本雅典

   *2月2日東京地裁で裁判始まる

●まったくでたらめな解雇理由とマスコミ報道

 Aさんは、都立高校に採用5年目のまだ若い教員だ。Aさんは、不適切なメールを自分が担任していた女子高生に多数送ったとして、昨年7月いきなり懲戒解雇処分を蒙った。

 メールには、「大好きだよ」「ずっと抱きしめていたい」といった内容のものも含まれていた。確かにそこには思慮が足らなかった点はあった(この点は、Aさん本人も認めている)。しかしその女子生徒がきわめて厳しい家庭環境に置かれていたという背景を考慮せずに、このメールの評価はありえないのである。

 この女子高生の家庭はきわめて複雑で、女子高生は高校入学時から幼い兄弟の面倒を見させられ、家では勉強もできず親に高校もやめさせられそうな状況だったのだ。その女子生徒が信頼を寄せたのが担任であったAさんであり、自ずとメールを通じたAさんへの精神的要求の度合いは高まっていった。そのような事態の中でAさんが、誠心誠意女子生徒に関わろうとしたことはまぎれもない事実である。その後女子生徒は高校を卒業し、今は親からの精神的苦痛から逃れるために「シェルター」に避難し、現在は自立し仕事をしている。

 都教委は、今回の事実関係の要となる女子高生には1回も事情聴取をしていない。Aさんのみを悪者扱いにし、Aさんの言い分を全く聞かずにこの処分は、強行された。また都教委の解雇処分をすべて是とする共同通信の発信を大手マスコミが鵜呑みにし、Aさんや女子高生を精神的に追い詰めたマスメディアの罪は大きい。このおかげでAさんは、「ハレンチ教師」の汚名を着せられ学校から放り出されようとしているのである。

●Aさんは、解雇撤回を求め闘う意思を固めた

 1月21日、東京地裁により解雇処分の執行停止が出された。この結果Aさんの解雇は、判決が出されるまで執行できなくなったのだ。これは異例のことである。決定をくだした裁判長曰く「裁量の範囲内と認めるべき具体的な事情が明らかになっていない」。つまり、解雇の理由がきわめてあいまいなのだ。

 2月2日、Aさんの不当解雇撤回を求める裁判(東京地裁)が始まった。この日Aさんは、自らの心の底からの思いを発言した。「都教委の処分には強い憤りを感じる。私は一刻も早く教師の仕事がしたい。」

 若いAさんは処分撤回の闘いに立ち上がった。そしてこの後ろには職場からの多くの応援があり、裁判当日も年度末の忙しい中多くの仲間が傍聴に参加した。

●裁判の早期解決が求められる、次回第2回弁論に結集を!

 この裁判は早期の解決が求められる。理由は、解雇処分の執行停止がされたとはいえ、Aさんには都教委によるさまざまな嫌がらせが今も続いているからだ。

 解雇通告(7月)から処分執行停止(1月)までは、Aさんは無給状態にあった。そして都教委は解雇の執行停止後、即研修受講の職務命令を発出した。その後は、毎朝研修センターの役人が職場にやってきて、「研修センターに行くように」強権的に促しているのだ。実質教師の仕事から排除された中でAさんは、連日有給休暇で対抗している。さらに都教委はあろうことか、Aさんを支援した同じ職場の教員を次々に他校に強制異動(再任用教員は次年度不採用)させようとしているのだ。

 ここには、都教委のここ10年以上に及ぶ10・23通達に代表される強権発動、上の言うことには100%従えというその本質が赤裸々に表れている。この裁判は、2003年の10,23通達に代表される都教委の暴走が今だに続いていることを許さない闘いでもある。

 Aさんの裁判後の報告集会での「泣き寝入りはできません!最後まで、納得するまで闘います!」という発言が、この闘いの今後を指し示している。裁判による早期解決を実現させるために、次回弁論にはより多くの傍聴が必要だ。

*第2回弁論日程
2月26日(木)午前10時 東京地裁 705法廷 地下鉄丸ノ内線、日比谷線、千代田線 「霞が関」下車 A1出口を出てすぐ

*写真下は、「週刊金曜日」(1月30日号)。ジャーナリストの池添徳明さんがAさんの免職処分についての詳細をわかりやすく報告しています。


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