「原発マフィア」の再稼働許すな!〜小出裕章さん福岡講演に370人 | |||||||
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「原発マフィア」の再稼働許すな!〜小出裕章さん福岡講演に370人林田英明京都大原子炉実験所助教、小出裕章さん(65)の講演「原子力マフィアと原発再稼働」 が9月26日、福岡市内であり、370人が参加した。「原発とめよう!九電本店前ひろば」 「さよなら原発!福岡」主催。 小出さんは初めに1999年の東海村JCO臨界事故を取り上げ、労働者2人が急性致死量を 超える被ばくで腕が変容する様子をスクリーンに映し出した。最初、赤くはれているだけ だったものが、皮膚がはがれ落ち、赤黒く変色する包帯姿に参加者は息をのんだ。細胞を 破壊する放射線の脅威は、生物との共存を許さない。 ここで54年7月2日の毎日新聞の記事を小出さんは抜粋して読み上げた。「原子力エネル ギーのもつ威力は人類生存に不可欠。電気料は2000分の1になる。火力のように大工場を 必要としない。密閉式のガスタービンが利用できれば、ボイラーの水すらいらない。もち ろん山間へき地を選ぶこともない。ビルディングの地下室が発電所ということになる」。 まさに夢の世界。小出さんも当初は「完全に信じた」と打ち明ける。マスコミも教育も国 もこうした宣伝を流し続けたからだ。しかし、ウラン235はエネルギー換算で石油の数分 の1、石炭の数十分の1の埋蔵量でしかなく、早晩枯渇すると今は考えられている。「夢 をかけるのは初めから間違っていた。幻の夢。いいかげん、目を覚まさなくては」と声を 高めた。 国や電力会社が重視するICRP(国際放射線防護委員会)にも触れる。2007年勧告でさ え100ミリシーベルト以下の被ばくでもがんや遺伝的影響の発生率が増加する可能性を示 唆している点を挙げ、100ミリシーベルト以下なら安全と言う学者の存在を許し難いとし た。 そして原発の利権にからむ「原子力ムラ」と呼ばれる産官学に司法やマスコミなども加え た集団を「マフィア」に例える。単なる共同体を超えて犯罪集団と認識するからだ。東京 電力福島第1原発事故後も誰一人責任を取らない現実がこの国を腐敗させている。「日本 は法治国家なのか」と、叫びに似た小出さんの怒りが会場に響く。それは、一般人が年間 1ミリシーベルト以上の被ばくをしてはいけない法律が過去のものとされた苦悶も含んで いる。福島を中心に放射線管理区域に値する汚染が広がってしまった。小出さんの実験所 の一角には放射線管理区域がある。1平方メートル当たり4万ベクレルを超えて放射能で 汚れたものは持ち出せない。しかし小出さんは言う。「きれいに掃除しているので100ベ クレル以下。だから、こちらに避難したほうが安全です」。汚染地と実験所が逆転してい る皮肉を笑えない。 一方、原子力を選んだ私たち市民も「だまされていた」と言って免罪されるのか自省も迫 る。全く罪はないのに、細胞分裂の活発な子どもたちにこそ被ばくの影響が顕著に表れる 不条理を提示する。大人の手が重なって子どもたちに降り注ぐ“赤い粒”を遮る柚木ミサ トさんのイラスト「まもろう」を映し、大人の責務を問うのだった。赤い粒は放射性物質 を表していよう。 最後に、川内原発(鹿児島県)の再稼働の動きに言及した。「新規制基準は破局的事故を 前提としている。安全基準ではない。そして防災計画は自治体任せ。これで再稼働を進め るのは、どんな事故が起こっても処罰されないことが分かっているからだ」と語気を強め た。九州電力が今年3月に示した桜島薩摩噴火の火砕流シミュレーションは、30分後の拡 大図でなぜか川内原発周辺だけ影響を受けていない。小出さんは「ポンチ絵です」と語っ た。 「汚染地に残れば被ばくにより体が傷つく。避難すれば生活や家庭が崩壊し心がつぶれる 。3年半たっても苦悩は続いている」と原発事故のもたらす惨禍と権力の不作為を訴える 小出さんの声を原発推進派はどう聞くのか。収束していない福島原発事故がまるでなかっ たかのように装い、予測できない地震や火山の動きにも目をつぶって「3・11」以前へ舞 い戻ろうとする「原子力マフィア」の妄動に、子どもたちの未来を賭けて小出さんは警告 を発するのだった。(2014年10月11日「小倉タイムス」第1931号より転載) *写真説明=原発再稼働を進める「原発マフィア」を批判する小出裕章さん Created by staff01. Last modified on 2014-10-12 01:30:49 Copyright: Default |