多田謡子反権力人権賞第26回受賞発表会ひらかれる〜活動休止の報告も 1986年に夭折した故多田謡子弁護士の遺産をもとに、友人たちが運営している多田謡子反権力人権基金が、さる12月20日第26回受賞発表会を開催しました。以下は要旨です。 なお、資金の枯渇によって、多田基金は今回の受賞発表会を持って活動を休止することが報告されました。多くの仲間の皆さんのご支援によって、多田謡子の生きた29年間にほぼ匹敵する長い間、基金が活動できたことを関係者として心から感謝しております。ありがとうございました。 基金の詳細は下記でご確認ください。(久下格) http://tadayoko.net --------------------------- 多田謡子反権力人権賞第26回受賞発表会と記念パーティーは2014年12月20日、東京・お茶の水の連合会館で行われ、受賞された2団体・1個人が講演しました。発表会とパーティーには例年を上回る90人の方が参加してくださり、社民党副党首の福島みずほさん、新党大地代表の鈴木宗男さんからのメッセージが届くなど、和やかで晴れやかなものとなりました。 講演要旨は、後日発行予定の、ニュースレター第9号に掲載します。受賞理由はホームページをご覧下さい。 なお、発表会の中で、基金運営委員会から、活動資金の枯渇によって、今回の発表会をもって多田謡子反権力人権基金の活動を休止することが報告されました。 ● 川内原発建設反対連絡協議会 (川内原発再稼働阻止の闘い) 鳥原良子さんは、1974年に結成されてからの長い闘いの経過を丁寧に説明、九電と行政による金の力が地域を分断しながら原発を推し進めてきたこと、福島原発事故以降、反対派の主張が広く住民のものとなってからも、行政はまったく住民の声を聞く耳を持たず再稼働に向けて進んでいるが、閉鎖的な地域の圧力から表だって声をあげられず「私は隠れ脱原発だから」と言って応援してくれる人々にも押されて闘い続けると述べました。 ● こるむ(在特会らによる朝鮮学校に対する襲撃事件裁判を支援する会)(朝鮮学校襲撃との闘い) さとう大さんは、在特会のヘイトスピーチを断罪した大阪高裁判決は、民族教育の権利を確立する第一歩としうる大きな成果である。支援者としての「こるむ」は、日本人の一方的な正義感や義務感を振り回すのではなく、あくまでも朝鮮学校で学ぶ生徒、保護者の立場を尊重し、当事者によりそって活動を続けてきたが、高裁判決を受けて、さらに民族教育権の確立と共生社会の実現のために闘い続けるとのべました。 ● 袴田巌さん (無実の死刑囚。再審と刑の執行停止を勝ち取る) 満場の拍手を受けて登壇した袴田さんは、しっかりとした口調で「死刑判決は間違っていたと決まった」と述べて、さらに大きな拍手を受けました。長い間、支援し続けてきた姉の秀子さんは、思いがけず釈放された日のこと、釈放後、社会と日常に溶け込めなかったこと、進んで外出するようになった最近のことなどを紹介、その後インタビューに加わったアムネスティーの若林事務局長とともに、2015年こそ、無罪の確定をかちとりたいと述べました。