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懐かしの名画が21世紀に蘇る「神戸映画資料館」(木下昌明) | ||||||
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●木下昌明の映画の部屋・184回 懐かしの名画が21世紀に蘇る「神戸映画資料館」
映画が誕生して一世紀以上。この間数限りなく映画は作られてきたが、はて、そのフィルムはどこへ消えたのか? 「神戸映画資料館」はフィルム約1万本、書籍類約1万冊、ポスターやチラシなど多数を所蔵する。映画コレクターとして知られる館長の安井喜雄さん(65)がカメラマンや映像関連の仕事の傍らに収集したもので、多くは未分類のまま倉庫で眠っているという。映画資料館と言えば、国内では東京国立近代美術館フィルムセンターが知られるが、民間の運営はとても珍しい。 この資料館は7年前に開館した。週末中心に3日ほど映画上映など行っているが、プログラムの多彩さに驚く。8月2日には20年前の大震災を考える「神戸新長田の震災学習・映像資料篇」、9月10日は「ゴジラ生誕40周年記念 映画音楽コンサート」「伊福部昭 映画音楽を語る」などを上映。同16日には「文学映画化の諸相」と題して、イタリア文学者のパヴューゼの映画講座、関連の映画上映と一般の映画館にはない催しだ。 場所は神戸のJR新長田駅から歩いて5分。巨大な鉄人28号のモニュメントの通りをまっすぐ行くと十字路の一角にある雑居ビルの2階にある。入り口には大きな映写機が2台あり、懐かしい映画のポスターがはられ、タイムスリップしたような気分になる。 取材当日は、生演奏付きの『キートンの蒸気船』の上映と講座の日。講師を務めたいいをじゅんこさんがキートンやロイドのコメディーを上映しながらサイレントの特色を語り、とても面白かった。38席の会場は若い人がつめかけ、若手落語家の姿もあった。 館長の安井さんは「なかなか上映の場がないから、こういう所が必要になってくる。フィルム上映の映画館自体なくなっている」と話してくれた。ここは地域と溶け合い、往年の名画を蘇らせる貴重な場といえよう。(『サンデー毎日』2014年8月10日号) *神戸映画資料館:開館 10:30〜18:00 水・木休館 TEL&FAX 078-754-8039 〔追記〕そのむかし(1970年代)、土本典昭の音頭で「映画運動 試写室」をはじめた頃が思い起こされた。あの頃、フィルムがなくて探すのが大変だった。古い名画のなかには人生がいっぱいつまっている。もっともっと若い人たちにみてほしい。わたしは、この映画運動のなかで育った。 Created by staff01. Last modified on 2014-08-06 13:03:31 Copyright: Default |