映像:http://voiceproject.org/solidarity/
2011年3月、アメリカ・ウィスコンシン州マディソン市では、保守系議員、スコット・ウォーカー州知事が、財政再建の名目で、職員の賃下げ、団交権を制限した反組合法を提案したことに市民が反対し、10万人を超えるデモが行われ、数日間に渡り、州議事堂を市民が占拠するという闘い(写真)が繰り広げられた。結果的に反組合法は、違法なやり方で可決され、2012年6月に行われたリコール請求の選挙でもスコット・ウォーカーが勝利した。しかし、市民の闘いは続いている。
『Solidarity Sing Along』という市民グループが中心となり、月曜日から金曜日の12時〜13時、州議事堂の中、もしくは敷地内の芝生で、歌を歌い抗議する運動を続けている。最初の曲は We Shall Overcome。その後、スコット・ウォーカーを批判する替え歌や労働歌が続いた後、最後は輪になりグルグルと回りながら、Solidarity Foreverを歌う。「Solidarity
Forever For the Union makes us strong!」と歌いながら全員が拳を突き上げる。ギター、バイオリン、ハーモニカ、アコーディオンの生演奏だ。
しかし、彼らは毎日のように逮捕者されている。2013年9月に訪れた時、既に200名以上が逮捕されていたが、現在はその数400名以上となっている。今、司法長官:J.B. Van Hollen氏に、表現の自由を認め、歌う市民を逮捕し罰することを止めるよう求めた署名が行われている。
映像の最後には、ロシア正教会の救世主ハリストス大聖堂内でプーチンを批判する歌を歌い禁固刑を受けた、あのPussy Riotも連帯のメッセージを寄せている。同じく歌うことで逮捕され、罰せられた者からの連帯の表明だ。日本と違い、逮捕されてもその日のうちに釈放されることもあってか、人々は翌日にはまた歌いに来る。弾圧に屈することなく、12時が来ると議事堂に集まってくる。歌は、連帯する力と、闘い続ける勇気を与えてくれる。歌うことを理由に逮捕する側は、その連帯こそが脅威なのだ。市民の連帯は、スコット・ウォーカーにとって最大の脅威となる。(大椿裕子)
●連帯ウェブ署名先→http://p.tl/l34p
Created by
staff01.
Last modified on 2014-04-01 13:05:32
Copyright:
Default