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新聞奨学制度のヤミ〜パワハラうつの被害当事者が立ち上がる
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これまで労働問題が多発しつつ社会問題へと発展しづらかった新聞奨学生問題で、被害当事者と組合が3月24日、販売店と発行元の産経新聞などを相手取り、東京都労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てた。

新聞奨学制度を利用していた22歳の男性(写真)が、新聞労連加盟の新聞通信合同ユニオンに加入し、販売店主と団体交渉を続けてきたが、新聞販売店をはじめ、新聞奨学会、新聞発行本社は不誠実な対応であったことなどを訴えた。救済申し立てには、新聞発行元の産経新聞などを実質使用者であると主張し、団体交渉を拒否してはならないとしている。

青森県出身のこの男性は東京都内の新聞販売店で早朝の配達や集金を仕事としていたが、およそ一年にわたって販売店主から日常的にパワハラを受け続けた末にうつ病を患い、失踪したところを家族に発見されている。

その間、新聞販売店主からは「店の利益にならないような奨学生ならクビにすることができるぞ」などと言われ、大学の授業中にも休みなしに携帯へ集金を促す電話が入った。

「奨学金制度は学業支援が原点」であるにもかかわらず、奨学会や新聞社がこういった労働問題を見て見ぬふりしている現状がある。これまで新聞労連へ寄せられた相談は数多くあるが、実際、勉学に集中したい学生の中に法的解決を求める当事者の数は少ない。

産経新聞の奨学生だったこの男性は、勤務を継続できなかったとして60万円以上の返金請求を受けているが、労組側はこれについては支払う必要がないとし、これと併せて集金の立て替えや最低賃金を下回る未払い賃金、未払いボーナスや残業代など300万円近 くを要求している。

これまで新聞奨学生の労働問題は、1990年に読売新聞奨学生が過労死した事件が民事訴訟へと発展したが、各新聞社が関与しているため大手メディアではなかなか報道されてこなかった。(松元ちえ)

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