JR北海道、特急減らす新ダイヤでようやく「狂気からの脱出」 | |||||||
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黒鉄好@安全問題研究会です。
重大な事故が続くJR北海道で、11月1日から、同社史上初めてとなる「減速減便ダイヤ」での運行が始まりました。 ブログからの転載で、お知らせします。 ----------------------------------------------------------------- 参考新聞記事 ・特急1日から減便・減速 JR北海道、最大41分遅く(北海道新聞) http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/501268.html ・特急を減便・減速…JR北がダイヤ改正(読売北海道版) http://www.yomiuri.co.jp/otona/railwaynews/01/hokkaido/20131101-OYT8T00317.htm?from=popin JR北海道が11月1日からダイヤ改正を行った。相次ぐ出火・レール異常を踏まえ、民営化による会社発足後初の減速・減便となる新ダイヤだ。減速減便ダイヤ自体は、鉄道の長い歴史の中で何度か例がある。主要特急が戦争遂行のため相次いで運転中止に追い込まれた戦時中もその一例だし、国鉄末期にも「乗客減少」を理由として減便改正が行われたことがある。安全確保が理由だけに、道民・利用者のほとんどは今度の減速・減便改正を受け入れているようだが、一部利用者からは、遅くなることへの不満も漏れているようだ。 たとえば、11月3日付「読売」は、「事故よりましだが…JR北の減便・減速に不満も」と題する記事( http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20131102-OYT1T00354.htm?from=popin )で、「札幌に来る回数を減らさざるを得ない」という利用者や、「ただでさえ冬は観光客が減るのに…」と心配する函館駅前の自営業者の声を伝えている。 こうしたメディアの不可解な報道姿勢は読売に限らず、地元紙の北海道新聞も同じだ。北海道新聞サイトを見ても掲載されていないようだが、11月6日付の北海道新聞(紙面)には「100km特急、道内から消えた」と題して、表定速度(走行距離を最短の所要時間で割った平均速度)が100km/hを超える特急列車(改正前は5本)が改正後になくなったことを伝える記事が掲載されている。だが、利用者にしてもメディアにしても、この期に及んでなおJRにスピードを求めるとは言語道断だ。 私は今も忘れていない。「あの時」の異様な光景を…。 JR西日本は1997年、国内初めての300km/h運転となる500系「のぞみ」を山陽新幹線に投入したが、それから間もない時期のことだ。500系「のぞみ」が発車し、加速して300km/hに達すると、客室入口ドアの上部に設けられたLEDに、300km/hに達したことが表示されるとともに、車掌によるこんな車内放送が流されていた。「本日はご乗車いただきありがとうございます。ただいま、当列車は国内最高速度である時速300km/hに達しました」…。 その車内放送は、今にして思えば、民営化以来、スピードアップだけを追い求めてきたJR西日本の「象徴」だった。それから8年後、ついにJR西日本は尼崎事故を起こす。歪んだスピードアップの行き着いた末路だった。「ただいま、当列車は国内最高速度である時速300km/hに達しました」の車内放送は、ひとことの説明も謝罪もないまま、その後いつの間にか消えていった。 JR北海道における特急列車の表定速度100km/hという数字が正常なのか異常なのかを、鉄道に詳しくない人が判断するのは困難だろう。結論から言えば、これは「異常きわまりない」数字である。 表定速度について、北海道新聞の前述の記事は「走行距離を最短の所要時間で割った平均速度」と説明している。やや舌足らずの感もあるので当ブログが補足しておこう。例えば、始発駅から終着駅までの走行距離が300kmの列車が、その区間をちょうど4時間で走行した場合、表定速度は以下のようにして求められる。 300(km)÷240(分)×60(分)=75(km/h) この場合、表定速度は75km/hとなる。途中駅での停車時間などを含んだ平均距離を表す数字だから、「最大瞬間速度」は当然、これよりももっと高いことになる。在来線の場合、特急を名乗っていてもこの程度の表定速度のものが多い。高速道路が並行して走っている区間では、ドライバーが途中休憩を取らなければ、たいていの在来線特急より車のほうが速いだろう。鉄道会社がスピードアップの誘惑に駆られる理由もわからないではない。 これに対し、JR北海道の特急列車は、北海道新聞が報じるとおり、今回の減便減速改正となる前は表定速度100km/hを超える特急列車が5本もあった。現在、日本の鉄道(在来線)で最も速い列車のひとつに新潟県・北越急行線経由の特急「はくたか」があるが、例えば、越後湯沢(14:38発)から直江津(15:23着)までの84.2kmを45分で走る「はくたか14号」のこの区間の表定速度を、上の方法で計算すると112.2km/hとなる。「はくたか」が最も動力効率のよい電車方式で、しかも北越急行線内のほとんどの区間を160km/hで走行しているという事実を考えると、JR北海道の特急列車の表定速度が、減便減速改正前、「はくたか」と10km程度しか変わらなかったのはほとんど狂っているとしか思えない。しかも、JR北海道の特急車両のほとんどは、電車よりはるかに性能の劣る気動車(ディーゼル車)なのだ。途中に160km/h運転区間を含む「はくたか」と表定速度で遜色のないほどの走行をしていたのだから、次々に車両が壊れるのも当然だろう。 表定速度100km/hなどという世界は気動車にはあり得ない。それほどのスピードアップをしたければ電化すべきだし、気動車なら表定速度は70〜80km/h程度でよしとすべきである。今回の減速改正は恒久的措置であるべきだし、これくらいが適正水準だと当ブログは考える。それでも遅いと文句を言う利用者やメディアは「身の程を知るべき」だし、自家用の飛行機でも所有したらどうか。 ----------------------------------------------------- 黒鉄 好 aichi200410@yahoo.co.jp 首都圏なかまユニオンサイト http://www.syutoken-nakamaunion.com/hp/ 安全問題研究会サイト http://www.geocities.jp/aichi200410/ Created by zad25714. Last modified on 2013-11-14 22:33:35 Copyright: Default |