映画 『少女は自転車にのって』を観て 笠原眞弓
休み前にどうしてもご紹介したい映画です。
この『少女は自転車にのって』は、岩波ホールで上映中です。「ハンナ・アーレント」の後に、どんな映画を持ってくるかと、ドキドキしながら期待を持って見ていましたが、これです。
うって変わって、一言で言うなら「希望」です。陳腐な言い方だけど。
日本人は(と大雑把にくくるのがいいか悪いか……)、イスラム教には通じていなくて、少し変わった宗教と思っていますよね。ラマダンがあったり、女性が頭から黒い布をかぶったり……。これは、サウジアラビアの首都リヤドに住む少女の話です。イスラムのたくさんの戒律の中、その戒律に苦しみながらも守ろうとする母親。その価値観で男子が欲しい父親。筋は、単に少女が「自転車に乗りたい。乗って男の子を負かしたい」というもの。
そこに様々な因習をが絡み、それらを自分自身の素直な感性に従って乗り越えていきます。
女性の権利というと、キツイですが、差別の中にある女性の新しい生き方を示しています。これはイスラムの社会に限ったことではなく、世界樹の女性へのエールだと受け取りました。
お正月にふさわしい映画です。ラストシーンがこの映画の言いたいことを全て語っています。
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staff01.
Last modified on 2013-12-26 11:55:54
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