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触発的だった「Aさんの解放と『秘密保護法』の廃止を求める12・26院内 集会」
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北です。

昨日、(12月26日)開かれた「Aさんの解放と『秘密保護法』の廃止を求める12・26院内
集会」が触発的だったので、書き留めておきたいと思います。

「Aさん、あなたは私です」。

Aさんというのは、特定秘密保護法が可決、成立させられた12月6日、参議院の本会議場
へ、傍聴席から靴を投げ、逮捕・勾留された市民です。逮捕容疑は「威力業務妨害罪」違
反ですが、秘密法の強行採決という「業務」の正当性に根本的な疑問がある上、Aさんの
行為によって議事の進行(業務)が妨げられた事実がなく、無理のある逮捕でした。逮捕
の是非は別としても、証拠隠滅が不可能で逃亡も考えられない事案なのに勾留を続けるの
は不当です。Aさん弁護団の浅野史生弁護士は「ザルのように勾留を認める」実態を「刑
訴法実務の最大の問題」と言いましたが、同感です。Aさんは「判決なき懲役刑」を強い
られている、とも言えます。

さて、「Aさん、私はあなたです」というのは、救援の呼びかけに対し、ある賛同者が書
いた言葉です。集会で、一橋大学の鵜飼哲さんが紹介しました。鵜飼さんが企画段階から
協力したNHKの「ETV2001 問われる戦時性暴力」は、当 
時官房副長官だった安倍氏らの圧力で改ざんされました。鵜飼さんは、秘密法の「適性評
価」に国籍チェック(=外国人を疑え)があることにふれ、「この人(安倍氏)の思想が
秘密法にも表現されている。今起きているのは、彼らによる国家の私物化だ。こうした集
まりにおいてこそ、民衆の側の公共が浮かび上がる」と語りました。

この会で深く考えさせられたのは、ジャーナリスト山口正紀さんによる、Aさん逮捕報道
への指摘です。「報じるべきはAさんの実名や『容疑』なのか。どういう連中がこんな弾
圧をしたのか、ではないか。こういう報道をしているマスコミは、では秘密法違反での逮
捕があったら、批判できるのか。報道の自由は大切だが、その根っこにあるのは市民の表
現の自由だ」。もう一つは、海渡雄一弁護士の「今までの自民党だったら、こんなことは
しなかった。安倍内閣は全体主義的、独裁的性格を強めている」という指摘です。そうし
たこれまでとは違う状況のなかで、何をどう取材し、伝えていくべきか。

「靴」を理由に市民を罰する権力は、遠からず「デモ」や「記事」を理由に罰そうとする
でしょう。集会では、私たち出版労連から前田能成さんも、秘密法廃止までともにたたか
う意思を述べました。主催者、発言者のみなさん、大切な場をありがとうございました。
Aさんの早期解放を願います。

★白石孝さん執筆の報告記事
http://www.labornetjp.org/news/2013/1226shukai


Created by staff01. Last modified on 2013-12-27 14:51:51 Copyright: Default

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