写真速報 : 都教委の暴走を後押し〜最高裁「君が代」不当判決 | |||||||
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予想されていたとはいえ、9月5日の二つの「君が代」処分事件(東京小中「君が代」裁判・近藤順一裁判)最高裁判決は、むなしいものだった。わずか10秒「上告を棄却する」を告げるだけの門前払い判決。「もっと説明をしてくれ」の声を無視して立ち去る最高裁裁判官の後ろ姿が、この国のいまを示していた。 「司法は行政のいいなりか」「都教委の暴走を止めるどころか後押しだ」、最高裁前の報告集会では怒りの声が続いた。石原都政下、東京の教育現場で「日の丸・君が代」強制が2004年から始まってすでに10年が経つ。今回の小中「君が代」裁判もその長さだけ続いてきた。2006年9月21日に東京地裁・難波裁判長が明確に「君が代強制は違憲・違法」と断じた以降は、反動的判決ばかりだった。 原告代表の秋山良一さん(写真上)は「この10年で、日の丸・君が代が踏み絵になって物言う教員がパージされた。間違っていることを間違っていると言えない教育現場はすさみ、自由がなくなった。その犠牲は子どもたちだ。都教委の強権を止めてほしいと思い提訴したがひどい判決。司法は死んでしまったのか」と憤る。 判決内容は、昨年1月16日の最高裁判決を維持したもので、「(1)起立を求める職務命令は合憲(2)戒告より重い処分は慎重に(3)秩序を乱す場合は重い処分も可」というものだった。つまり戒告処分の7名はそのまま、減給処分の2名は(2)を適用し減給を取り消し。しかし根津公子さんについてだけ(3)を適用して減給・停職処分を維持した。吉峯弁護士(写真上)は、「判決全体は評価できないが、戒告処分以上は問題だという基準はかろうじて立ちつつあり、それはゼロではなく第一歩」と話した。 また原告の田中真弓さん(写真上)は「暗い気持ちだ。裁判官は現場で何が起きているか見ていない。君が代強制は、ものを考えないでただ従う人間を増やしていくことになる」と語った。根津公子さんの重処分認定については「ずっと長く教育的見地からやっているのが根津さん。本当にたたかっている人は累積『不起立』してしまうのは当然。それを見せしめにするのは許せない」と述べた。 根津公子さん(左から2番目)は記者会見で、「今回も私の停職処分が維持され妥当とされたが、とても不当だと思っている。これは私だけの問題でなく、これから不起立を続けようとする人たちに影響することだ。実際、都教委によって不起立前後の態度が問題とされ、再発防止研修が繰り返されているケースが起きている。最高裁判決のこの問題点をきちんと批判するべきだ」と語った。 記者会見は、裁判所の中にある司法クラブで行われたが、マスコミの無関心ぶりには驚いた。会見(小中10人裁判)には、マスコミで最後まで出席したのは幹事社を含め2社で、あとは『週刊金曜日』などのフリージャーナリストだった。ガラガラの記者席で約30分の会見。その上、フリーの記者が質問したいと手を挙げたが、「時間だから」と一つも質問を受けずに幹事社は会見を打ち切った。「質問ひとつくらい・・」だれともなくつぶやく。都教委の暴走を許しているのは、けして司法ばかりではなかった。(M) Created by staff01. Last modified on 2013-09-05 22:10:38 Copyright: Default |