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憲法の番人は「行政追随の判決」〜近藤順一「君が代」判決
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判決後、最高裁の通用門に現れた近藤順一さん(元八王子市立第五中学夜間部教員)は、おもむろに「憲法判断 不当判決」の垂れ幕をかかげた。「君が代」不起立に対する懲戒処分取り消しを求め、4年間裁判を闘ってきた近藤さんの最高裁判決(最高裁第一小法廷横田尤孝裁判長)が9月5日出た。4回の処分(戒告、減給1月、減給6月、停職1月)すべての取り消し請求は棄却され、一審、二審判決(減給、停職処分のみ都の裁量権逸脱・濫用で取り消し)が確定したことになる。この判決は、2011年、2012年と続いた「君が代」最高裁判決の判断基準<起立・斉唱を求める職務命令は合憲、戒告を超えてより重い処分には慎重な考慮が必要>に沿って出されたものである。

近藤さんは、「君が代」の強制が、思想・良心の自由(憲法19条)や教育の自由(憲法26条)を侵すものだと裁判で主張してきたが、判決はこれらについて一顧だにしなかった。憲法の番人は、まったくその役割を果たさなかったことになる。「行政追随の判決。この判決では今の安倍内閣にまったく対抗できない。この判決が現在の学校教育、教科書問題などについて大きな悪影響を与えていることに私は責任を感じる。今後は、一人の国民として危機的状況の憲法問題を、可能な限り闘っていきたい」と、近藤さんは語った。(佐々木有美)


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