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報告:双葉町民が国会へ乗り込む〜再稼動絶対反対!
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こんな知らせが舞い込んだ。

「観光バスを借り切って、双葉町民が国会へ乗り込みます! 20日午後1時から参議院会館で院内集会をやります。双葉町民の嘆きを国会で言いまくります。埼玉県騎西高校の避難所、福島県内とつくばの双葉コミュニティからも参加します。井戸川克隆」

・・・というわけで、これはもう駆けつけるしかなく・・・以下、リポートです。(堀切さとみ)

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参議院会館B-104会議室は、双葉町民と、支援者で埋め尽くされた。

「われわれにもこういう行動が出来るんだよということを、国会の場で示そう!」。かねてから、町民を引き連れてデモをしたい、東電本社前で座り込みをするんだ。そういっていた井戸川克隆前町長(写真下)。「町長時代には実現できなかったが、皆さんへのお礼もこめて、今日は進行役をします。議員さんの前で思いのたけをぶつけてくれ」という訴えのもと、会議は始まった。

水野審議官のツイッター暴言、高市政調会長の「原発死者なし」発言に、多くの原発避難者は憤っている。これまでに何度も、双葉町民の避難所である旧騎西高校をたずねてきた谷岡郁子・みどりの風代表(写真下)が、集まった町民の思いを受け止めるべく参加していた。

「民主党時代から、子ども被災者支援法を作るために尽力したが、世の中は事故がなかったかのようだ。ここにいる皆さんは財物だけでなく、人生の思い出すべてを奪われた。その痛みを共有することでしか、解決に向かう道はない」

「人の命や健康より、カネもうけ優先は、薬害エイズも原発被ばくも同じ。社会の仕組みをともに変えよう」 と川田龍平氏(写真下)

出席していた福島県の坂本剛一議員が「私は騎西高校には二回行った。福島県の仮設もすべて回った。福島県は本格除染が始まりました」と言うと「自己宣伝するな」「質問に答えろ」という叫び声があがった。

「除染するなら、阿武隈山系すべてを除染しろ。除染したって零にはならない。そもそも除染した土をどこに持っていくのか。20シーベルトでも大丈夫という人がいる。馬鹿にするな! 私たちは被曝者にさせられたんだ」

「3・11以降、福島で亡くなった人、何人いるかわかりますか。 昨日現在で1383人。自殺者もいます。再稼働は絶対反対。福島原発の原因、何も救命してないのに、誰のためにこんなに急ぐんだ! 本当に地獄だった。私達だけで沢山。お願いだから(議員は)稼働に反対してくれ」

菅直人元首相(写真上)も出席していた。「3・11当初、一番責任ある位置にいた。除染に関しては、自分は‘移染‘でしかないと思っている。3・11までは安全確認すれば原発はOK思っていたが、あの事故で考えは変わった。四号炉がさらに大きな事故になっていたら、東京も避難しなくてはならないという紙一重のところにいたと今でも思っている。すべてを廃炉にすべき。二年経ってもこの状態、申し訳ないと思う。私はこの先も、皆さんの声を聞くつもりだ」

「私は埼玉・旧騎西高校で自治会長をしている。高校は生活する場所ではないが、しかたがなく避難生活している。放射能のある福島県には帰れない。県内外の差別をなくしてほしい」

「谷岡議員とはツイッターでフォローさせていただいてます。 双葉に住んで、双葉に生きる権利を奪われた棄民です。なんとか頑張って何かをやろうとすると、法律がじゃまをする。法律に規定がないからダメといわれてしいまう。でもそのための被災者支援法ですよね。どうか中味を作ってください。夫は交通事故で重傷ですが、今暮らしている借り上げアパートは五階で、階段のない住宅に住みたくても変更できない。知らない土地でもほっとできる場所がほしくてカフェをつくったが、福島県外だから人件費が出ない。・・・福島県の内外で格差があり、町民が対立しているが、これを生じさせたのは国だ!」

事故から二年三か月。すべての町民は逆境に立たされた。しかし同時に支援の輪も広がった。思いを共有する議員もいる。おとなしいと言われていた双葉町民だが、怒りを行動で示すのは、まだまだ遅くない。

予定時間を大幅に超えて、町民と議員のやり取りは続いた。会議の最後に井戸川氏の、ちょっと意味深な言葉でしめくくられた。「今日は一町民として、これを企画した。人生の岐路に立たされている。ずっと(町民の)皆さんの近くにいたいと思っていたがそうもいかなくなった。少し遠くなるが、皆さんを忘れることはい。・・・頑張りましょう!」

故郷は奪われた。それでも前を見て歩くことはできる。それをはばむ足枷をとりのぞく、ただそれだけのために、思いを共有する人たちが集まった、記念すべき日だった。


Created by staff01. Last modified on 2013-06-21 01:34:48 Copyright: Default

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