報告 : 「均等法を男女雇用平等法に!」院内集会 | |
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入社同期で同学歴の夫との生涯収入を比較計算すると、1億円の差があった――男女雇用均等法がある現在でも、日本の働く女性たちは、職場で昇進の壁にぶち当たり、差別的な扱いと闘い続けている。 「均等法を男女雇用平等法に!」と題して5月8日に参議院会館で開かれた集会では、さまざまな背景の女性たちが集まり、均等法を「使える法律」に改正しようと、出席した議員などに働きかけた。 1985年に施工された男女雇用均等法は、これまで2回の改正を経たが、多くの働く現場ではいまだに格差是正がされていない。今回、夏に参議院選挙を控えた段階で、審議会での議論を活発化させ3回目の改正を目指すために、複数の女性権利団体が立ち上がった。 早稲田大学ジェンダー法の浅倉むつ子教授は、現行法には性差別の定義がなく、労働基準法4条(男女同一賃金の原則)との兼ね合いで賃金差別の禁止を明確にしていないなどの問題がある、と指摘した。また、改正案では性指向や性自認についても言及するように提案すべきだとも話した。 職場で実際に賃金差別や処遇差別を受けて闘っている女性たちも発言した。 夫と1億円の生涯収入格差があると話したのは、みずほファイナンシャルグループと団体交渉を続ける57歳の女性社員。女性が加入した金融ユニオンによると、みずほファイナンシャルでは、40歳、50歳まで勤続した女性たちでも、25歳の男性職員と同等の職格に据え置かれたままだという。それによって賃金格差が生じ、同じ年齢階層で女性は男性の収入の半分に留まっている。 団体交渉での組合側の指摘に、みずほファイナンシャルは「女性差別は行っていない。公正な評価の結果だ」とだけ繰り返し、社員の賃金表など資料公開も拒否し続けているという。 集会では、先日、安倍首相が提案した「育休3年」についても批判の声があがった。均等待遇アクション21の酒井和子さんは、「安倍政権は『女は仕事を辞めて子育てしろ』と言っているに等しい」と激しく糾弾した。 国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、2011年度の女性の育児休業取得率は87.8%、男性は2.63%だった。育児休暇を1年未満取得する女性がほぼ70%いる一方、80%以上の男性が1カ月未満。そのうち5日未満の取得が約35%と多くなっている。「これで育児休暇と言えるのか」と酒井さんは指摘する。 また、労働局雇用均等室への相談内容を見てみると、2011年度にあった育児・介護休業法に関する相談10,415件のうち、「育休が取れない」のは5,287件、そのうち育休にかかわる不利益取り扱いは1,444件で最も多かった。 「均等法改正が議題にあがるたびに、政府は育児休暇に言及してきた。育休に言及すれば、格差是正したつもりでいる」と批判の声も聞かれた。(松元ちえ) Created by staff01. Last modified on 2013-05-09 11:09:19 Copyright: Default |