「アベノミクス効果は大企業だけ」〜代々木メーデーに21000人 | |||||||
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ちまたではアベノミクス効果で景気が回復の兆しを見せているというが、メーデーの今日5月1日、東京・代々木公園に結集した2万1千人の参加者からは、全く反対の声を聞いた。 「アベノミクスの効果なんて、末端まで届かない」と少し投げやりに言うのは、東京個人タクシー労働組合のメンバーだ。数年前の規制緩和で、タクシー事業の競争は激しくなり、長時間労働が蔓延しているという。生計を立てるためには必然的に長時間労働になり、体を壊す運転手が増加。平均寿命は短いという。都内に2万人以上いるタクシー運転手のうち300名ほどを組織している労働組合だが、74歳定年制などについて今後は厳しい闘いが予想される。今日のメーデーでは、今後の組織化に力を入れていくという決意をもっての参加だった。 組織化といえば、首都圏青年ユニオンからも同様の意見があった。職場では非正規労働者が急増しているにもかかわらず、労働組合の組織率は18%を下回り、非正規労働者の組織化にはつながっていない。減少傾向に歯止めをかける運動とともに、非正規労働者の力を結集して、権利と労働条件の向上を目指す運動を展開していきたいという。 安倍政権下では、労働の規制緩和も進められている。それを受けて自由法曹団からは「断固許さない反対運動を労働側から」と期待の声もあがった。残念ながら非正規労働者が有期雇用の雇い止め裁判などで勝利することは難しく、規制緩和など法案を可決させてしまったあとに事後的に処理しようとするのではなく、まずこれを成立させない運動を、と共闘を求める意見だった。 メーデーだとはいえ、労働組合以外からの参加もあった。中小零細企業の経営者でつくる団体は、「連帯する意味で参加」したという。労働組合からすれば、経営者は「宿敵」。しかし、中小零細企業では、円安で材料費が値上がりし、不景気で売り上げも伸びないなか、税金や社会保障など滞納しているところもあるそうだ。また利益が出ないために、労働者を一人も雇えない、製造業は海外に流れていくなど深刻な問題も。 「政府の経済対策はすべて大企業が潤うだけ」との切実な意見だった。「労働者も経営者もともに会社と雇用を守るために闘いたい」 また、今日のメーデーでは、TPPや憲法改悪に触れた参加者も多かった。 農民連は「TPPは農家や農協だけが反対しているとみんな思っているようだが、みんなの問題だと考えるようにならなくちゃいけない」と、反省の念を語った。最近は、遺伝子組み換えの問題などで子どもを持つ母親などが関心を示しているが、今後もより多くの人たちに「自分の問題」だと考え、声をあげてもらいたいと話している。 第二次安倍政権下で末端労働者の雇用と生活はさらに脅かされ、多くの課題を突き付けられている。それへの怒りと不安が広がるなか、それでもメーデー参加者は、今後もさらなる闘いを展開していくと決意した。(松元ちえ) →ツイキャス録画 Created by staff01. Last modified on 2013-05-02 10:18:21 Copyright: Default |