報告:さよなら原発・守ろう憲法 荒川区9条の会連絡会1周年記念のつどい | |
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2月23日、東京・荒川区のムーブ町屋ホールで、「さよなら原発・守ろう憲法 荒川区9条の会連絡会1周年記念のつどい」が開かれた。主催は同連絡会。区内で取り組まれている反戦平和、護憲の草の根運動にかかわる個人・団体ら約300人が集まり、講演と音楽に聞き入った。 オープニングは、地域のダンス教室に通う子供たちによるヒップホップダンス。軽やかな身のこなしで、さまざまな年齢の生徒がリズムに乗って踊り、観客を楽しませた。 プログラムのメインは、渡辺治さん(一橋大学名誉教授・写真下)の講演。「安倍政権の成立でくらし、福祉、憲法はどうなる」と題した。 渡辺さんは、昨年末の総選挙の結果について詳細に分析した。自民党が勝ったのではなく、民主党の惨敗が自民党を押し上げたこと。保守二大政党体制は崩れたが、「維新の会」「みんなの党」がそこからの離反層を吸収し、保守総体は増えたこと。そして脱原発の大きな運動がありながら、それが革新勢力への投票行動に結びつかなかったこと。その理由は現行の選挙制度にあり、それを変えていく運動の必要性にも触れた。 大企業への減税、公共事業への大型支出を打ち出す安倍政権だが、疲弊した地方にその受け皿はなく、結局大企業が儲かるだけのシステムだと指摘。274兆円にも膨らむ企業の空前の内部留保金は、原発とTPP市場に浪費され、「景気回復」の既成事実の後に、消費税大増税が待っていると論じた。 いっぽうで、社民・共産党の低迷が危惧されるが、小選挙区で勝てないと知りながらも共産党に投票し続ける人々や、被災3県・沖縄での前進を挙げて、保守リベラル層をも獲得対象とする「1点共闘から、政治を変える共闘をめざそう」と訴えた。 渡辺さんは豊富な資料を駆使。自民圧勝で意気消沈する空気に、詳細かつ説得力のある情勢分析を続けた。それを前提に、新たな希望の芽を育て、改憲を阻止する広範な国民運動の実現を呼びかけた。持ち時間ぴったりで終演した貴重な提起に、参加者は大きな共感の拍手を送った。 市民運動圏ではおなじみの「制服向上委員会」がステージに。「脱原発」を歌うことが「政治的」だと言われて圧力がかかり、脱退したメンバーもいたという。この日初めて聞いた「おじいさんと同じ」(大きな古時計の替え歌)には笑った。息の合った透明感のあるユニゾン、決めのポーズに会場は沸き、ロビーのCDブースには人だかりができた。若い人たちがこの国の未来を憂い、バッシングにもめげずに各地で奮闘する姿には、とても勇気づけられる。 改憲と原発、領土問題と差別排外主義、格差と貧困、核実験、死刑執行、TPP参加。時代が急速に動いていくなかで、何に、どう取り組んでいけばいいのか。思考を整理し、笑顔と元気を取り戻すような、有意義な集会だった。(Y) Created by staff01. Last modified on 2013-02-25 20:36:48 Copyright: Default |