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「記録なくして事実なし」〜官邸前映像記録をつづける(木下昌明)
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 官邸前で何が起きているのか? なぜ人々は毎週金曜日の夜になると、誰かに頼まれたのでも強制されたのでもないのに、寒いなかで立ちつづけているのか? ただ反対の声を上げるため、原発をやめさせたいという一心である。

 先日、長い行列の中で立ちつづけている60代の見知らぬ女性と話す機会をえた。彼女は、昨年の6月29日以来欠かさずきているのだという。ぐみ坂の暗がりのなかで、大勢の人々にまじって小さい声を上げている。ーーこんな人が、実はこの抗議行動を支えているのだと改めて思い知らされた。

 「記録なくして事実なし」ーーこれはわたしが尊敬している水俣病を社会病として記録し、告発したドキュメンタリスト土本典昭が遺した言葉である。

 長い間沈黙していた人々がいま小さな声であれ、国家にノーと声を上げている。わたしはこうした人々の声を少しでも「可視化」して、伝えたいと考えている。(木下昌明)

2.22官邸前動画(YouTube 7分 撮影=木下昌明)


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