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レイバーネットTV第27号放送・テキスト版
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以下、2月16日放送の「レイバーネットTV・第27号放送」(特集=橋下「公務員バッシング」の本当の狙い〜現場職員が真実を語る)のテキスト起こしです。ぜひご活用ください。なお、アーカイブは以下で視聴できます。
http://www.ustream.tv/recorded/20499499
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松元:こんばんは。労働者の、労働者による、労働者のためのメディア、レイバーネットTVの時間がやってまいりました。キャスターの松元ちえです。

土屋:はい、同じく土屋トカチです。今猛威を揮っている、インフルエンザじゃないですよ、大阪市長、橋下徹君が強制している恐怖のアンケート。これは怖いですよ。アンケートってね、すごく軽い感じで街頭で答えるようなイメージですけど。

松元:アンケートじゃないですからね、これ。業務命令ですからね。

土屋:実態はアンケートじゃなくて、思想調査じゃないかっていうぐらいの、めちゃくちゃ怖いものがまかり通ってる模様です。特集ですけども、【橋下「公務員バッシング」の本当の狙い〜現場職員が真実を語る〜】は、20時10分頃からお送りする予定です。ということで、ワンポイント英会話をしたいんですけども。公務員バッシング。組合つぶしですよね、実態はね。

松元:そうですね。

土屋:「組合つぶし」を英語で言うと?

松元:組合は皆さんご存知の通り、”Union”って言いますけれども、「バッシング」っていうのは、英語では”Busting”と言います。だから、UnionのBusting。

土屋:アタック、とかいう意味かな?

会場:「ゴーストバスターズ」、かな?

松元:うん。

土屋:ユニオンはゴーストじゃないですよ?(笑)

松元:でも、海外でもよく言われてます。”Union Busting”という風に言われてます。

土屋:もう一度いきましょう。

松元:”Union Busting”。Very good!(笑)OK!

土屋:組合つぶしがいいことになっちゃうけど、そうじゃないでしょ?

松元:じゃないじゃない(笑)。発音が皆さんいいかなと思って。はい、今晩のレイバーネットTVには、大阪から現場職員の方をお迎えしています。今の状況では、声を上げることは、仕事を懸けることとも言えます。不安のある中、勇気を持って発言してくれますので、20時10分頃から是非皆さんご覧下さい。スタジオの外からもツイッターで、ご質問やご意見お寄せください。ハッシュタグは#labornettvです。まずは今月のニュースダイジェスト。尾澤さん、お願いします。


【ニュースダイジェスト】

担当:尾澤 邦子さん

こんばんは。
2月11日、東京・代々木公園イベント広場で「さようなら原発1000万人アクション・全国一斉行動」があり、12000人の参加者が会場周辺を埋め尽くしました。
<映像:当日の様子、など>
東京で避難生活を送る増子理香さんは、転校を繰り返す子どもたちに思いを寄せ、「これ以上悲しい思いをさせないでほしい。同じ過ちを繰り返さないでほしい」と訴えました。俳優の山本太郎さんは、「もっとテンポアップし、もっと声を出して怒りませんか。命がかかっています。即時廃炉、それしかないでしょう」と訴え、会場をわかせました。中学生の藤波心さんは「いつ爆発するかわからない原発と一緒に暮らすのはイヤだ」「いまこそ豊かさとは何かを考え直す時。子どもたちの未来を、日本の未来を守ってください」と訴え、参加者と共に「ふるさと」を合唱しました。落合恵子さんは「心から原発にノーと言って、命と人権が大切にされる社会を創っていこう」「反・脱原発に向かって、前を向いて、胸を張って、歩いていきましょう」と話しました。落合恵子さんと山本太郎さんはデモの先頭に立ち、解散地点まで歩きました。

次は、「とんでもない!郵政13694人の非正規切り〜第1回裁判開かれる」のニュースです。
<映像:提訴した人たち、丹羽良子さん、当日の様子、など>
昨年9月末に、それまでの慣行を無視して65才以上の郵政非正規社員13694人が、一方的に解雇されました。これに怒った有志5人が提訴。初めての裁判が2月9日、東京地裁620号法廷で開かれました。24の傍聴席に約60人、小さな法廷は「立ち見」であふれかえりました。職員が退場を促しましたが「たくさん来ていることを裁判長に見せたい」と、立ち見の傍聴者は出ていきませんでした。裁判長が登場し「立っている人は外に出てください」と言い、立ち見の人は「もっと大きな法廷でやってください」と言い残して退場しました。
裁判では、解雇された丹羽良子さん、深尾忠典さんが堂々とした陳述を行いました。丹羽さんは「郵政非正規社員は、正規社員と同等の業務をこなしながら、賃金は数分の一という低待遇に押し込められ、勤務時間等の労働条件も支店が決定し、その上、6ヶ月ごとに契約更新を繰り返すという不安定な条件下での労働を余儀なくされてきました。本来的に、同じ仕事をしながら「正規」「非正規」という名前の違いだけで賃金に数倍もの差があり、「期間満了」という言葉による解雇に怯えながら働くということが、許されてよいはずはありません」と訴えました。

次回公判は3月29日、午後1時15分から東京地裁620号法廷で行われます。公判終了後、弁護士会館にて報告集会を行うとのことです。

次は、「朝鮮学校に「高校無償化」実現を!院内集会」のニュースです。
<映像:2.14院内集会の様子、文科省への要請行動、など>
2010年4月から始まった高校無償化は、子どもの教育保障として、高校進学者が増え、中途退学者が減るなどの効果を上げていますが、朝鮮学校だけがいまだに適用されていません。「拉致問題との関係」や「朝鮮半島の武力衝突」など、全く筋違いの理由で排除され続け、いまだに審査結果も公表されていません。
今年も卒業式が迫る中、2月14日、参議院議員会館で、朝鮮学校に「高校無償化」実現を要求する院内集会が開催されました。国会議員9名をはじめ170名が参加し、立ち見の人で会場があふれるほどでした。子どもの権利条約に詳しい吉峰弁護士の講演、朝鮮学校当事者の訴えがありました。また韓国からの支援のメッセージが紹介されました。
その後、文部科学省への要請行動が行われました。担当者の煮え切らない答弁に、参加したオモニ(おかあさん)たちからは、「もう体力がもたない」と涙ながらの訴え。参加者からの怒りの発言が相次ぎました。日本社会の人権意識を問うこの問題について、今後、3月1日の文部科学省包囲行動を中心に、卒業式までに何とか無償化実現をと連続行動が企画されています。

以上、ニュースダイジェストをお伝えいたしました。

土屋:はい、尾澤さん、ありがとうございました。続いては、いよいよ特集です。【橋下「公務員バッシング」の本当の狙い〜現場職員が真実を語る〜】です。


【特集 橋下「公務員バッシング」の本当の狙い〜現場職員が真実を語る〜】

ゲスト右:矢野 幸一さん
ゲスト左:松本 美恵子さん
コメンテーター:山口 正紀さん

松元:2月9日、大阪市の橋下市長は、市職員に対して、労使関係に関する職員のアンケート調査を実施しました。業務命令と言い、この回答を拒否した職員、または不正確な回答をした職員は、処罰の対象になる可能性がある、としています。16日の今日、問題のアンケートの提出締切り日、これは市職員に対する提出締切日でした。17時半に締め切っています。教職員の方は、継続審議となっていますけれども、今日は大阪からおこしいただいた現場職員の矢野幸一さんと、松本美恵子さん、それからジャーナリストの山口正紀さんにお話を伺いたいと思います。こんばんは。(拍手)まず自己紹介からお願いしたいんですけれども。矢野さんは市職員でいらっしゃる。

矢野:はい。大阪市の建設局に勤務しておりまして、日常的には下水処理場の水質管理をしております。ですからまあ、技術職でございます。10年前に個人で加盟できる「なかまユニオン」というのを結成しまして、その中で市職員を対象にした「なかまユニオン大阪市職員支部」というのを結成いたしました。ですから大阪市に対しては、職員団体登録をしてますので、今からお話する、問題になってる労働組合の、いわば一つであります。そこの支部長を担当しております。よろしくお願いします。(拍手)

松元:そして松本美恵子さんは、教職員でいらっしゃる。大阪市のほうで。

松本:そうです。大阪教育合同労組の組合員です。大阪市で現職をしています。小学校で講師と呼ばれる仕事をしています。先ほども郵政と非正規労働者の話があったんですけど、同じ思いです。今日はそういった話をさせていただきたいなと思って参加しました。よろしくお願いします。(拍手)

松元:まず、矢野さんが大阪府庁舎の前で抗議行動をされている映像があるんですけども、それをちょっと。矢野さんは映ってませんけれども、なかまユニオンの映像をご覧下さい。

<映像>
・ビラ配布+抗議行動の様子
「橋下市長が決して職員への賃下げ、組合潰しだけではなく、その次の段階では、市民相対の、大阪市民全体への教育・福祉・医療・生活の安全・安心、そして安定を損なうという、危険な市民生活を総破壊するという行動にも繋がりかねない、ということを私達は本日のビラで訴えています」

・団体交渉の様子

松元:はい、ということですけれども。あれ大阪府庁舎の前ですけれども、やっぱり勇気いりますよね、ああいうふうにするの。

矢野:まあ朝ですから、市会議員も時々来たりしますし、職員の方は全部あの前を通って登庁されますのでね。あの彼が言った後に私もマイク持って「なかまユニオンの矢野幸一です」と私は名乗って喋りましたけどね。

松元:そうですか。組合攻撃も大阪の橋下市長は、アンケートの前に攻撃始まってるんですけども、

土屋:メディアでも散々報道されましたけどね。

松元:その労組攻撃の実態というのは、現場ではどういう感じなんですか?

矢野:今のところ、先ほど映ってました本庁舎に6つの組合が入ってるんですけれども、それは非常に大きな組合で、組合事務所を借りてるんです。私どもは人数も少ないんで、申し入れましたけど、組合事務所の貸与はできないと断られたんですが、その組合事務所を使っているのは出て行きなさい、ということで、橋下市長になってからきつく言われてたんですね。3月までに出て行かなかったら、市から裁判を起こすと。組合側もそれは受けてたつ、と言ってます。それから、その後、時間内の組合活動についてはそれなりに組合休暇という形である程度認められてたんですよ。機関の会議とか、そういうのに限ってですけれど。それはもう全部廃止をする、ということが出されてきました。極めつけは今からお話する、職員に対するアンケートですね。これで終わりじゃなくて、これはもう当然ステップ、過程だと思うんですけれども。そういう形でなってきました。橋下市長が言ってるのは、就任直後に、大阪市の交通労働組合というのがあるんですよ。地下鉄とかバスの職員の方が組織する。そこの現場の職場で、平松市長を応援する選挙の資料が見つかった、ということが問題になりましてね。そのことから、今からお話する、いわゆる労働組合と当局との関係、で労使関係ですね。それが、正さなければならないと。具体的にゆうたら組合は、人事に介入してる、と。時間中に政治活動していると。これを正さなければならないという位置づけで、アンケートがされた、というふうに、今日まできてます。

松元:早速ツイッターからの質問で、「大阪市には市職の組合はないのでしょうか?」。

矢野:市職の組合、というのは難しいんですけど、職員が加盟する組合は、一番大きいのは、大阪市職員労働組合、大阪市職、というのがあります。組合員は1万2000人ぐらいいてますね。その次大きいのは、大阪市従業員組合、これが8000人ぐらいで、後は交通労組ですね、これも8000人ぐらい。私どもの組合はもうずっと人数は少ないんですけれども、まあそういう組合もあると。それからあと大阪市役所労組といって、大阪労連系の組合もございますけども、それは数百人です。ですから圧倒的多数は大阪市労連、いわゆる大阪市職とか市従とか交通が入って組合を作る大阪市労連、これが大体2万8000人おりますので。

会場:連合系?

矢野:そうです。連合系の組合ですね。がもう圧倒的多数です。ですから、組織率でゆうたらどうなるんでしょうね。職場でゆうたらもう、ほぼ100%。

松元:早速なんですけれども、アンケート、今日17時半に締め切られましたが。矢野さんは回答されているんでしょうか?

矢野:いや、私は拒否してますので。私どもの組合は全員拒否ということで意思統一して、そのようにしますと。

松元:あと、先ほどお話した時に、他にも回答拒否された市職の方がいらっしゃるということなんですけれども。

矢野:そうですね。聞き及んでいる所では、今申し上げた大阪市役所労組、大阪労連系の組合の方は、ビラも私どもと同じ時に配ってましたから、拒否をするんだ、と言われてましたんで。ただ、労働組合ですからね。末端まで、一人一人まで拒否が貫徹というか、組合の指示通りいくかどうかは別にしましてね。組合としては拒否をするんだ、というふうに言ってます。一番大きい連合系の組合は、大阪府労働委員会に訴えるということはしてますけれども、職場の組合員に対して拒否をしようということは一言も言ってませんで。実態としては職場の組合員、職員は、もうほぼ全員、やってますね。アンケートに答えている。

松元:それは職場で見られてますか?そういう光景っていうのは。

矢野:はい。みんなわいわい言いながら。

土屋:わいわい!?

矢野:はい(笑)。困ったな〜こんなんどないして答えたらいいんだろう。で、あんまり悩むとね、もう消えちゃうんですよ。でまた一から戻らなあかん。

松元:ネットでやってる、オンラインで回答ができるんです。

矢野:各自のパソコンに来るわけですよ。その質問がね。

土屋:じゃあ答えが遅いとゲームオーバー?失礼ですけど。もっかい最初から〜って。(笑)

矢野:だから、悩んでた人は、消えた〜!ゆうてました。

土屋:そりゃあひどいですね。

松元:全質問に回答しないといけないので、回答しないで次に行こうとすると、次のページに行けないんですよ。

土屋:いじわるだねーなんかねー。

松元:本当に全員一つずつ回答しないと。

土屋:ちょっと書きにくいこと後で考えるとか、できないんだね。

松元:また戻ろう、とかね。ちょっと変えようかな、とか(笑)。

矢野:戻ることは絶対できないんです。前にしか行かない。

土屋:怖いアンケートですねなんかね〜(笑)。

松元:でもそれが、職場の何名かの人たちがもう既に回答していて、組合に入る、入らない、100%だってもう組織化されてるんですから、誰かに紹介されたとか…。

土屋:てか、もうチェック、入っちゃうよね。入ってないって、書くほうが不自然だよね。

松元:問題のアンケートですけれども、こちらに紙バージョンのアンケートを用意しました。

矢野:その前に、アンケートと同時に各人に送られてきた、橋下市長のメッセージです。

土屋:サイン入りですよサイン入り。

http://t.co/8TCqVn0b(←アンケートの現物)

矢野:これがPDFでバーッと、アンケートと一緒に来るわけですね。で、ここに何が書いてあるかということを少し読まさせていただきますと、”このアンケート調査は、任意の調査ではありません。”と。やってもやらなくてもいいということではありませんと。

土屋:え?

矢野:”市長の業務命令として、全職員に真実を正確に回答していただくことを求めます。””正確な回答がなされない場合は、処分の対象となり得ます。”ですから、勿論もう一つの言葉、書いてませんけれども、拒否をした場合も、当然処分、ということですよね。それはもう当然、前提にしているわけです。ということで、全員やりなさいと。不正確な内容であったり、そこにウソが書いてあったり、拒否をした場合は処分ですよ。ということが一緒に来るわけですから、職場の職員はたまったもんじゃないですよね。

土屋:こういうことやってる場合じゃないですよね。

松元:ツイッターのコメントで、”橋下の策略に乗せられてるだけだと思う。拒否じゃなくて無回答で意思表示をすればいいじゃないか。”というコメントがありますね。

山口:組合だからね。踏まなきゃ、踏まないともうそれだけでダメ、とそういうふうにもう最初から書いてあるんですよね。

土屋:チェック入んないと先に進めない、ということですからね。

松元:だから、無回答で出す、というよりも、拒否になっちゃうんですよね。

矢野:無回答では出せない。ということで、少し内容をご説明したいと思います。設問は22問あります。先ほど言いましたように、必ず記名ですから、矢野幸一、職員番号書いて、そこからスタートします。ちょっと前後しますけど、16番から。この辺が一般的なことです。皆さんおわかりだと思うんです。”あなたは、組合に加入していますか。”加入している、してない。で、17番。次。”あなたは、組合に加入することによるメリットをどのように感じていますか。”ただし、この質問は、”回答するか否かは自由です。”て書いてある所に注目してください。こういう設問はパスできます。

土屋:ああ、なるほど。

矢野:これが書いてない質問は、必ずどっかを選ばないと次の質問へ移れません。ですから、終わらない、ということなんですよね。だからこういうやつ、後でも出てきますが、組合にモロに手をつっこむ、後で問題にされるようなやつは、必ずこれが書いてます。次へいってください。18問目。”あなたは、組合にはどのような力があると思いますか。”(笑)これも回答するか否かは自由です。例えば回答例が、選択肢があるわけです。必ずどれかを選択しなければならない。”職員の労働条件を改善してくれる。””組合の幹部推薦があれば、市の職員として採用されやすい。”こういったことが、どれかを選ばなあかんわけです。で、”その他”になったら、具体的になんか書かなあかんわけです。そういう設問になる。

松元:書かないと次にいけないわけだ。スゴイ(笑)。

矢野:次へいってください。19問目。”あなたは組合に加入しない(要するに脱退するということですね、既に加入している者は)ことによる不利益は、どのようなものがあると思いますか。”要するにこれは露骨に脱退をそそのかす、と言われても、これは逃げれないですよね。ただこれも、”回答するか否かは自由です。”と書いてあるわけですね。選択肢として、”職場の人間関係に悪影響がある。”とか、”昇進の道が狭まる。”とか、それは具体的にどんなことかと。それを選んだらそれを書かなあかんと。そういう選択肢になっているということですね。次へ行ってください。20問目。これは、”これまで組合に、待遇等の改善について具体的に相談したことがありますか。”と。要するに組合をあてにしてますか?と、まあそういうことを問うているわけです。これも”回答するか否かは自由です。”で、次の質問。21問目。”あなたは、自分の納めた組合費がどのように使われているか、ご存知ですか。”こんなこと橋下市長に関係ないと思うんですけれども。(笑)まあ知りたいんでしょうねえ。これは利用状況が書いてませんから、必須質問です。回答選択肢が”十分な説明を受けている。””よく知らないが、組合活動に適切に使われているものと思っている。””よく知らないため、組合活動に適切に使われているかどうか、疑問がある。””よく知らないが、組合費の使い方に関心はない。”どれか選ばなあかんわけです。(笑)

土屋:4つのうち3つが”よく知らない”っていう選択肢なんですね。すごいですね。

松元:そうそう。

矢野:これはどれか選ばないと次の質問には行けません。こういう所ですね。ですからこれを見てもらったらわかりますように、もう明らかに憲法28条で謳っている「団結権」、私らは団結する権利があるわけですから、それをゆさぶるというか、そこに手を入れてきている。先ほどの、”脱退することにデメリットがありますか?”ということを聞くのは、裏には”脱退しませんか?”ということを意図しているわけですから、これは労働組合法第7条の、使用者としての支配介入にあたると私は思いますね。次の質問。また少し戻りますけど、6問目ですね。ここは実はね、市長が一番聞きたいことなんです、この質問が。”あなたは、これまで大阪市役所の組合が行う労働条件に関する組合活動に参加したことがありますか。”これは留保がついてませんから、必須質問なんです。どれか答えなあかん。回答1番目は”誘われていないが、自分の意思で参加した。”これは、まあゆうたら自分の意思ですよね。でも殆どの、組合役員以外の殆どの人は回答2番以下なんですよ。回答2番目は、”誘われたので参加した。”そしたら、どういう活動に参加したか(=”活動内容”)。”誘った人”は誰か。

松元:誘った人、名前書かなきゃいけないんですよ。

矢野:”誘われた場所”はどこか。

土屋:(笑)スゲー!

矢野:”誘われた時間帯”。

松元:”時間帯”ですよ!時間帯!

矢野:時間中に誘ったか、昼休みに誘ったか、ここが問題なんですね。

松元:そうですね。労働時間内にやってるかどうか。

矢野:で、回答3番”参加していないが、誘われたことはある”。という人も同じようなことを聞かれて。これは書かなければならないわけですよね。こういうことになってると。次の質問へいってください。7問目。”あなたは、この2年間、特定の政治家を応援する活動に参加したことがありますか。”いわゆる国政選挙であるとか市会議員選挙であるとか、先般の市長選挙とか、そういうことを問うてるわけですね。回答1番”誘われていないが、自分の意思で参加した。”これはまあ、自分の意思だと。ところが殆どの人は、大体まあ誘われたり、後で少し言いますけど、事実、組合から動員とかあるわけですよね。そういうことであったら、”組合から誘われたので参加した。”。回答”活動内容””誘った人””誘われた場所””誘われた時間帯”。これ全部、以下のチェックに入った人も、全部同じように聞かれるわけです。

土屋:こんなの全部覚えてるもんですかね。よくわかんないですよね。こんなの答える意味もないと思いますけど。

松元:覚えてないですよ。「行く〜?」とかって言ったらそんなのねえ。

矢野:ですからこの”誘った人”の名前が出てくるのは組合役員になるわけですね。ですから組合役員は、このアンケート、非常に汲々としてますね。大変ですよ。自分の名前が出てこないか。もう、大変です。次の質問へいってください。8問目ですね。”あなたは、この2年間、職場の関係者から、特定の政治家に投票するよう要請されたことはありますか。”。回答”要請されたことがある。”ということは、組合からの要請。要請した人は誰ですか?(=”要請した人”)と。組合以外の人でも、要請した人は誰ですか?と。場所、時間、同じように聞きます。

松元:組合以外の人でもですよ。言わなきゃいけないんですよ。

矢野:はい。その次。選挙の”紹介カード”ですよね。よくやるやつ。それも同じように全部、”誰ですか”ということで、氏名まで書いてくださいね、ということですよね。このようなアンケートですから、後半部分は、確かに組合に対する介入もありますけど、むしろ職員一人一人の政治活動とか、誰を支援してるかとか、そういう、むしろ、思想とか良心の自由を侵す。憲法でゆうたら19条に定めてある、そういう思想信条の自由を侵すような内容になっているというふうに私は思います。ですから、このアンケートの一番大きな問題は、そういう内容的に、法律っていうか、憲法に違反した内容になっておる、ということなんですよね。もう一つの問題は、冒頭お示ししましたように、橋下市長は”業務命令”だと言っているわけです。人事課に団体交渉を申し入れたんですけど、これは管理運営事項だと断られましたんで、もう一枚持って行きまして、要請書ということで出したんですよ。業務命令の根拠は何か示してくれ、ということで人事課長に言ったんですが、人事課長は地公法32条を根拠にしておると。これは橋下市長も言ってます。地公法32条というのは、何を書いてあるかといいますとですね、

松元:すみません、チコウホウって何ですか?

矢野:地方公務員法。私らの職員に適用される法律ですね。この32条には、”職員は、その職務を遂行するにあたって、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。”ですから、これを根拠にしてるわけです。だから、職務命令には忠実に従わなければならない、それはいいんですよ。私ら日常業務でもそうです。問題は、そのもう一つ前の文章です。一つ前の文節ですね。”その業務を遂行するにあたって”なんです。仕事をするにあたっての業務命令は聞かなければならない。でも、仕事と関係のない業務命令というのは聞かなくてもいいし、そんな業務命令は存在するのは、まずおかしい。ですから先ほど説明しましたように、労働組合の活動に手をつっこんだり、思想信条をおびやかすような、そういう内容になってるわけですから、こういう内容のアンケートに答えるということが、業務を遂行するにあたって必要なことではない、というふうに私は思いますね。ですから、この業務命令は全く無効であると。そういうことを人事課長に言ったんですよ。そしたら人事課長もずっと黙りましてね。もう答えられない。こういう違法なアンケート、例えば行政の中で、人事課にも法律の専門家いっぱい雇ってますからね。職員がチェックできないのか?と。あんたらおかしいと思いませんかと聞いたんですよ。ほしたらもう最後に言ったのは、”市長からこのアンケートをとると言われて、どっかの部署が窓口にならなあかんからうちがなりました”と”人事課がその窓口になりました”と。それしかよう言わないですよね。ですから、本当にこう、裸の王様になってるわけですけれども、それを、職員が”ちょっとおかしいじゃないの?”ということが全く言えない。そういう非常に硬直した組織になってしまっている、ということ自体が、私は非常に残念だと思いますね。

土屋:言えませんね。本当にね。

松元:松本美恵子さんにもお聞きしたいんですけれども、松本さんは、教職員、学校現場でお仕事されているんですけれども、このアンケートっていうのは、やっぱり問題になったんですか?

松本:そうですね。なってますね。基本条例案が出てからは学校現場では、橋下が、校区、学校は校区っていうのがあるんですけども、フリーにしようという自由化、自由選択していこう、という自由化を出してるんですけれども、校区っていうのは、越境って今まで言われてまして、色んな自分が好きな所へ行くと。そういうことが、差別を生む一つの原因になるからやめよう、ということで作られてきた校区なんですけど、それをまた、行きたい所へ皆行こうや、というふうなことを言いだしまして。それおかしいとゆうた人間に対して、”どうせあんたら教師の子どもも私学に行かしてんねやろ”なことで、進学先調査をしたんです。先ほど矢野さんの話にもありましたけど、任意でいいゆうふうに書いてあるんですけれども、学校現場っていうのは、小学校なり中学校なり行かせている子どもを持つ年齢の人っていうのは限られてきてますので、管理職がコソコソっと、ちょっとなあ教えてえや、と、きちっと通達を見せて、こんなん来てるんです、任意なんです、っていう説明なく調査してるっいうのか。そういう、プライバシーに関したこともやってるっていうなの、あります。これが、私たち教師のほうにもアンケート調査をするというなことは出てたんですけれども、教育委員会会議のほうで検討されるということにはなってますけど。

松元:それは、反対、ちょっとおかしいんじゃないか、っていう声が上がった、っていうことですよね。

松本:はい、もちろんそうです。

松元:その前から、教育現場では、色んなことが、攻撃が起こってきましたけれども。

松本:ありましたね。まず、一番大きなのは評価システムだと思うんですけれども。この条例案が通ると、今でも評価システム、S、A、B、C、D、それは正規の職員で、病欠や産休を取ってる人を除くんですね。勿論臨時職も除くんですけど。よく見られたい。なんでかっていうと、お金がかかってくるんですよね。S、A、Bっていうのは、期末、勤勉手当てのほうにかかってくるので。お金のこともありますし、それからやっぱり人って、よく見られたいっていうか、そういう思いもあったりなんかして。だから変にすごく頑張ってしまう、皆が頑張ってしまう。で、あれもこれもやりだす。私は小学校なんですけれども、サア国語の研究や、なんやの研究や、それぞれがこれやろ、あれやろ、と言い出して。なんかすごいもう、大変な状況になって。表面上はすごく一生懸命皆で頑張ってるけれども、”私頑張ってるんです!見て下さい!”みたいなのがすごく漂ってる。(笑)

土屋:なんか息苦しい、ですね。

松本:そうなんですよ、はい。

松元:松本さんはさっきこのアンケートに回答するかしないかっていうお話をされた時には、臨時職員なので、アンケートは?

松本:ないですね。

土屋:そもそもアンケートが回ってこない。アンケートの対象じゃない?

松本:そうなんです。対象じゃないんです。アンケートをして脅しというか、先ほどもアンケートの中で、組合に入ったことがない、って書けば、真実を書かなければいけないんでしょ?どうして調査すんねやろ?組合名簿出せってゆうんやろか?とかね、思ったんですけど。私達はそんなことしなくっても、気に入らなかったら、機関の中で契約ですから、次4月1日からもう、雇用関係を結ばなければいいわけであって。

松元:いいわけですよね。契約を打ち切ればいいわけですからね。

松本:そうなんです。

松元:だから、アンケート以前に、

松本:雇い止めしてしまえばいいわけで。

松元:不安材料はまだまだたくさん。臨時職員の方とか、非正規の方とか、不安材料はそれ以前にある。山口さんにお伺いしたかったんですけど、このアンケート、どう思われますか?

土屋:さっきからなんかうんうん言ってますよ。言いたいことがいっぱい、ねえ。

山口:ネットでね、これ、見られるので、是非皆さんも。僕も印刷して出したんですが、見て欲しいんですが。僕はこれ最初に見て、これホント、橋下っていうのはこういう人なんだ、っていうね。橋下っていう人物そのものを表しているアンケートだなと思いました。先ほど、矢野さんが仰ったことの他に、一番下に、こんな文章があるんですよ。”このアンケートへの回答で、自らの違法行為について真実を報告した場合、懲戒処分の標準的な量定を軽減し、特に悪質な事案を除いて免職とすることはありません。”

土屋:(笑)なんかにんじん目の前にぶらさげて。

山口:これ何て書いてあるかというとですね、具体的に言うと、警察の取調べで、正直に自白したら、罪を軽減してやるぞ、って言ってるわけですよ。それと全く同じことなんです。そういう意味なんです、これは。つまりこれね、自白強要なんですよ。さらに、自白強要プラス、中に出てくるんだけど、自分を組合に誘った人間を、名前を差し出せ、これはいわゆるタレコミですよね。自白を強要され、共犯者を言えというね、まさに警察官、特高警察の発想なんですよ。この橋下という人物が、こういう特高警察の発想を持った人物だという、この1ページ目がそれを表してる。今大阪の多くの職員が、こういう凄まじい、まさにファシストとしての攻撃に晒されてるっていうことの非常な事態と、もう一つ、こんな大変なことが起きてるのに、日本中のメディアが何故騒がないのか?っていうね。これはホントおかしいですよ。東京新聞がコラムで少し書いてましたけども、これ本当に、労働者の権利どころか、憲法の思想信条の自由を真っ向から踏みにじるような、こういう人物が大阪市長であると。それがこういうことやってるっていうことに対して、メディアが何も反応しないとすれば、メディア自身がもう全然存在価値がない、ぐらいに僕は、これは本当にひどいことだと思う。だから是非皆さんね、これ全文ね、自分の目で見てください。で、自分が答えられるかどうか。僕はこれは、これ言われたら本当にね、どうしようかな、って皆、まあ矢野さんたちはすごく頑張って、こんなことには答えられないと言ったと思うんですけど、多くの市職員が、やっぱりものすごく悩んだと思うんですよ。その踏み絵を突きつけられた。こんなことをする人を市長に選んだ大阪市民の責任って、僕は本当に重大だと思う。僕は大阪府出身なんで、もう余計ね、そういうことを感じたんですよ。怒り狂ってます、はい。

松元:やですよね。自分が出身の所で。こんなこと絶対許せない。

会場:橋下の、他に問題な所は?

山口:だから少し東京新聞がコラムで、これは問題だ、と言ったけど、真正面から、この条文のここの部分を、これをそのまま、レイバーネットがやっているようにやれば、レイバーネットを見ているメディアの皆さん、是非やってください。

土屋:大阪のメディアでもあまり取り上げられてないんですか?

矢野・松本:(黙って頷く)(会場から「酷いね」などの声)

松元:さっき山口さんが仰ったみたいに、私もあれ見たときに、ネットで見たんですけど、今回覧されてるから、自分が職員だったら、回答したくないけど、でもクビが、仕事がかかってると思ったら、どうするだろうか?って考えたんですよ。

土屋:自分の職場であったらね。

松元:クビにされると思ったら…うーん…やっぱりうなりますよね。

山口:僕は、市労連が何故これに抗議して、ボイコットを呼びかけないのか、ここも非常に疑問ですね。それは是非聞いてみたいな、と思いますね。

松元:それは私も矢野さんにお聞きしたいなと思ってたんですけども。先ほど、約100%組織化されているというふうに仰ってたんですけども、その他の皆さんの対応、というか、反応、はどうなんですか?

矢野:他の皆さんって、職場ですか?人によって違いますけれども、殆どの人はもう、こんなん嫌やな、っていう。答えられへんし、答えにくいな、と。これ何を聞いてるんかわからん、皆ぶつぶつ言いながらパソコンに向かって、それでもなんか選択して、次の画面行ってました。ですから皆、職場で昼休み話した感じでは、こんなん仕事と関係ないんやから、何で私が答えなあかんのんよ、という人が大体殆どだったんですけれども、その人らも結局最後まで行って終わってます。で、なんでや?とゆうたら、そら処分されるのは嫌だ、と。こんなことで拒否して処分されて、またもめるの私は嫌や、と。今は、以前は、ちっさな処分やったら給料とあんまり連動してなかったんですけど、今もう個人評価どんどん入ってますから、給料に即もう連動するような。どの程度処分が出るかわかりませんけどね。そういうの、十分想定されるわけですから。職場の職員にとっては、嫌やけどしゃあない、というのが、今の実情ですよね。

松元:それはアンケートだけに限って言った場合かもしれないんですけど、橋下が大阪市長になって以降、職場の雰囲気っていうのは変わってますか?やっぱり。

矢野:私は冒頭、自己紹介さしていただいたように、技術屋ですので、現場におりますので。現場っていうのは、ある意味では、中央からの官制っていうか、強制が一番遅く来る所でありまして、実感っていうのは、あんまりないんですよね。今紹介したみたいに、わいわい言って話してやってるんですよ。ただ、本庁庁舎にも私どもの組合員がおりまして、そこはもう強力でして。こういったこと、市長が言ったことに対して、ちょっとおかしいな、って言ったら、あんたは気をつけたほうがいいよ、と。それは反省文書かされますよ、そういうことゆうたら、と。


土屋:反省文!!

矢野:いやいやそうなんですよ。市長が通ってすぐに、マスコミのインタビューを職員が受けた。その時に、いや…大阪都構想は…と首を振ったんです。ほしたらもう、すぐ呼び出し。その職員呼び出されて、要するに、”民意を語れるのは私だけや””選挙で選ばれた市長だけや””職員が民意を語ることは許さない”ということで、反省文を書け、といって反省文書かされました。

土屋:ええ?でも首ひねっただけですよね。”大阪都構想はぁ…”ゆうてね。(笑)

松元:答えるな、てか受けるな、っていうことですよね、インタビューは。

松本:矢野さんの話を聞いてましてね、私たち非正規が職場で、次の仕事がいつあるかわからない、でも欲しい、生活していかなあかんから、という時に、やっぱり管理職に対して、中間職、という所にいてはる人たちに、気を遣い、の世界でね。やっぱりおかしいの”お”が言い出せない。校長に、”次もよろしくお願いします”って頼めば、”ああ次の仕事も来るだろう”という幻想もあったりなんかして。そういう所でね、今正規の職員にかかってるのも、いや、あたしたち非正規と同じことがこれからされてゆく、ということやと思うんですね。おかしいことがおかしいとゆえない状況、なんでこうなったか、っていうところもね、見ていかなあかんの違うかな、と思うんです。少し話させてもらっていいですか。私が何故組合を必要とし、作ろうと思ったかって時に、初めて産休講師をした時に、私ではないんですけど、過去講師、臨時職をしていた人が意見を言えば”黙っとけ!この日雇いが!講師のくせに!”という暴言を吐いた教諭がいたんです。その言葉を聞いたときに、”え?講師ってこんなこと言われなあかんのかな?”と。小学校ですから学級担任制で、学級の親に対してでも子どもに対してでも責任持って伝え、学校のことでもあれ、自分の思いでもあれ、責任持って伝えていくことなのに、もの喋られへんかったらどうなんねやろ?なんでこんなに言われなあかんねやろ?講師って一体なんやねんやろう?っていうことで、仲間と一緒に調べだして。休んでる人の代わりですから、休みのこととか全く気にしなかったんですけど、一体何だろう?ということで、よく知ってる人に聞きに行ったりとか。権利っていうものを全然知らなかったんですよ。それを知ることによって、例えば産休。お腹大きくなりました、妊娠しました、ってなると、ああ次もう仕事ダメね、と切られる。”この先生はホントの先生じゃないねんから、お前ら協力したりや”と、平気でね、子どもにね。自分の担任の子どもたちに平気で言う先生ね。仕事は全く同じことしてるんです。年齢が高くなっていけば、仕事のこともわかってくるから重要なポストにつけたりとか。それこそ学年主任であるとかね。部長さしたり、であるとか。色々、使い勝手がいいわけですわ。文句言わないで働くからね。

松元:へいへい、って言ってればね。

松本:次の仕事のために、ということで。ある時ね、ある講師がこう言いました。”もうね、ここの組合に私が来たのは、校長先生にお願いします、お願いします、と頭を下げ、ある時には『私に恥をかかさんといてね』とまで言われた。そんなことをしてまで、ものすごくしんどい。教育合同は、組合員の生活と権利を守るために闘っていると聞いたんで、入ります”ゆうて来た方がいるんです。やっぱり、ああその通りやな、と。私達は本当に組合で団結して、交渉しながら雇用勝ち取ってきました。ペコペコ自分一人小さくなり、言いたい事も言えず、子どもにこんな話したい、親にもこんな話したい、と思いがあってもできない。こんなんゆうたら、上から、管理職からどう言われるかな、とか、そんなこと思ったら、小さくなっていく。で、しんどい思いする。それが嫌や、ゆうて。私も、こんなんではあかん、そんな小さくならんでもええ。なんでかゆうたら、私達は教育現場で働いてるわけで、この子たちがどんな大人になるんかな?どんな感性を持つ子どもになるのか?ということで、皆一生懸命働いてきたと思うんです。その私たちが、言いたい事も言えず小さくなって、でも子どもには”ハイ、同じ意見の人は〜グーチョキパー”ってやってるわけですよ。意思表示をしなさい、と。でも職員会議では、もうなにも意思表示をしないような状況であるわけですよ。そんなウソっぱちを、元気に、自分の意思を言えるっていうのは、やっぱり組合が必要やと思うんですね。(拍手)ありがとうございます(笑)。今すごく市職の嵐も聞いたんですけどね、なんでこうなってきたんかな?って思ったら、学校現場で言えば、すごく震災の手控えがありまして、若い人が大阪市でも3人4人しか雇われなかった時期もありました。新規採用者がね。若い講師が来る。若い講師は採用試験があるから、気に入られなあかんから、イエスマンになる。普通の、私たちみたいな講師は、次の仕事があるから、雇用の心配するからイエスマンになっていく。組合があっても、講師のほうには全然関心がないっていうのか。というのは、地公法で決められた規約っていうんですかね。私達は、辞令がある間は入れるわけですわ。地公法の関係でくくられてる部分で、組合には入れる。というようなことがあって。目もくれなかった。ところが現場は講師がどんどん増えていく。今大阪市内でも、職員が、高校入れて1万ちょっとだと思うんですけれども、講師の数は1500ぐらいじゃないかなと。きっちりした数じゃないんですよ。小中で1200ぐらいですからね。その中でも、府費っていう、大阪府から賃金出てる人と、まるまる大阪市から出てる講師の人がいてるわけで。大阪市だけでも常勤講師120人作りましたからね。反対してるんですけど、講師作るのは。そんなことがあって。組合員にするのに、採用テスト試験頑張りましょう、というようなことをやって、組合員にしたもんだから、結局は労働運動しよう、組合運動しよう、ということなしに、試験と管理職にゴマする、機嫌を伺うようなことだけが残っていって、やっぱり今のこんなことでも、おかしいって普通やったら思うのに、それが思わないような、感性がどっかいってしまってるんちゃうんかな、と。奪われたんかな、という感じがするんです。だから、もう一度元に戻る、原則に戻るっていうかな。そういうのがいるかな、っていうふうに。

松元:いや正に今仰った通りで、橋下が多分欲しいのは、そういう”へえへえ”っていうイエスマン。自分の言うことを何でも聞いてくれるような、そんな職員または労働者が欲しいんだと思うんですけれども。山口さんどうですか?”本当の狙い”って。今日の特集のタイトルは”「公務員バッシング」の本当の狙い”なんですが。

矢野:すみません、その前に一言だけ。橋下市長がこのアンケートをやるに至った理由というのは先ほど言いましたように、組合が人事に介入している、ということが理由だと申し上げましたけども。私の経験を少しお話したいと思うんですけれども。組合人事に介入してきました。私は、人事に介入するというのは具体的にはね、係長承認のことなんです。係長承認をするにあたっては、組合に、当局は名簿を作るんですけれども、それを組合に協議して、組合が”あかん”ていう人間は外されます。むしろ組合役員とかそういうのは、もっとこう、”こいつ入れろ”というふうにして、それを先挙げる。そういう実態はいくらでもありました。私は化学職ですから、化学職の一番ヘッドというか、責任の管理職がおりまして。その人が、次誰を係長に挙げるか、という名簿を作るんです。これは私が本人から直接聞いた話ですけれども、毎年一番筆頭に挙げてるんだけれども、組合が許さない。組合が言ってる理由は、”矢野は組合員に踏み絵を踏ました。こういう人間は係長には上がれない。”というふうに言ってると。どういう意味か、何を言ってるのか、僕は全然わからへん、というのが管理職の話でした。これはどういうことかというと、私は以前大阪市職の、500人ぐらいおる組合の書記次長までずっとやってまして、ですからまあ、そういう役員をずっとやってたんですね。ところが国鉄分割民営化の時に、組合から全部連合にいっちゃうという時に、実は私は反対したんですよ。その時に、支部の中に500人の組合員の中で対立選挙になって、もうほぼ半々で、30票か40票差で、250と200なんぼで、結局負けたんですよね。その後本部の選挙もありましたから、私も大阪市職の委員長に立候補しました。ですからそれを言ってるんです。ですから、組合の主流から見たら、反対で立候補して、どっちに入れるか組合員に踏み絵を踏ませたと。こんな奴は許されないと。だから係長に上げられないと。こういうことなんですよ。それと同じ構造がつい最近まで、今でも恐らくあると思うんですけれども、市長部局は随分薄まってきました。しかし交通局、市バス私鉄の運転手さんが組織されている所、そこに私どもの組合員おりますのでね。その実態を聞いてみますと、私が今紹介したようなことは今でも行われている。ですから、やっぱりそれは事実なんですよ。橋下市長が問題にしているのはね。ただ、それは労働組合内部の問題であって、私ども労働組合としては正していかないかんと思うんですよ。そういう形で人事に介入してやっていく、っていうのはね。そのことをもってして労働組合を否定するということには、絶対ならないはずなんです。

土屋:話が違ってきますよね。

矢野:うん。で、もっと言えば、そういうこと、土壌作ってきたん、誰でもない大阪市役所、当局なんですよ。当局が労務管理をやりたいために、簡単にやるために、組合とそういうことを協定してやっていた。そこを問題に、まずするんならするべきなんですね。ですから、私が言いたいのは、橋下市長は、そこは取り違えてる。潰れて、正さなあかんということだけれども、それは労働組合の問題である。それを市長がとやかくね、あれやこれやとこういうアンケートを作ってやる、そういう問題ではないし、ましてや業務命令できるような問題ではないというふうに私は思います。

松元:山口さん。”「公務員バッシング」の本当の狙い”ですが。彼の狙いはなんなんですか。

土屋:今日は唸ってる。

山口:いや、聞けば聞くほどね。僕は、あの人を一体どういう人物であるか、という。その正体、というみたいなものをやっぱり皆が、もっときちんと考えていかなきゃいけないと思うんですよ。大手のメディアはそれを回避していて。そもそもどういう人物なのか?っていうね。僕は彼が知事になる半年前、2007年の5月に大阪の読売テレビでやった、やしきたかじんの「そこまで言って委員会」というね、あの番組の中で彼がやったことを、もう一回きちんと考えるべきだと思うんですよ。彼は丁度、いわゆる光市事件の少年の裁判に関して、やしきたかじんの番組が、21人の弁護士に対して、21人も出てきやがって、とかね、こいつら皆精神病院に放り込んでしまえ、とかね、もうめちゃくちゃな暴言を言って、やった時に、そこの番組に出てた橋下氏が、”じゃあこんな酷い弁護団を、皆懲戒にかけましょう”と煽って、全国で7000人ぐらいの人がそれに乗せられて、懲戒にかけたわけです。だから、その時問題なのは、橋下氏、あるいは番組が考えていた基本的な情報が、全く事実に合ってない。その少年が供述を変えたのって全くデタラメだし、死刑廃止のために利用したというのも全くデタラメだし。しかしそういう間違った情報をさんざんメディアでばら撒いて、そしてその上に立って、皆で懲戒しよう!って扇動していく。このやり方っていうのはね、正に僕はそれがメディアを使ったファシズムだと思うんですよ。ヒットラー以来のね、伝統だと思うんだけども。そういうふうにして、誰かターゲットを作って、それに向けてぶわーっと煽っていく。このやり方ですよね。結果的にはこれは完全に相手にされなくて、むしろその時僕らは、この橋下のやり方、その番組そのものが問題であるっていうことで、BPOっていう番組放送自体を審査する機関に番組のことを訴えて調査しろと要求したし、橋下に対する懲戒請求をやるべきである、というね。つまり、弁護士倫理に違反して、事実に合わないことをメディアで喋った。そのこと自身が違反である。ということで大阪弁護士会に。僕も東京のまとめ役になって申し立てた。これは大阪弁護士会、認めたんです。つまり、それぐらい事実に反して、合法的な手続きも全く無視して、平気で扇動できる。こういう人物である、っていうことを皆が真剣に考えないと、怖い時代になる。元々彼自身は別にその、弁護士だから、って人権問題やったわけでも何でもない。企業の顧問ってやって、サラ金の会社の顧問やったり、そんなことやったりして、非常に弁が立つもんだから、大阪のメディアで売れて、それを東京にも引っ張り出されて。東京の何でも言ってもいいようなテレビ番組で、非常に反発の出そうな、過激なことをばーっと喋って。で、問題になったら”あーごめんなさい”って謝るというね。そういう軽さとか、調子のよさとか。酷いのなんか、日本人の中国への売春、回春ツアー、あるいはODAみたいなことをね、平気で色々喋ってる人物なんですよ。自分で公然と、改憲論者であるし、核武装論者であるし、いつでも虚偽を変えるべきだ、って言ってるね。こういう人物である。ところがその部分が殆ど知らされないで。彼はいわゆる霞ヶ関と対決してるだとか、公務員特権を解体しようとしているとか、こういう部分だけがテレビでわーっと出ていく。それでまた新聞もきちんと批判しないで、そのまんま垂れ流していく。そういう構造の中で、彼が。まあ小泉政治と一緒ですね。まるで救世主のようなイメージを与えて、そして、既存に色々問題あるわけですよ、確かに。大阪府も市もね。その問題を逸らした所でね、より酷い方向に変えていく。僕は大阪都構想と言ってるものだってね。これ、本読んで、バカバカしいけど、金勿体ないけど、買って読みましたけどね。

土屋:買っちゃった。

松元:(笑)。

山口:ええ読みましたけどね。本当に、中身何もないんですよ。中身ないどころか、これは矢野さんなんかもご存知だと思うんですけど、結局は関西財界が東京に対してやって欲しいことを、彼は堺屋太一とかね、大前研一と一緒になってやってるだけの話なんですよ。でもそれが全然本質を伝えられないで、

土屋:あえて書名がよくわからないんですけども。まあちらちらね。

「体制維新ーー大阪都」 橋下徹 堺屋太一 共著
オビ=「革命児・橋下徹とは何者?都構想とは何か?すべての答えは本当にある」

松元:これ読まないとね。

山口:大阪でね、非正規で働いている若い人たちが皆、これに騙されちゃうんですよね。そういう所が怖いと。ここの裏に堺屋太一が「よいことも悪いことも大阪から始まります」って書いてあるんだけど、よいことは一つもありませんでしょ?(笑)

土屋:(爆笑)哂えるなコレ!悪いことだけだよ。

松元:さっきもツイッターで”こんな奴を市長に選出した大阪市はすごく責任がある”って書いてましたよ。

山口:よいことは何も始まってないし、悪いことが今始まりつつある、と思うんです。

松元:あ〜確かに。東京都民も。(笑)

山口:ですから、是非矢野さんにも、この大阪都構想がどういうものであるか、っていうことをね、それとの関連でのね、公務員バッシングだっていうことを、是非お話していただきたいなと思うんですよ。

矢野:橋下市長が選挙の時に、マニフェストを出してるんですけど、三つ大きな柱を言ってるんですね。一つは”大阪都構想の実現”、もう一つは”職員基本条例”、これ後で時間あったら、少しだけ触れておきたいんですけれども。三つ目は”教育基本条例”。これ今ごっつ問題になってますよね。その次に来るのが職員基本条例です。これ三つをやるんだと。これを通じて、公務員のあり方、教育のあり方をリセットするんだ、ということを常に言ってます。一番特徴的な所、少しだけ読まさせていただきたいと思うんですけど。これは去年の12月28日、橋下市長が当選して、最初の大阪市議会の定例会で行った、市政方針演説です。ここでどういうことを言ってるかといいますと。”大阪市役所のこの組合の体質というものが、今の全国の公務員の組合の体質の象徴だと思っております。ギリシャを見てください。公務員組合というものをのさばらしておくと、国が破綻してしまいます。ですから、大阪市役所の組合を、徹底的に市民感覚に合うように、是正改善していくことによって、日本全国の公務員の組合を改めていく。そのことにしか日本の再生の道はないというふうに思っております。”ということを言ってるわけです。これを市会の市政演説で言ってるわけですよね。ですから、ここに市長の言いたい事がある意味凝縮されていると思うんですけれども、大阪都構想を実現するために、反対勢力を全部排除していく。またそれをターゲットにして、敵を作りながら、自分の政策をどんどん推進していく。皆の目先をこちらに向けていく。そういう、橋下市長の独特の手法だと思うんですけれども。そういうことが非常に伺えますね。今山口さんが言われたことと、全く同感なんですけれども、私はこの大阪都構想、その先の、どう修正、っていう、色んな情報が職員から来るんですけれども、それを見てみますと、要するに、住民福祉とかそういう所は残し、現場にまあ任せて、大阪都の一番上のほうは、大阪市と堺市の税金を全部吸い上げるんですよ。大阪市、堺市はなくして。そこの権力と金を吸い上げて、財界から要請のある産業基盤の所へどんどん振り割っていくと。そのために、その財源を捻出するために、私らも賃金がさーっと低くなって、政令指定都市の中で一番少ないんですけれども、ほんでまだ下げようとしていると。そういうことをどんどん職員に。人数も削減しようとしていると。そこで財源を捻出する。それでそういうことを実現していこうとしているということで。私は、私たちにかけられているバッシングというのは、そういう住民福祉を切っていく、財源を吸い上げて、大きな産業基盤の所に抜けていく。そういうような自治体に作り変えていく。そういうことを狙ってるんじゃないか、と私なんかは現場を見てて、非常に思うんですけどね。

松元:なるほど。今後、ツイッターにもさっきあったんですけれども、これからどういう闘いをしていけばいいのか?と。特に現場の職員の方たちは。今の、このアンケートを拒否したっていうことも一つなんですけれども。敵は大きいので、これからどういうふうにしていったらいいのか?ということをお伺いしたいんですけれども。松本さん、どうですか?

松本:私たちが何故教育合同を作ったか。正規の職員と、非正規の職員と。何故一緒に作ったか。今の攻撃というのは、正規の職員が非正規化されていく。じゃあ今の非正規はどうなるか。もっと低くなっていく、もっと簡単にクビ切られていく、という状況があるわけです。それだったら、非正規の人が下げられていくわけでしょ。非正規がどんなんやったんか?っていうのを知るためにも、で、こういう状態はあかんねや、っていうためにも、やっぱり同じ組合、なかまユニオンの矢野さんにも呼びかけたいんですが(笑)、非正規も含めた組合が必要やと思います。そして、大阪教育合同労組は、私たちが、正規の人の権利を補償するために、産休講師であるとか、病欠講師であるとか、今もそうです、誰の代わりでもないですけど、人間が足らん、必要人員が足らん、という中に入ってるわけなんですけども、正規の人が権利を主張すれば、講師の人の権利が引く、っていうか、ものすごくぶつかる。例えば交通費だって、条例主義ですから、1日付でないと出ない。産休入る時に、月の1日か2日越してから入るんですよね。そうすると私達は1日外れてしまうから、交通費が出ない、住宅手当が出ない、諸手当も出ないんですよ。そういう権利のぶつかり合いっていうか、が、なって。これはあかんと。やっぱりお互いにどうしていったらいいんか、権利は権利だけれども、じゃあ講師にもきちっと、実費手当てを払いなさい、という運動を、やっぱり一緒にしていけへんかったら、なんせおんなし一つの小さな職員室の中で、子どもと一緒にやってるわけですから、仕事が教育に関わることですから、お互いにわかり合い、またそのためにお互い言い合える関係、っていうか。やっぱり非正規のことを知ってもらう、理解してもらう、その上で、どうしたらこれから運動が展開していけるんか、っていうことがあると思うんですね。私達は今までどおり、非正規と職員を組織化し、組合結集、団結を強くして、闘っていこうと。(拍手)組合交渉は、どんどんやっていきたいと思っています。

松元:ちょっと今ツイッターで一つ気になるんですけども。「小泉」だってあるんですよ。非正規雇用を増大させたのは。敵はね、小泉は始めたかもしれないんですけども…橋下も。どうですか?

松本:橋下ねえ。”お山の大将”になりたい人やな、っていうのはすごくわかるけれども。

松元:小泉Jr.?(笑)

松本:う〜ん、小泉より軽いんちがうんかな〜と思いますけれども。

山口:小泉を手本にしてるって、自分で言ってますからね。

松本:思いつきで喋る。

松元:そうですよね。一つの闘いの闘い方として、ちょっとご紹介したのが、これからなかまユニオンがやる。先ほどもツイッターで”橋下って弁護士じゃなかったっけ?”っていうのがあってですね。それからもう一つ、”このアンケートをした人は誰や”っていうのを橋下に聞いたらどうか、っていう。実は知ってます。誰がこのアンケートを作ったのか?

土屋:じゃじゃ〜ん。

<映像:通報窓口
野村修也弁護士の所属事務所
森・濱田松本法律事務所
FAX=03-6212-8240
メール=shuya.nomura@mhmjapan.com>

松元:実は!この野村修也という弁護士なんですね。橋下が、野村修也さんにお願いして、委託して、このアンケートを作ってくれというふうに言ったと。

土屋:共犯ね。

松元:それで今なかまユニオンでやってるのは、この”通報窓口”っていうのがあるんですけども、これはどういう?

矢野:このアンケートで、先ほど言った、誰が組合に誘ったかという、あそこに書く欄があったと思うんですけど、そこに書かない場合は、無記名でもいいからここの通報窓口に言ってくださいと。

山口:タレコミ先。

矢野:ということで、アンケートの一番最後に書いてあるんです。で、この野村修也弁護士というのは、橋下市長も言ってますが、大阪の特別顧問なんです。ですから彼に委託しました、というふうに言ってます。ですから私どもは、橋下市長も弁護士なんですけれども、先ほど紹介あったように、橋下市長を責めても、そんな応えないんじゃないかなと(笑)ゆうふうに思って、実際にああいうアンケートを作った野村修也弁護士に対して懲戒請求をしたいと。(拍手)それは弁護士法56条に定められております。誰でもできます。いわゆるその弁護士にあるまじき、品位を失うべき非恨があったということを理由にして訴えることができますので、大阪では私どもが請求人になって訴えますけれども、できましたら東京とかでも賛同していただける方は請求人になっていただいて、東京でも記者会見を開いていただきたいんです。大阪でも勿論、訴えた時には、私どもの責任で記者会見を開いて、広く大阪市民なり府民なり、マスコミの皆さんに訴えますけれども。是非この運動についてご協力いただきたいというふうに思います。

松元:これは別に、どこでもいいわけですよね。どこからでもいいので、とにかくメールでもFAXでもしてくださいという。

土屋:俺もFAXしよう、ってツイッターできてますけどね。

松元:大阪では、大阪弁護士会もそうですけど、東京弁護士会、それから自由法曹団、大阪労働弁護団、など、法曹界からも抗議声明が出ていて、このアンケートは違法ではないか、ということを訴えています。それが一つで、職員のほうは継続審議になっているわけですけども。

矢野:それを取り組んでいきますので。もう一つは、私も含んで間違いなく処分が出るわけですから、その処分の内容が、例えば減給とか、直接不利益になるもんであれば、それの損害賠償で訴えられるんですけど、文書訓告とか、恐らくそんなことになるんかもわからん。あんまり痛みのない処分になる可能性があるわけです。でもこんだけどんどん批判が追求してきますと。そうなったら、これなかなか争えないんですけれども、ただ不利益申し立てを人事委員会にして、それが却下された場合は、屈辱を受けたと慰謝料請求、そういう裁判できるというふうに弁護士は言ってましたので、私どもはこの問題は曖昧にせずに徹底的にやりたい。そのことを通じて、大阪市民なり府民なりマスコミの皆さんに、この問題を是非知っていただきたいというふうに思ってます。先ほど言いましたように、あと、本チャンの、職員基本条例というのは、職員をどんどん解雇してもいいという、そういうことがいっぱい書いてある条例が、これから市議会で審議されて通っていくわけです。ですから、本当に天王山はこれからなんで。私どもの置かれている状況を少しでも理解していただくために、最後まで取り組みたいと思います。三つ目は、橋下市政の住民生活破壊と闘う連絡会、結成を予定してます。19日に予定してます。こういう問題はね、私ども当該の職員とか労働組合とかだけでは、とても、まあゆうたら無理なんですよね。ですから、地域で働いてる人とか、子どもたちを学校にやってる人たちとか、そういう、地域の住民の方に、そこにどんどん運動に入ってきてもらって、そこの人たちと一緒に、橋下市長おかしいよ、というような声を作っていかないと、この闘いはダメだというふうに思ってますので、そういう努力も是非やっていきたいというふうに思っております。(拍手)

松本:大阪市で観ておられる非正規の人に訴えます。今矢野さんが言ったように、正採がどんどんクビ切られていきます。職員条例ね。その人たちがどうなるか?ゆうたら、じゃあ学校現場に表れないか?ゆうたら、そうではなく。また講師として表れる可能性は十分考えられます。その時に私達は、彼らが言うように、安全弁としての役割をきっちり果たさせられるようになると思うんですよ。今、教育合同に、団結しましょう。加入してください。(拍手)

松元:お仲間からコメントが。”教育合同は、これからも正規と非正規が一緒になって闘いますよ”という。今日もね、事前に、”私たちの組合の仲間が勇気を持って出演しています”というふうにメッセージが送られてきました。

土屋:なんかあそこのおじさんが質問したいって。

松元:はい、スタジオから質問です。

会場:”公務員バッシング”にのせられてる人は、ものすごく多くて、すごく身近な人まで、組合やってるような人たちまで乗せられてるんですよ。こういう人たちに、どういうふうに語りかけたらいいと思いますか?

山口:すごく単純な質問なんですよ。「大阪府政、4年間、橋下知事になって、何か住民にいいことありましたか?」。こういう極めて単純な質問を、ちゃんと府民の人、市民の人が、ちゃんと受け止めて考えて欲しいんですよ。実際に彼は、財政赤字を減らすと言ったけど、それ全然減ってない。減った分は何かといったら、あちこちの、医療だとか、福祉だとか、教育だとか、あちこちから削って、少しだけ減らしたと。そんなものはね、そもそも行政のやるべきことなのか?という。そこの一番肝心な所でね、橋下がやったことに対して理解がない。むしろテレビは、毎日朝彼は府庁に出てきたら、知事時代、テレビがわーっと集まって、でなんか喋ると。その喋ったことが、まるでやったことかのように、メディアを通じて拡がっていって、何となく幻想が出来上がっていく。自分たちの味方みたいに。しかし何もないんですよね。なんもないんだということを、まず、僕は、彼を知事や市長に選んだ府民、市民が、自分たちは一体何を求めているんだ、ということをね、もう一回きちんと考え直さないといけないと思うし、これそのままに放っておくと、今度は、彼らは大阪維新を、更に日本維新にやるんだっつって、200人も候補立てるって言ってるわけで。はっきり言って日本はメディアに操作されやすい状況にあるわけで、これは大変なことになると。まさに悪い事は大阪から日本に拡がるんですよね。その危険性を感じるので、僕はメディアの責任は非常に重大だし、受け止める側の人たちが、自分の生活に即して、橋下のことをちゃんと受け止めると。幻想じゃなくてね。実感として考えて欲しい。僕はそう思います。

松元:ツイッターから。”今日20時台のラジオで、共産党の志井委員長が、『これは違法じゃないのか?』というふうに言ったら、橋下氏は『法の範囲内で調査する』と明言して、『撤回はしていない』というふうに言ってました”。

土屋:もうアンケート回収しちゃったからね。締め切っちゃったからね。

矢野:私は、是非皆さんに理解していただきたいのは、公務員の給料というのは、決して民間水準より高く設定されてるんじゃないんです。人事院勧告というのがあって、調査をされて、まあゆうたら平均になってます。ただ、非正規の厳しい状況に置かれている人たちから見たら、優遇されてる、っていうふうに見える、っていうのは、それは事実です。しかしそれは公務員が悪いんじゃなくて、そういう、非正規という使い方をしてる今の法律なり、国の施策、また、それをいいように使って利益を得てる企業、そこが問題だということを是非理解していただきたいのと、大阪市の職員の給料だけで言ったら、先ほど言いましたように、この間ずっと賃金削減されてきて、政令都市の中では一番低いんですね。ですからそういう状況に置かれてるっていうことを、理解していただきたい。更に、先ほど言いましたように、職員の賃金とかを吸い上げて、それを住民の実に回すんかといったら、そうではなくって、そこも同時に切りながら、集めた財源は、最後は、財界の産業基盤に回そうとしてるのが大阪都構想なんだ、ということを是非ご理解いただきたいと私は思います。(拍手)

松元:先ほどもね、松本さんは、大阪市は全国で一番非正規の数が多いと。

松本:そうです。今矢野さんの話にもありましたけどね、公務員の賃金高い、やっぱり非正規のことなんか、全然範疇にないんですよね。大阪で言ったら、学校現場支えてるのは、非正規なんですよ。非正規いなかったら、絶対回っていかないんですよ。なのに賃金はどこであんなに計算されているのか。私たち入れたら、絶対あんなに高くない。低いんですよ。やっぱりそれも、そういった反撃の仕方っていうのか、反論の仕方っていうのは、なかなかないんですよね。やっぱり正規組合ばっかりの歪みかな、とも思うので、いっぺんその辺りのことを皆さんに考えて欲しいな、って。非正規だけじゃない、労働者としての、一緒の仕事をしてる仲間として、考えて欲しいなっていう思いでいっぱいです。

尾澤:このようなアンケートを実施させてしまったっていうのは、労働組合にとっては、すごく致命的なことだと思うんです。生活と権利を守るのが労働組合じゃないですか。労働組合は一体何をしてたんですか?と思うんですが。

矢野:私は、こんなこと言ったら怒られるかもしれませんけど、先ほど私の件から言いましたように、大阪市の労働組合は、当局と一体となって人事介入をしてきましたし、時間中に選挙活動もやってきたわけです。常に痛みを持ってるんですよ。それに逆らったら名前が出ちゃうわけですよ。やっぱり怖いと思いますよ。だから反対できないと。残念ながら、そういう状況になってるんではないかというふうに私は思いますね。

松元:組合は自己批判を今求められているということだと思いますけれども。

土屋:そこから変えていかないと、この問題はね。

松元:そうですね。先ほど仰ったように、それは組合同士、または組合内で改善することであって、市長が介入することではないと。

土屋:橋下君に言われたくない、ってことですよね。(笑)

松元:はい。そういうことでした。今日は矢野幸一さん、松本美恵子さんに、大阪市からおこしいただいて、橋下氏の攻撃についてお話をいただきました。山口さんも、どうもありがとうございました。(拍手)続いては、【不満★自慢】のコーナーです。


【不満★自慢】

右:星くんことジョニーHさん
左:村長=かっぱくんこと乱鬼龍さん

星:こんちはー。不満自慢のコーナーです。(笑)静岡のMさんはじめ、こないだカンパが欲しいなーっつったらカンパいただいて。こんないいものができました。隣の乱さんも。(笑)まだちょっとね。河童の村長さんなんですけども。もうちょい。金がないんで。でも本当ありがとうございます。

村長:金!

星:今日はテーマ曲。全体の不満自慢ということで。さっきのアンケート聞いてたら、こんなカッコしてそんなこと言うのもなんなんですけど、私30年前に組合に入ったときの、誘った人は何と校長でございます。

松元:ええ!そういうのもあるんだ!

星:勲三等もらってる大校長。まだいきてらっしゃるんですけれども。その方が、”お前なんかいつでもクビにしてやる”と。校長の俺がクビにできるんだ、って、なんだと!ってケンカになったんだけど、”クビになりたくなかったら組合入れ!”そしたら校長だったんですね。それもまた書くことになっちゃうのかな。それもまた面白いかなと思いますけど。

土屋:書かなくていいです。(笑)

星:ああいいですか?すみません。大阪行って参りました。もう今の話の生々しいとこで。今日は替え歌じゃなくて。ちょっとブルースで。”大阪アンケート・ブルース”という曲でございます。じゃあ皆さん聞いてください。

「大阪アンケート・ブルース」 ジョニーH

清潔なゴミ箱の中のゴミ達を見て、
レジ袋のゴミ達が「ずるい」と言っているのを、
道端のゴミ達が見ていた。

大阪の公務員労働者たちについて、
民間労働者たちに「ずるい」と言わせているのを、
非正規解雇労働者たちが「いいかげんやめろ」といった そう中之島公園で

くだらないTVのバラエティー番組のおもろないタレントくずれのおっさん(誰のこっちゃ)くだらないTVのバラエティー番組のおもろないタレントくずれのおっさん(誰のこっちゃ)
そのおもろないタレントくずれのおっさんが恐ろしいアンケートをとろうとする

「あんた言いなりになる再生ゴミか、それとも言いなりにならない有害ゴミか」
「あんた言いなりになる再生ゴミか、それとも言いなりにならない有害ゴミか」
まるで踏絵のような調査アンケート 大阪のゴミ

清潔なゴミ箱の中でも、レジ袋の中でも、まして道端にあっても、
やっぱり、ゴミはゴミやろ

その場で焼却されても、再生用にまわってこき使われても、使い切れば
やっぱり、ゴミはゴミやろ

おもろないタレントくずれのおっさん(誰のこっちゃ)、あんたは、そうは言うけれど…

ちょっと待て、ひとこと言わせろ おれたちはゴミなんかじゃない
どっこい、ここに こうして毎日毎日考えて生きているぜ

こんどはおれたちがアンケート調査する番や
おもろないタレントくずれのおっさん(誰のこっちゃ)、さあ答えてみぃ
「あんたは改心して人様の役に立つつもりはあんのか、
それとも有害のまま毒を吐き続けるのか」
「あんたは改心して人様の役に立つつもりはあんのか、
それとも有害のまま毒を吐き続けるのか」
おもろないタレントくずれのおっさん(誰のこっちゃ)、さあ答えてみぃ

「あんたは改心して人様の役に立つつもりあるんかい、
それとも有害のまま毒を吐き続けるのか」
「あんたは改心して人様の役に立つつもりあんのか、
それとも有害のまま毒を吐き続けるのか」
おもろないタレントくずれのおっさん(誰のこっちゃ)、さあ答えてみぃ
さあ、しっかり答えてみい
「うそを書いたらリコールだぜ!!」


星:はい、「大阪アンケート・ブルース」でした。(拍手)今日の乱鬼龍の一句でございます。

村長:「橋下の 維新 アブナイ ことだらけ」乱鬼龍

星:ということで、ストレートにいってますね。

村長:私もね、清掃でゴミ扱ってるからね、ゴミは宝だって。

星:河童の村長さんが言っております。

星:ということで不満自慢のコーナー。今日は全体の中の不満ということで。次回またレギュラーのものを。どうもありがとうございました。ジョニーHと。

村長:乱鬼龍でした〜。(拍手)

松元:ツイッターで”歌詞がヒガミに聞こえて泣けるわ!”というのと。”いい味出してる”というコメントがありました。レイバーネットTVでは、これからも大手メディアが報道できないようなニュースをどんどんご紹介していきます。今日の番組、次回へのご意見、など、なんでもいいのでお寄せください。
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土屋:レイバーネットTVでは、現在視聴者の皆さんに、アンケート調査を行っております。(笑)

村長:これはいいや(笑)。

土屋:あんな恐ろしいアンケートじゃありませんよ。答えたくない人は答えなくていいんですよ。本当に任意ですよ。

松元:名前書かなくていいんですよ。(笑)紹介した人は書かなくていいですから。

土屋:無記名です。強制ではありませんので、是非自由にご感想を書いていただければと思います。それによって、これからも充実した番組作りや、皆さんが見たい、知りたいと思う情報をお届けしたいと思っております。橋下君とは全然違いますのでご安心ください。

松元:レイバーネットTVはみなさまからの寄付で運営されています。村長も、星も、手作りです。全てのご要望にお応えできるかわかりませんが、できるだけお応えしたいと思っております。早速、先日大口カンパをいただきました。ありがとうございます。(拍手)もう大変助かります!静岡のMさん。埼玉のKさん。ありがとうございました!今年度、現時点で実は非常に厳しくてですね。これからもカンパをいただけると大変ありがたく。こういった橋下徹の特集とかできますから。よろしくお願いします。

土屋:「この番組いいね」と評価していただけるのであれば、是非カンパをお寄せください。

星:ツイッターで、”さっき歌の中に、『中之島公園で叫んだ』のは私たちだ”って。うれしいですね。

松元:そうです。ありましたね。

土屋:大事なメッセージを。カンパをお寄せください。
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これも別に強制ではありませんから。(笑)ご自由に、ということですけど。寄付をいただいた方のお名前は番組終了時のエンドロールに流れます。うれしいですね、これもね。少しでも、たくさんでも勿論かまいませんので、多くのみなさまからご協力いただけると大変嬉しいです。

松元:次回は3月11日。東日本大震災から1周年になりますけど、郡山で開催される福島県民集会の現場と繋いだり、世界各国で予定されているものや、エジプトとも繋がるかな?時差があるからちょっと難しいかもしれないですが。そういったところとも中継で繋いで連帯のメッセージ等を交換していきたいと思っています。

土屋:ハイ、ということで。今晩もお付き合いいただいてありがとうございました。かっぱくんもほしくんも、ありがとうございました。

松元:次回3月11日でーす。さようなら〜。

土屋:ハイ、お会いしましょう〜。(拍手)


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