本文の先頭へ
報告 : 名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会が金曜抗議行動を再開
Home 検索

名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会が金曜抗議行動を再開

<だまして連行賃金不払い。冷酷、三菱重工。謝罪と償いの日まで決してだまらないぞ>

名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会は、2010年7月に三菱重工が「元朝鮮女子勤労挺身隊」問題に関する話し合いの場を設けることについて同意して以降、人道的立場から救済を求め続けてきました。しかし三菱重工は、金銭が被害者に渡ることをあくまで拒否してきたため、2年間にわたる協議は決裂。そこで8月10日(金)、元原告と日韓の支援者らが、東京・品川駅頭での早朝情宣と、三菱重工本社前昼休み行動を再開しました。

<名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟とは?>

日本に行けば「学校に行ける」「給料も貰える」と勧誘された国民学校を卒業するかしないかの年端も行かない(12〜14歳)少女たちは、その「甘言」を信じ、親の反対を押し切って、名古屋に強制連行されて来たのです。しかし、三菱重工名古屋航空機製作所での生活は、約束とは大違いでした。「学校には行けず」、厳しい労働、そして食事も日本人と差別され、ひもじい毎日でした。そして、日本が敗戦した1945年の10月頃、「給料は後から送るから」と言われ、「着の身着のまま」で祖国、朝鮮に帰りました。

日本から帰った彼女たちを待っていたのは、挺身隊=軍「慰安婦」という挺身隊言説でした。戦時下の植民地朝鮮から多くの若い女性が海外に連れ去られ、軍「慰安婦」とされたため、朝鮮では勤労挺身隊と軍「慰安婦」被害者を区別することが不可能な状況がつくり出されていたのです。こうして彼女たちは、軍「慰安婦」被害者と同じように、自らの被害事実を隠し続けることを余儀なくされたのです。

国と三菱重工が加害責任を明確にすることなく放置し続けたため、今日の今日まで挺身隊=軍「慰安婦」という烙印を押され、軍「慰安婦」被害者と同じ怯えにさらされている元勤労隊員が大勢いるのです。まさに国と三菱は、彼女たちから「青春」と「人生」を奪ったのです。国と三菱重工が1日も早い「心からの謝罪と補償」に踏みきることの意味は、ここにもあるのです。

なお詳細に関しては、支援する会のサイトでご覧下さい。
http://www.geocities.jp/teisintainagoya/index.html

<支援する会による三菱重工への抗議文(一部省略・修正)>

2010年7月、貴社が「元朝鮮女子勤労挺身隊」問題について話し合いの場を設けることについて同意して以降、私達は人道的立場から救済を求め続けてきたが、16回の協議を経ても貴社は、日韓請求権協定で解決済みの問題であり、最高裁で当社に法的責任がない旨の判決が確立し、原告個々人に何らかの金銭的解決は考えることは出来ないと表明。解決案としての内容は、既存の日本の財団を通じた韓国からの留学生に対する奨学金であり、原告の救済とは全く無関係であることから、私達はこれ以上の進展は望めないと判断し、7月6日話し合いを決裂せざるを得なかった。原告の尊厳を踏みにじった“話し合いの決裂”の責任は貴社にある。

振り返れば、原告らが貴社に謝罪及び損害賠償を求めた訴訟は、1999年3月1日、名古屋地方裁判所に提訴した。2007年5月31日、名古屋高裁判決は、強制連行、強制労働を認め、「個人の尊厳を否定し、正義・公平に著しく反する行為と言わざるを得ない」として、貴社の行為を厳しく断罪して不法行為責任を認めた。判決は貴社の不法行為責任しいては賠償責任を承認しながら、日韓請求権協定によって、原告らが裁判所に訴えて賠償を求めることができないとして、原告らの請求を排斥したものに過ぎず、権利が存在していることは明確に認めている。

又、145回に及ぶ金曜行動、2010年株主総会事前交渉での国や貴社に対して韓国市民が取り組んだ13万4,126筆の署名や、韓国国会議員超党派100名の署名は、話し合いを行う上で決定的な役割を果たしたと言える。しかし、この様な努力にも関わらず、貴社の全く誠意のかけらもない態度に2年間振り回されたと思うと、憤りを感じざるを得ない。

去る5月24日、韓国大法院は戦時中の広島三菱徴用工原爆被害者裁判で、控訴を棄却した二審判決を破棄し釜山高裁に差し戻した。判決は、日本政府が植民地支配の違法性を認めない状態で、1965年の日韓請求権協定が締結されたと指摘。個人請求権について、日韓両国の意思が一致していたとみる十分な根拠がないとして、消滅しておらず有効との初判断を示した。韓国メディアによると、原告勝訴の判決が出て確定した場合、被告企業側の韓国内の財産が差し押さえられると言い、日本企業の対韓国投資への影響も懸念されると報道している。

韓国では、ハルモニ達が裁判を起し、今までより大きな闘争を作り出すと述べられており、私達、日本の支援する会も共に闘う決意である。以上

報告:佐藤和之(川崎から日本軍「慰安婦」問題の解決を求める市民の会)


Created by staff01. Last modified on 2012-08-11 11:26:40 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について