本文の先頭へ
東電広報部とフリー記者が取材カメラ持ち込み禁止について大バトル
Home 検索

2012年5月14日、東電から三回目の福島第一原発事故の現場取材が5月26日に催行される事が発表された。

一度目は記者クラブのみ、二度目はインターネットメディアのニコニコ動画とIWJの各2人づつ、そして三度目の今回はフリージャーナリストの参加が2名認められた。

今回の取材バスは、倒壊の危機が噂される四号機の山側まで行き、記者は降車出来る。 報道関係者が直に噂の現場を取材できる機会が得られた。

フリージャーナリストは希望者2名以上は抽選となる為、5月18日に東電本社で抽選会が開かれ、2名が選出された。 今回の初のフリーランス記者で原発取材参加の抽選に集まったのは7名。

手作りの紙の箱に入れられた7枚の紙片のうち2枚が原発取材参加のチケットになる。 当たったのは木野龍逸(キノリュウイチ)さん、と畠山理仁(ハタケヤマミチヨシ)さん(代理抽選)。 供に東電会見で粘り強く事故の真相を追求してきた豪腕記者達だ。

しかし、今回、フリーランスのカメラ持ち込みは許可されていない。 理由は「核防御上、写してはいけない所を写されない為に監視員がいるが、バスの搭乗人数が一杯なので付けられない。 新たに参加が決まった2名のフリー記者にはカメラの持ち込みを許可出来ない」と説明があった。

つまりカメラを監視する管理者が確保出来ない、という理由で二人のフリー記者にはカメラの持ち込みが制限された。 カメラの持ち込みを発見した場合、取材中止となる。

これにフリージャーナリスト達は強く反発。 抽選後、別会場でカメラ持ち込み交渉が行なわれた。

カメラ監視要員のキャパが無いのなら、フリー記者一名を削って監視者をバスに乗せる、またはカメラの画像を撮影後東電にチェックさせる等、フリー記者側からカメラ持ち込み取材を可能にする案が次々出された。 しかし東電広報担当者らは提案をいずれも拒否した。

「フリーランスを取材に入れたくないがそういう訳にもいかないので、代わりにハンディ付けて入れてやるっていうのが見え見えですよ」と不満の声があがった。

東電広報担当者らがおされ気味になると、栗田隆史・広報部長が現れ「今回は、これでお願いします」と反撃。 にらみ合いの空気の中、栗田氏は「要望はお預かりします」と答え、交渉は打ち切りとなった。

記者クラブは三回目も同じくカメラとスチィールの持ち込みを許可されている。

カメラの持ち込み許可に対して、フリージャーナリスト達は強く要求していく様子だが、記者を招待しておいてフリーだけはカメラ無しという、ハンディを付けて取材条件に差をつけさせる東電広報部のやり方に、強い非難の声があがるのは必至だ。

 写真は18日に行なわれた抽選会。 抽選中もカメラの持ち込み不可に強い不満と抗議の声が広報部に集中した。

2012年5月19日 報告 上田 眞実 Twitter @irakusa


Created by mu07. Last modified on 2012-05-22 14:08:05 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について