●12.28官邸前デモ写真コメント by Shinya
福島原発事故は終わっていない
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民意は自民党を選んだ訳じゃない。
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「絶対安全だ」「事故は起こらない」と騙し54基も原発を造ってきたのは自民党だ。
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菅井益郎さん(写真上)「安倍さんは国会で決議してつくられた『国会事故調査委員会報告書』をちゃんと読んでいるか。しっかり読んでから対応すべきだ。国会事故調委員長の黒川清さんは、福島の生んだ世界の大学者、二本松出身の朝河貫一を引いて、福島原発事故を反省して二度とこうした事故を起こさぬようにと書いているが、国会議員はしっかり読んで活用すべきだ」と訴えた。
菅井さんは1分アピールの後、「黒川委員長はさすがに学者だと思う。前学術会議会長にして海外でも知られる医学者、福田〜麻生政権における内閣特別顧問だ。原発再稼働、新増設に走る安倍新政権と自民党の思慮無きやんちゃ議員たちには、国会事故調の報告書をきちんと読ませるべきだ。黒川委員長だけでなく、委員の田中三彦さんなどを呼んで講義してもらうべきだと思う。もちろん国会事故調査報告書にも問題はもたくさんあるが、」と怒りを抑えて話した。
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朝河貫一を引用した黒川委員長(元日本学術会議会長)の文章(『国会事故調』)
「朝河は、日露戦争に勝利した後の日本国家のありように警鐘を鳴らす書『日本の禍機』を著し、日露戦争以後に「変われなかった」日本が進んで行くであろう道を、正確に予測していた。「変われなかった」ことで、起きてしまった今回の大事故に、日本は今後どう対応し、どう変わっていくのか。これを、世界は厳しく注視している。この経験を私たちは無駄にしてはならない。国民の生活を守れなかった政府をはじめ、原子力関係諸機関、社会構造や日本人の「思いこみ(マインドセット)」を抜本的に改革し、この国の信頼を立て直す機会は今しかない。この報告書が、日本のこれからの在り方について私たち自身を検証し、変わり始める第一歩となることを期待している。」(*『日本の禍機』講談社学術文庫)
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福島原発事故の調査報告は四つある。「安全上重要な機能を有する主要な設備は、地震時及び地震直後において安全機能を保持できる状態にあった。想定外の大津波が事故の原因とする『東電事故調報告書』
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「津波の襲来する前に地震動による損傷を断定する事実は確認できない」とする菅直人政権設置の『政府事故調報告書』。
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そして「津波による全交流電源や直流電源、海水ポンプ系の機能喪失によって異常の拡大を食い止めることができなかったと」とする『民間事故調報告書』
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これに対し国会事故調査報告書は、「1号機A系の非常用交流電源喪失が津波到着前に生じていること、地震発生当時。1号機の建屋4階の作業員数人が原因は特定できないものの出水を目撃していること、地震直後に大規模な「冷却材喪失事故」(LOCA)は確認されていないが小さな配管破断とそれによる炉心損傷や炉心溶融の可能性があること」などを指摘し、事故の根源的原因として、規制する立場である当局と規制される立場である東電が逆転関係に陥り、原子力安全についての監視・監督機能が崩壊していたとし、「今回の事故は「自然災害」ではなくあきらかに「人災」である」と結論づけている。
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国会事故調だけが「想定外の」津波を原因とせず、地震によって配管が壊れていた可能性、地震によって送電線鉄塔が倒れ、配電設備も壊れた結果、外部電源喪失の原因となった。原発の地盤と耐震性に問題があった可能性があると推論している。再稼働を企む自民党政府にもう一度この国会自らが調査し作った報告書を、声を大にして突きつける必要がある。
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staff01.
Last modified on 2012-12-30 13:14:40
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