関西の女性パワーを示した上質の3分ビデオ
〜第9回「レイバーフェスタOSAKA」〜
12月9日、エル大阪南館で、「レイバーフェスタ2012OSAKA」がひらかれた。
今年はベテランの小崎くに子さんが、初めてフェスタの司会を担当した。観客の雰囲気を読みながら、しだいに会場の雰囲気を盛り上げていく巧みな司会だった。
最初の上映作品は、韓国の韓進造船所の集団解雇に反対してクレーンに籠城したキム・ジンシクさんとその支援の運動を描いたドキュメンタリー「塩花の木々〜希望のバスに乗る」。冒頭、キムさんの携帯電話を使っての撮影と語りは素晴らしく、韓国の労働運動の連帯力の強さを感じさせる作品だ。
続いて東京の3分間ビデオ17本が一挙に上映された。観客のアンケートによると「予告編・犬と猫と人間と2〜動物たちの大震災」が一番好評だった。母親が不登校の我が子を携帯電話で撮った「家族の風景」も母親とこどもの微妙な距離が映像に表現され、上位にランクされた。
昼休みをはさんで関西の3分間ビデオが上映された。10本の作品のうち、女性の制作作品が7本を占め、関西の女性パワーを示し、しかも現代をとらえる上質の作品が多かった。小泉友由子さん制作の「関西レインボーパレード2012」は、多様なセクシュアリティを持ったパレード参加者にインタビューするもの、質問と回答がともに明るく、爽やかな雰囲気をつくり出していた。「ZAZAで行こう!」は、君が代に起立をしなかった教員に対する処分に反対するネットワーク、ZAZAの集会を取材したもの。大阪では刺青調査や君が代斉唱時の唇審査など、基本的人権を奪う異常な事態が進行しているだけに、タイムリーな作品になり、観客の投票でも上位にランクされた。ちなみに制作者の新美益子さんは、今回レイバーフェスタのビデオ制作講座に参加し、初めてビデオカメラを買ってこの作品を作った。
但馬けいこさんの「岩国は負けない!」、陣内恒治さんの「オスプレイ配備反対!沖縄普天間基地前そして高江と辺野古」は危険な米軍ヘリ、オスプレイの配備に反対する運動を記録したもので、今後、反基地集会で上映されることを期待したい。
後半は、陽斗(ハルト)のオリジナルソングのライブ。昨年突然会社を解雇され、希望をなくしたが、歌うことで救われたと語りながら、「面接」や「ワラッテナイテ」など、自身の経験を素直に歌にした弾き語りだった。
最後は長編ドキュメンタリー、我謝京子監督の「311:ここに生きる-In The Moment-」。東北の震災から立ち上がろうとする女性たちのパワフルな活動に驚嘆させられる。阪神淡路大震災で母を亡くした少女の17年後の姿も希望を与えてくれる。各地でもっと上映してほしい作品だ。
映像の内容の充実に比べて、今回は参加者が少ないのが残念だ。衆議院の選挙運動と重って来られない人が多く、参加者は70名に留まった。
集まったアンケートは好意的で、励ましの声が多かった。
★「Face Bookで流されましたか? 宣伝をもっとやったらいいのに」
★「日頃のマスコミで見ることができない、いい作品がたくさんあって感動しました」
★「映像の力って大きいな、、、と自分でも撮ってみたくなりました」
★「ここには良心がある。それも『行動する良心』が!」
(文責 小山帥人)
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Last modified on 2012-12-11 15:19:12
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