報告(尾澤邦子) : 「被ばく労働を考えるネットワーク」設立集会 | |
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11月9日、「被ばく労働を考えるネットワーク」設立集会が行われ、参加しました。午後6時半の開会でしたが、少し遅れて会場の江東区亀戸文化センターの会議室に到着すると、すでに満席。立ち見の人たちが入り口まであふれている状態でした。 原発下請労組元分会長の斉藤征二さんが基調報告を行っていました。「原発労働者がいなければ原発は動かない。収束作業もできない」と強調されていました。 「被ばく労働を考えるネットワーク」は、「労働現場における被ばく問題に関する情報を共有し、意見交換を行う」「原発労働者および被ばく問題に直面する様々な労働者に対し、自主的な安全点検や労働相談などの支援を行う」「政府・自治体・事業者・雇用業者に対する共同の取り組みを行う」などを課題とし、参加・賛同を呼びかけています。 集会では、全国一般労働組合全国協議会いわき自由労働組合から現地報告がありました。3.11原発事故で飛散した放射性物質の除染作業では、除染特別地域での先行除染と本格除染は環境省の直轄事業として行われており、除染作業員に対して1日1万円の特殊勤務手当(いわゆる危険手当)が支給されることになっています。ところが実際は、危険手当が出る除染作業では労賃を最低賃金にまで下げたり、宿舎代を別途天引きするなどして、事実上の危険手当の減額=ピンハネが行われています。 いわき自由労組の桂書記長は、2次下請け、3次下請けの労働者と共に、危険手当を未払い賃金として団体交渉を行っていると報告しました。そして、「福一での原発労働者は、年収200万以下で働いている。日々の生活に追われる賃金しかもらっていない」「原発で働く労働者が健康で働いていられる環境をつくらないといけない」と話しました。 神奈川労災職業病センターの川本浩之さん(写真上)から「原発事故後の被ばく労働をどう考え、何を議論すべきか?」の問題提起があり、討論に入りました。 東京電力と交渉を行ったと言う労働者は「東電は、起きた事故は労働者のせいにする。どんな環境で作業しているか、高線量下で仕事していることなど知らない」と発言がありました。またどうすれば当事者が運動に参加できるかとの質問があり、川本さんは「原発に反対しないと運動に参加できないのではないかという労働者がいる。生きている以上、いろんな仕事があり、いろいろ矛盾を抱えている。権利は権利として、命と健康を守る立場で、当事者と討論しながらすすめていく」と話しました。 危険手当の未払いについて交渉を行っている当事者からは、「70ミリシーベルト被ばくしてもタバコ1本吸うのと同じと言われ、そう思っていた。1日1万円の危険手当と言われ、そんなに危ないものかと思った。手当ては全額よこせと交渉している。一緒に働いていたどの人に聞いても、そんなのもらってないと言っていた。全員が受け取れるようにしていきたい」と発言しました。 斉藤征二さんは「『被ばく労働』といってもなかなかわからない。危険を感じない。だが原発の中で働かなければ収束もできない。国民の命を守っているのは原発労働者。彼らの命を守って欲しい。地域で小さなグループをつくって、原発について考えてほしい」と訴えました。(尾澤邦子) Created by staff01. Last modified on 2012-11-11 23:11:37 Copyright: Default |