報告 : むらさきロードパレード〜「暴力は愛じゃない」当事者が訴える | |
[MenuOn] Home | ニュース | イベント | ビデオ | キャンペーン | 韓国 | コラム | About | Help [login ] | |
「暴力は愛じゃない」と叫びながら、およそ100名のDV被害にあった女性や虐待された子どもたちが、11月4日に東京・表参道を練り歩いた。今年4回目になる「むらさきロードパレード」は、被害にあった当事者たちが公共の場で、非暴力や性暴力根絶を訴える数少ない機会のひとつになっている。 女性たちは、非暴力の象徴である紫色や児童虐待反対を象徴するオレンジのコスチュームで仮装し、今年もパレードに参加した。加害者から逃れて間もない女性もいるため、仮装は女性たちの安全を確保するための工夫でもある。 初年度に参加したときは、顔を隠すだけのお面で仮装していた女性は、カメラを向ける観光客にもおびえ、「シルエットでわかってしまうのではないか」と不安を隠せなかったが、今年は「多くの仲間とともに笑顔で参加することができた」と交流会で気持ちを共有した。 つい3か月前に暴力的な夫から逃れ、新しい就職先と居住先を見つけたが、夫に見つかり追われている女性は、貯蓄を切り崩しながらまた新たな生活場所を探す中での参加だった。「家族からも友人からもずっと理解を得られなかった。でも、私は何も悪いことをしていない。これからは、顔をあげて胸を張って生きていきたい。また来年も参加したい」とパレードに勇気づけられたようだった。別の女性は、夫から逃げた後に自立生活をはじめたが、後遺症が抜けず、パレード中は「自分が暴力の被害者だということを目のあたりにし、ずっと惨めにかんじた」と話したが、パレードの後の交流会で同じような経験をした女性たちに囲まれて「自分にはこんなにも多くの仲間がいるんだと思ったら、胸がいっぱいになった」と涙声で語った。こういった小さな支えが、彼女たちの勇気を培っていく。 夫や父親からの暴力を生き延びてきた母親と子どもたちも20人近く参加した。パレードが一時間ほど続くなか、ずっと言いたいことを言えなかった女性のうちのひとりは、最後に元気よく「警察と役所と世間にモノ申す!もっと知識を身につけ、敏速に動いてー!事件は机の上で起こっている訳じゃない!現場で起こっているんだ!助かる命も助からないぞー!」とデモの警備を担当している警察を目の前にアピールした。 「むらさきロードパレード」は、決して毎年参加人数が増えるような行動ではないが、参加した女性や子どもたちが、「腹の底から大きな声で叫ぶことができ」、暴力のサバイバーたちが仲間とつながることができる、なくてはならない機会となっている。 参加者に限らず、「出かける先をいちいち聞くなー!」「GPSで調べるなー!」「ゴミ箱チェックは人権侵害だー!」「携帯チェックは人権侵害だー!」などというデモコールがあると、通行人も振り向き、ときに歩道では、被害者らしき表情の女性たちにも会う。 今年は、セクシャルマイノリティや、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)の参加もあり、来年は多様な性の仲間がもっと多く参加できるようにしたいという声も聞かれた。(松元ちえ) Created by staff01. Last modified on 2012-11-04 23:05:59 Copyright: Default |