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報告(笠原眞弓)〜7.29脱原発デモ・国会包囲
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真夏の太陽とともに再稼働反対を叫ぶ数万の市民〜脱原発国会大包囲

あまりの暑さと、毎週の集会に家に引きこもりたい自分自身のモチベーションをあの手この手で鼓舞して、日比谷公園に着いたのは、3時30分ころだったろうか。集会は終わり、もう出発準備をしている。

先頭は主催者の「首都圏反原発連合」横断幕の後ろには、東電の福島第一、関電の大飯原発の放射能廃棄物を入れる黄色いドラム缶がドラムとなって行進してくる。後ろの集団は家族ずれ。赤ちゃんを抱いたお母さん、小学生とクラウン姿の音楽隊とともに進む。

続くは「一票一揆集会」を日比谷公園の別の場所で終えた福島の女たち。かんしょ踊りを踊りながらである。中には見知った顔もあり、テント広場が合流している。乱鬼龍の筵旗川柳は、すっかりおなじみ。しばらく私もその集団と歩く。歩道橋から写真を撮ろうと上る。下には「デモ集団」というかたまりに見えるとばかり思っていたのに、なんと一人ひとりの顔がはっきりと見えるではないか。かなりの衝撃だった。不特定多数の誰かが、原発反対を叫んでいるのではない。一人ひとりの意思を持ってここに集い、行進している。

私が参加している韓国の、プンムルのグループもいるはず。逆戻りして、ちょうど公園を出たところで合流。ケンガリやチャンゴなどの音に合わせて、踊りながらのデモ行進。結構しんどい。柏崎から来たという中学生グループとずうっと一緒に、リズムを刻んでいると、なんだか楽しくなってくる。互いに、「どうしても止めたいものね」といいながら連帯感が芽生える。

いったん公園に戻り、すぐに国会包囲に。少しおまわりが増えてきた。黄色いリボンでおまわりが人間鎖を作り始める。「やめなよ。両手ふさがるから」「イヤ、大丈夫です」とテキパキ。人権侵害だからやめなさいと言っているのに、彼らは「車が来て危ないから」と別の意味にとる。しかし、今日の警察は大声も出さず、人数も少なく、イイカンジ。

国会議事堂周辺に着くと日が暮れだして、人で身動きできない。それでも何となく動いて国会正門前近くへ。もう写真は撮れない。人々はどんどん前に行き、突然警察の動きがあわただしくなる。車道が歩道になったのだ。あの重い鉄柵を動かした人がいるのだ。気持ちいい。車道いっぱいに広がった人々は、田中俊一やめろコールなど思い思いに、しかも秩序よくデモっている。今日は幟旗が解禁になったので、さまざまな幟があって、なかなかいい。「どうして学生が動かないの?」と思っていたが、今日目にしただけで、早大、明大、津田塾、他などがあった。私たちは、かつて止められなかった自責の念がある。若者たちにそんな思いをさせたくないと、普通の年配市民はもちろん、昔の闘志たちが、あるいは忘れていた闘争の記憶を引っ張り出してきた人々も、戦い続けてきた人たちと一緒に今、行動している。若い人たちとともに、意思表示をしている。 やっぱり来てよかった。数万の人の中の一人でいられたことを感謝する。(笠原眞弓)


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