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LNJ Logo 7.6官邸前に行ってきた(安田幸弘)
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News Item 0706yasuda
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*レイバーネットMLから
安田(ゆ)です。

雨が降りそうだったのでどうしようかなあと思いつつ、結局、雨合羽を持って官
邸前に行ってきました。
地下鉄の出口を出てみると、ソフトながら、前回より厳重な警備。誘導に従って
歩いていると、何となくデジャ・ビュ感が…。花火大会みたいな大規模イベント
の誘導と同じ方式ですね。

雨のためか、警備のためか、列に並んでいる人々のテンションは前回よりも全体
的に低め。前回は、みんな表情も明るくて、シュプレヒコールの声にも張りが
あったけど、今回は黙々と並んでる、という感じだったので、なおさら花火大会
感が強かったのかもしれません。

列の中で、少しずつ前に進んで行ったのですが、みんなが傘をさしていたことも
あって、すごく動きにくい。多くのスタッフが出て誘導していて、今回は車線に
溢れ出ることもないのかなと思っていた時、7時半頃、南門を過ぎた地下鉄の出
口あたりでどっと人が車道に出て、そのまま前回のような車道占拠の状態になっ
てしまいました。

しかし、今度はそんなことも予想していたのか、警官が車道に阻止線を張って前
進を阻止して、何となくいやな感じになっていたのですが、さすが日本の市民、
阻止を強引に突破しようなんてことはせず、警官の壁の前で楽しげにシュプレヒ
コール。
もっとも、警官の壁は車道だけで、前に出ようと思えば横の歩道から進めたんで
すけどね。
とにかく一度車道に出てしまうと、みんなテンションも上がって、いい感じにな
りました。

ただ、警官が壁を作って車道の前進を阻止したのは、すごく危険だと思いまし
た。実際、状況がわからない後ろの方から押されて、このまま後ろが押してきた
ら将棋倒しになったりしかねない状況でした。たぶん、雨が降っていて傘を差し
ている人が多かったので、ぎゅうぎゅうと押してくるようなことにならなかった
んだと思います。もし傘を差していなければ本当に危ないことになりかねなかった。

また、阻止されたため興奮した若い参加者が警官に突っかかったり、ということ
もありました。人間って、阻止されると突破したくなるんですかね。一度、車道
に出てしまうと、もう車道を進むのが当然、それを阻止するのは不当、という感
じになってしまうようです。

こういった状況は、むちゃくちゃ危険に見えました。雰囲気が盛り上がると、ど
んな動きをするのか予測がつかず、それを警官が実力で抑えこもうとすると、大
混乱になりかねない。雨と「市民的良識」のおかげで大混乱は避けられたと思い
ますが、もうあの状態になったら、変に警官は手を出さず、主催者側の整理に委
ねた方がいいと思う。

また、主催者側も、単に「並んでくれ」「空間をあけてくれ」「車道に出ないで
くれ」というだけでなく、圧力を減らす工夫や、一度車道にあふれてしまった
ら、それを適切に誘導するようなことを考えてほしい。みんな、前へ、前へと進
もうとするので、あるところでどうしても車線にあふれてしまって、コントロー
ルできなくなってしまう。
たとえば国会議事堂が見える南門前のあたりは、結構いろいろ抗議行動もあって
人が集まっているのですが、官邸前交差点以外にも抗議行動を組織するポイント
を作って、人の塊を分散させるような工夫をしてもいい。後ろの方では、官邸前
で何がどうなってるのかわからないから、前に行きたくなるわけですが、それこ
そ前の方のスピーチを後ろの方でも聞こえるように中継するとか、そんな工夫も
必要だと思います。そうすれば、前の方で人の圧力が過度に高まるようなことも
なくなるでしょう。

あと、結局、車道にあふれてしまった時は、その場で座り込みを呼びかけるべき
だと思います。立ったままで、前へ、前へという状態になると、みんな興奮して
余計な摩擦も起きるし阻止を突破しようとする人も出てくる。押し返そうとして
もどうせ押し返せません。
座り込みをすることで、みんな落ち着きますし、阻止を突破しようとしてもみ合
いになることもなくなります。誘導のスタッフが、小さな座り込みの塊を作るよ
う呼びかけてミニ集会のファシリテーターに変身して、ミニ抗議集会みたいなも
のを組織してもいい。
一度、座り込んでしまうと、ちょっと解散までの時間が長引くかもしれません
が、それでも混乱して怪我人が出たり、警官とトラブルになるよりよほどマシで
す。いくつかの塊になって座り込みをすれば、それぞれの塊ごとにメッセージを
伝えられるでしょうし、コントロールもしやすい。

...といったことを考えながら、電車に乗って帰ってきましたが、まあ結構楽し
かったです。今回は、一番前に行かなかったので、あの奇妙な解散スピーチも聞
かずにすみましたし。

それで、帰る電車の中で、「組合の旗」のことを考えてました。
組合に限らないのですが、組織の「旗」っていうのは、構造のない無数の人々の
集まりに、構造を与えたり、一種のメッセージ伝達の機能があるんですね。
「旗」がないことで目印がなくなり、人々がどっとアンコントローラブルな状態
で動いてしまう。もちろん「旗」は時として冒険的な行動のメッセージを発する
こともあるわけですが。

「旗」についてはいろんな議論がありますが、一生懸命労働運動に取り組んでい
る労働組合にとって、「旗」は特別な意味を持っています。労働組合にとって
「旗」はどんな意味があるのか、というテーマは、レイバーネットの例会のネタ
にしても面白いんじゃないかと思いますが。



Created by staff01. Last modified on 2012-07-08 10:46:37 Copyright: Default

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