東京の根津公子です。
22日、都立あきる野学園の卒業式で私と同僚だった田中聡史さん(43)が「君が代」で
不起立し、現認されました。子どもたちが下校した後、校長は田中さんを呼び確認し
たので、既に「事故報告書」を都教委にあげたはずです。
今年度の入学式の不起立処分は東京で、田中さんただ一人でした。一言でいえば、
「東京の不起立をゼロにしてはいけない」と考えての不起立でした。
今回の不起立についても、悩みに悩んだであろうに、「不起立をしてよかった」と
きっぱり。「不起立をゼロにしてはいけない」との危機感の他に、「大阪で悩み闘っ
ている人と連帯したい」「教育にあってはならない強制。この現実を子どもたちに見
せておきたい」と考えての不起立でした。(レイバ―ネットの速報
http://www.labornetjp.org/
「レイバーネットTV」では田中さんのインタビューが流されました。アーカイブの7
分のところから。http://www.ustream.tv/recorded/21278890)
とっても共感します。と同時に、現場で闘っている人がいる限り、とりわけ退職教員
は現場を支える(保護者や子どもたち、教員たちに見える)行動を強力に進めなけれ
ば、と思います。そうすることが、教育破壊を少しでも食い止める力になると思いま
す。
私は卒業する中・高の生徒たちを担当したので、21日の高等部の卒業式にも22日の
小・中学部の卒業式にも出席し、お祝いをしたいと申し出たところ、断られました。
「旧職員の出席は許可しない。生徒、職員、保護者以外で参列できるのは、招待した
来賓のみ」(校長)というのです。そこで、校門前で一人お祝いをし、保護者・職員に
は事実を伝えるチラシを手渡しました。(チラシは、ここをクリックしてください。
http://kaikosasenaikai.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/index.html#entry-72059
522 )
今日の下校時、田中さんがかつて担任した高等部の生徒に、「田中先生、今日『君が
代』の時起立しなかったよ」と告げると、「聡史先生に『ありがとうございました』
と伝えてください。なぜ、処分までしなくてはいけないのか、私は疑問です。(社会
の)自由が奪われるのは絶対にいや。聡史先生はそれに闘ってくれているのだから」
とその生徒。教員にとって生徒の支持に勝る支えはありません。この生徒のことば
に、田中さんはどんなにか励まされたことでしょう。私も本当にうれしかったです。
保護者の中にも、私たちが闘っていることを支持してくださる人たちがいることがわ
かります。高等部の一人の保護者は、「根津先生、いつもありがとうございます。私
たちの間で根津先生のことはよく話をするんです」と言ってくださいました。お子さ
んのことでは一切接点のない方でした。闘っていることに対して感謝してくださった
のです。田中さんのことについては私から伝えました。事実を明らかにすることか
ら、理解が始まると思うからです。
私は昨年、免職にならずに定年退職になりました。逃げ切れた世代です。比して、若
い人たちは、と考えると、外からできる支援は何でもしようと思います。皆様に対し
ても、ご支援・ご協力をお願いすることが出てくると思いますが、どうぞその時には
お力をお貸しください。(3月22日記)
追伸:高等部の卒業式に出席した職員が言っていたということで聞いた話です。「君
が代」斉唱時、3人いる副校長は会場を忙しく動き回っていたそうです。不起立者の
現認だとピンと来たとのこと。「それこそ、厳粛な式を壊している」と言っていた、
ということでした。
小・中学部の時には一人は田中さんの現認担当、あとの二人は高等部の時と同じよ
うに、動き回っていたのでしょうね。その様子は保護者や生徒たちも目にしているは
ずです。
以上の報告は22日に記したものです。昨日の午後、都教委の事情聴取がなされたとい
うことです。
私は都教委に「処分するな」の要請文送付と電話をしようと思います。
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Last modified on 2012-03-24 12:25:40
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