本文の先頭へ
報告 : 311反核デモ@台北
Home 検索

311反核デモ@台北  報告=「ぅきき」さん

311に合わせて台湾全国各地でデモが行われました。台北では5千人ぐらい参加したのではという話も。デモ隊は第一から第三大隊まであったのですが、距離が遠すぎて、全部見渡すのは至難の業でした。それだけ多くの人が参加したということかも。この日は3月なのにかなり寒く、変な天気でした。今回は台湾人+日本人の最近知り合ったいろいろ議論できる友人と参加し、更に途中で陽明大学の学生さん(彼女たちとは抗議行動のたびに出くわす!)といろいろ話しながら歩きました。いつも思うことは、こちらのデモは日本と違って横に警察もおらず、台北駅の近くの三越のビルの前の道路で、何千人が一気に道路にダイ・インをし寝転がっても、警察は全く来ないという素晴らしい状態でした。ダイ・インと同時に予行演習のような災害警報の音が鳴り響きました。

この日は蘭嶼から来た原住民族の達悟族の人々も寒い中デモに参加されました。達悟族は人口3千人ほどしかいないのに、自分たちの島に核廃棄物を置かれ、5歳の子どもが癌になるという痛ましすぎる事実も伝えられました。電気使用とはほど遠い「離島」に、都市の人々が使った核のゴミが置かれているという状況が数十年続いているため、以後達悟族の人々がわざわざ台北に抗議に来なくてもいいように、ちゃんと反核の声を挙げ続けていかなければならないと思いました。

今日も公視(公共テレビ)の良質な番組である「我們的島(私たちの島)」で、放射能汚染された材料で建てられた家に住まざるを得ない住民の方々が、次々と癌を発症したり障害を持ったりというひどい状況が映し出されていました。何でこんな人権侵害が何十年も起こっているのかという怒りや恐怖などを感じましたが、各自ができることを出来る範囲で続けていかなければ・・と思い、とりあえずデモの様子や台湾の状況を伝えるためにこの拙い文章を書いてみることにしました。これ以上、人々が放射能で苦しむ状況が一刻も早くなくなりますように。
(台北・ぅきき) ※レイバーネット報道部が許可を得て転載

**********

以下は、今回一緒にデモに参加した友の日本人留学生が翻訳したデモの紹介文です。すごい〜。こういう友と知り合えたことは留学の大きな収穫です。

「ゼロ」を目指して 311サヨナラ原発デモ

福島の原発事故から一年を経ようとしている。原発支持を表明している官僚と電力会社の連中を除いて、台湾にいる私達は絶対に忘れてはならない!!放射能の暗闇に覆われた民衆の苦難、メディアでは報道されない漁を禁じられた漁師、不安で一杯の農民、子供の健康を不安に思う母親達のことを。放射能汚染の影響はとっくに福島から200kmも離れた東京に到達しており、汚染された各種食品が市場では連続して発見されている。母親達は幼い子供たちへの影響を心配しており、何が食べれるか何が食べれないかの不安の中で生活している。日本政府は人体が許容できる放射能の量及び食品の放射能汚染基準を緩めることにより、人々を放射線と癌の脅威のもとに陥れている。これが「福島」後の放射能汚染時代である。

原発をゼロへ、放射能災害をゼロへ 原発が覇権を握る社会において、災害の情報をコントロールし、賠償と安全恐慌を抑制し、原発利益団体を継続・発展させる為に、人間の権利は全く顧みられることはない。しかし、民衆の抵抗と不満を抑圧することは絶対にできない。日本の多くの文化人が起こした「さようなら原発1000万人アクション」では、2月11日に大きな集会とデモが行われ、渋谷の代々木公園には1万5000人が集まり、来たる3月11日の前段として、原発停止の要求を政府に叫んだ。

反原発を通して、グローバル連帯へ

昨年一年間を通して各界による反原発運動のための努力と支持により、ついに台湾では古い原発が予定時期通りに閉鎖されることが決定された。しかし、原発の安全と放射性廃棄物の危険は未だ解決されていない。問題が絶えず起きている第四原発[注]も依然として建設中である。原発事故は実際には未だ終わっていないのである。今年、各国ではそれぞれ原発事故への祈念と抗議が行われる。私達もここに、各界の反原発運動に関心を持つ公民団体を結集して3月11日のサヨナラ原発デモを行い、全面的な反原発、新たなエネルギーの未来を創造していくことを、呼びかけることにする。世界的なこの一日において、台湾は欠席することを絶対に許されない。私達と一緒に世界の反原発運動のために立ち上がろう!!

〔注〕第四原発とは、日本の日立製作所が中心となって台湾の北東部にある宜蘭で建設中の原子力発電所である。1980年代から今日に至るまで、現地住民らにより激しい反対運動が行われてきた。

台湾311デモ実行委員会のブログ(台北、台中、高雄)
http://430nonuke.blogspot.com/2012/03/311.html


Created by staff01. Last modified on 2012-03-29 10:26:17 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について