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LNJ Logo 「さよなら原発大阪行動」〜飯館村の酪農家・長谷川健一さんが訴え
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〔レポート=滋賀県のY.Kさん〕

3.11は、全国各地で脱原発を目指す取り組みが行なわれました。福島では、16,000人もの結集により福島県民大会が成功したようです。これは、全国集会の様相もありますが、やはり、原発に不安を言ったり、放射能の心配を行動に移すとき、村八分や「非国民」扱いされる状況を突破して、まさに勝ち取られたものと思います。

関西では、「さよなら原発3.11関西1万人行動」などが開催され、午前の中之島公会堂での被災地からの報告などの催しと、午後の3つのコースにデモコースを設定した取り組みなどがありました。私は、午前の公会堂での催しから参加しましたので、その福島と福井の方の報告を伝えします。重要な提起がありました。

まず、福島・飯館村の酪農家(伊達市に避難中)の長谷川健一さん(写真上)は、「原発事故が奪ったもの」と題して報告されました。長谷川さんは、飯館村の前田地区の区長ですが、原発事故後の3月14日に40マイクロシーベルト(μsv)を村内で確認したが、村長に「誰にも言うな」と止められたという。しかし、「翌15日に区内のみんなを集めてすべての手に入れた情報を公開した。そして、子どもを外に出すな、大人は外出するならマスクをし、帰ったら着ているものを脱げ、換気扇はかけるななどと指示した。しかし、一番線量が高かった15日にみんなを集めたことには、今も後悔している。

当時、同心円で避難指示がなされたが、線量を知っていたので、飯館村を囲んでたんこぶのように描いてくれと報道記者に言ったが、報道されなかった。そのあと、御用学者が村に入ってきて、「大丈夫だ」といい続けた。村長も村民も安心させられていった。そして、その直後飯館村が計画的避難区域に指定されたら、御用学者は逃げた。村長は、データを公開するなと。結局、村民の避難は、8月になってしまった。

人は避難しなければならない、が、牛は動かすな、移動しないということとなった。だから廃業を決断せざるをえなかった。牛を殺すしかなかった。妻は泣いた。情けなかった。長谷川さんは、残酷な写真ですがあえて見せますと、牛舎で餓死している多くの牛の写真(下)を披露された。生きていた豚が牛の死骸を食べていた写真も。

その後、ある54歳の酪農家が自殺した。壁に、「原発さえなければ」と書き残して(写真下)。続いて、102歳のあるおじいちゃんが「俺がいたら足手まといになると」自殺した。92歳のおばあさんは、「墓に避難する」と自殺した。

除染は、400m四方で6億円かかるという。除染を村は20年かけてやるという。村の75%の山はどうか訪ねると、里山で、それも家から20mまでだという。放射能は浮遊もしている。除染してもまた汚染されることとなる。村は、除染の方向1本だ。故郷へ帰りたいが、村を出ることを考えるべきだと思う。除染と、一方で村に帰らないという2本のレールで進めるべきだ。

自分の世代は戻っても、子どもや孫は戻れない。汚染されすぎた。自分たちが死んだら、村は廃村にするしかない。ヒロシマ・ナガサキでも、被爆者差別があった。福島差別もある。飯館差別も。差別が起きない社会づくりが大事だ。そして、絶対風化させてはならない。『終息宣言・原発再稼動』・・・この国はどういう国なのか!と怒りをもって訴えられた。

次に、福井・美浜町の松下照幸さんは、現地では原発があることの不安と原発が無くなることの不安がある。原発が無くてもやっていける提案が出来れば、やっていける。町長ともこのことで話をした。

国からの贈り物として、新幹線を敦賀まで伸ばすということと、中部縦貫道の延長だ。これらこそ、原発再稼動に向けた働きかけだ。大飯原発3.4号機には、熊川断層などが近くにあり、これら3つの断層を考慮して大飯原発の耐震を評価していく必要がある。

フクシマのあとでさえ、運動に誘うことは、現地では難しい。嫌がらせや恫喝があるからだ。原発立地している所に住む者に、原発を止めてくれというのは幻想だ。電気を使う者こそ原発の電気はいらないと言ってくれないと原発は止められない、と訴えられた。

午後は、剣先公園で集会があり、数千人集まっていたと思いますが、参加人数の発表は無かったです。集会後は、西梅田までデモをしました。大阪での全体数は、15,000人という報道があります。

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それにしても、テレビなどを見てますと、反原発の集会デモの報道は少なかったように思います。震災のことはあれだけ流しているのに、反原発の行動は少ない。これは抑えているとしか思えません。ネット上では、海外や国内での取り組みが紹介されています。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120311-00000059-mai-soci
http://www.asahi.com/national/update/0311/TKY201203110521.html


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