ここ1週間、「NHKスペシャル」が、
原発問題を取りあげた作品を流しています。
どれも素晴らしいもので、涙なしには見られません。
地方のNHK記者には、地元でがんばって功績を残せば、
東京の本庁に引き抜かれる道も開けるとか。
そんな製作者たちの野心をさしい引いたとしても、
見ごたえのある秀作ばかりで感動します。
震災にかかわるジャーナリズムは、
避難した人々にばかりカメラを向けていましたが、
昨日(3/9)オンエアされた「南相馬 原発最前線の街で生きる」は、南相馬に残る人々に密着していました。
田んぼの機能を守るために、
「自分で食べる」と称して密かに米を作る農家。
清志郎メロディが流れる酒場。
成人式で胸の内を明かす若者たち。
ハローワークに通い続けたが仕事がなく、
結局、原発で働くことを決めた青年。
原発施設に続く道路は、機動隊車が駐車し、
警察が阻止線を張っている。
しかし、「復旧」に向かう労働者を乗せたバスを通すとき、
彼らは、バスに向かって敬礼をする。
このラストシーンは、印象に残りました。
カメラマンの意思を越えて、実に暗示的です。
「誰かがやらなければならない」。
全編を貫くモチーフは、
失意と、自暴自棄、そして開き直り。
つまり、悲しすぎる絶望の連鎖でした。
人間の命と健康の犠牲の上に成り立つシステムは、
本当に、もうやめさせようと、決意を新たにしました。
「3・11福島」は、大雪の予報。
私たちにまたひとつ、試練が与えられたようです。(Y)
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staff01.
Last modified on 2012-03-10 20:16:20
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