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LNJ Logo JAL不当解雇撤回ニュース〜稲盛会長を追及した9.30裁判報告
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<JAL不当解雇撤回ニュース・64号(10/10付)>より
 発行=JAL解雇撤回国民共闘事務局 03-3742-3251

●乗員・客乗とも証人尋問終わる 9/30客乗裁判 証人に稲盛会長、島崎原告、内田委員長

稲盛会長は「物心両面の幸福を追求」すべき!!

9月30日の客乗裁判。注目の稲盛会長が証人として出廷しました。傍聴席の抽選には31席に対し393名も並びました。「206億円も目標を上回る人件費削減ができたのは?」と言う質問に稲盛氏は「希望退職が目標を上回ったから」と。「計画を上回る希望退職」、「目票を超える利益」、「強固なリスクに耐性」等々、稲盛会長はこれらを全て認めました。そして「経営上160人を解雇する必要がなかった」と言う発言については、「正しくは経理上必要なかった」と訂正しましたが、会長の証言は、解雇の必要性が無いことを裏付けるものとなりました。また、島崎さんは人選基準の不合理性を、内田CCU委員長は削減人員を上乗せし、CCU組合員を狙い撃ちで解雇した会社の不当性等を証言しました。当日の地裁前行動には273名、報告集会には193名が参加しました。以下報告集会での内容を紹介します。

●人件費削減目標を超過達成! 何故解雇か!〜稲盛会長の尋問を担当した船尾弁護士の報告

稲盛氏は日経ビジネスのインタビューや社内報の中で、東日本大震災という想像を絶するイベントリスク・経済状況の中でも黒字を残すことの出来る経営基盤を築き上げたと述べており、収益力の状況を裁判の中で認めざるをえなくなった。だから、「累積債務が沢山残っている」とか、「資本は一度毀損された」とか、「資本力を強めなければならない」という事を主張しはじめ、論点をシフトさせてきた。2012年再上場のための純資産の目標も、2010年度で一気に突破した。そして、収益を上げ累積債務を削って資本力をアップし再上場する。再上場して企業再生機構の出資金3,500億円を回収するという目標を立てた。しかし、このことは更生計画には出ていない。

私たちは収益目標や経費の削減目標については、2010年度の中で突破しており、特に人件費の削減目標については深掘りして206億円も超過達成している事を明らかにした。206億円という額は、解雇された方達の1年間の人件費15億をはるかに超えている。稲盛氏は「社員の物心両面の幸福を追求する」と言うが、であれば、何故管財人と解雇回避で協議しなかったのかと追求したが、それについては逃げに終始した。なぜ解雇かという論拠は大きく崩れたと思う。

●勝利判決に向けてゴールが見えてきた〜島崎証人担当の佐藤弁護士

 テーマは人選基準の合理性のないこと。裁判官は職場のこと、仕事のことに関心があるのではと考え、客室乗務員の仕事について厚めに証言をして貰った。裁判長からの質問からは証言に関心を持って貰えたと言うことだと思う。勝利判決に向けてゴールがみえてきた。頑張りましょう。

●年齢の高いCCUをねらい打ちが明らかに〜内田証人担当の大森弁護士

 会社の反対尋問は実質主尋問となった。会社は稼働ベースと言うことで削減数を90人上乗せしたが、更生計画の目標は達成していたということ。とにかく未達未達と繰り返したが、年齢の高いCCU組合員をねらい打ちをしたことを立証した。

●名簿を使って確実に辞めさせたかった!〜内田証人を担当した安原弁護士

 補充尋問で言ったが、特別早期退職では、まず、たくさん辞めさせるということであったが、6月の人員計画では誰を辞めさせると絞ってきた。この論拠は小枝証言である。会社は名簿を使って「だれが573名に入るか」を明確に認識していた。だから、573名を確実に辞めさせたかったので解雇人員を90名に増やしたと言う構図がきれいに浮き出てきた。会社は反対尋問では構成を間違えたと思う。稼働ベースを知っていただろうということに20分も使い、親方日の丸で何でも反対していただろうということに20分以上、合計で半分以上も使った。そして、途中で何を聞こうかと尋問が止まり、裁判官に「尋問を探しているようですが、もう止めては」と言われた。これは、尋問をしている弁護士に、あなたのやっていることは無駄だから止めろと言われたことになる。こちらの絵を描き、相手の尋問を粉砕し、裁判官にも止めろと言わせた尋問であった。堀弁護士、長尾弁護士も裁判対策で入念にデータを作成し、相手を追いつめたことを補足します。

●尋問目的を完全達成することができた〜山口弁護士の報告

 客乗裁判は2回の尋問で目的完全達成、計画完全実現で、超過達成だった。皆様の努力で奇跡的な超過達成で終えた。9月の証拠調べを各々終了し、客乗訴訟は12月21日の弁論で、乗員訴訟も12月19日の弁論で結審となる。いよいよ判決の予定が定まった。一日も早く職場に戻るという強い意志のもと進めてきた。解雇が違法・無効であることが事実と論理、証拠によって完全に明らかになった。これからが最後の力のいれどころである。内容は圧勝している。今後は裁判官の判断がゆがまないよう取り組みを強めることが重要である。結審に向けて、勝利判決と一日でも早い解決を勝ち取るために、共に頑張りたい。

●誇りのために闘う労働者は怖い!?〜MIC東海林議長

 稲盛氏は整理解雇が予定人数を超えていたことも認めた。非常に重要な発言をしている。傍聴をして圧勝だということがよくわかった。反動判決が出ることもある。勝利まであと少し。一緒に頑張りたい。稲盛氏はガチンコで労働者と戦った事がなかったと思う。だから誇りを奪われた労働者が、誇りのために闘ったときにどんなに怖いか判ったと思う。最後まで頑張りたい。

●JALは女性をなんだと思っているのか!!〜婦団連 伍副会長

 解雇の話を聞いた時、年齢で女性労働者を解雇するなんて許せないと言うのが怒りでした。傍聴して会社の弁護士の追求を聞き、女性の労働者をなんだと思っているのかというのが感想です。「年を取った女性は価値がない」ということをあまりにも露骨に追求をするので、私が答弁したいくらいでした。

●今後は大好きな街宣活動に戻る!〜島崎さんの感想

お疲れ様でした。4月に証人が自分に決まり、それから6ヵ月、一生の中で一番頭を使ったと思う。ベッドで眠れない日も続いた。この間、長澤機長には大変お世話になった。今後は大好きな街宣活動に戻れる。

●正しい情報の共有は出来ていなかったと会長〜稲盛会長を尋問した内田団長の感想

 不当解雇後一度も見ていない稲盛会長に質問し、直接話を聞き出すことが大事と考え、尋問した。私の持ち時間は5分間でした。「2月10日に一度お目にかかったときのやり取りを覚えていますか」と聞いたら、「覚えていない」と言われた。これまでの証言で「自分は知らない」、「管財人が決めた」と発言していたので、「私たちと会っていたら、もっと情報が正確に共有できていたら、このようなことをしなくてもよかったのでは」というところで尋問を終えるように進めた。「正しい情報が共有できていませんでしたね」と聞いたら、「はいそうです」と答えたので、「これで良し」と思って尋問を終了した。

提訴後今日まで駆け足できた。12月に結審し、判決を受けることになる。乗員、客乗協力して裁判を進め、弁護士の先生の多大な協力を得、支援共闘のみなさんの支援も受けてきた。後一踏ん張り!がんばりましょう。


Created by staff01. Last modified on 2011-10-11 11:08:31 Copyright: Default

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