報告 : 木村百合子さんの公務災害認定裁判第3回証人尋問 | |
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「基金」側の医師、木村さんの自死が公務に起因するか否かについて、
「わからない!」と発言!
6月9日、静岡県磐田市で2004年9月に自死をした小学校新人教員木村百合子さん(享年24歳)の公務災害認定を求める裁判が静岡地裁で開かれ、法廷には50人の支援者が集まった。
3回目の証人尋問になる今回の裁判は、精神科医師2名に対する百合子さんの自死が公務に寄るのか否かをめぐる重要な証拠調べであった。 被告「地方公務員災害補償基金」(以下「基金」)が申請した証人、精神科医の丸山医師は、百合子さんが4月中旬からうつ病の要件となる兆候がみら れ5月中旬に「うつ病」が確定したと主張。さらに百合子さんを巡る労働環境は「2〜3人の子どもが大変」だった程度で特段の勤務の過重性はなかった、よっ て自死は「本人の精神的脆弱性」ゆえのことであると結論付けた。 一方、原告が申請した証人、同じく精神科医の天笠医師は、4月から見られるさまざまな「うつ的」要件は断片的であり、いつから始まったものかも はっきりしない。その時点で適切な学校内での対応があれば回復しえたかもしれないと発言。5月中旬に「うつ病」の要件をすべて満たしたという丸山医師の主張に反論した。 また、以上の論争以外に丸山医師は以下のような重要な発言もしている。 ・「百合子さんには、『地球の存亡の危機』にあたるようなそれほど強いストレス状況はなかった。本人のストレスは、脆弱性ゆえのことである」 ・百合子さんの労働時間について「夕方6時ごろ毎日帰宅していることは知っているが、午前7時台に学校に来ていたことは、カウントしていない」 ・「百合子さんの自死にいたった精神状態は、公務に起因するのか」という裁判長の質問に「わかりません」 丸山医師は、「ひょっとすると『うつ病』の発症は、4月だったかもしれない」とも発言した。しかし、これまでの2度の証人尋問の中で4月段階で百 合子さんの担任しているクラスは、きわめて大変な状況にあったことがはっきりしてきており、その厳しい条件が百合子さんの精神状態に少なからず悪影響を与 えたということは、「基金」側がどれだけ発症時期を早め、その原因を「本人の精神的脆弱性」に求めようとも揺らぐことはない。 天笠医師は、証言の最後にこうしめくくった。「私のところにはおびただしい数の教員が、患者さんとして来られます。木村百合子さん場合、木村さん だけが大変だったのではないと思うのです。学校全体が非常に大変だった。木村さんのような人が2度と生まれないようになってほしいです」 裁判は、次回最終陳述で結審する。公務災害認定を認めさせる裁判もいよいよ最終の局面に入った。(湯本雅典) *今回、静岡地裁に「木村百合子さんの公務災害認定を求める裁判の公正な判決を求める要請署名」団体署名・114団体、個人署名・5188名分を提出した。 *次回「木村百合子さんの公務災害認定裁判」(最終陳述) ・9月8日(木)午前11時30分 ・静岡地裁 JR静岡駅よりバス(JR北口バス乗り場 5番 駿府浪漫バスで「法務局合同庁舎」下車 2分) *写真は木村百合子さんの両親 Created by staff01. Last modified on 2011-06-10 23:53:04 Copyright: Default |