〔レイバーネット国際部〕
鉄道大臣のリベート疑惑で揺れる中国鉄道で、リストラに抗議し労組執行部の改
選を求める声が発せられています。中国東北部の一部を管轄するパルビン鉄路局
の列車員(客室乗務員)のリストラを視野に入れた配置転換に抗議する動きを紹
介した「労工世界」ウェブサイトからの翻訳です。
以下に紹介されている列車員当事者によるブログでは、昨年末からの動きやハル
ビン鉄路局内のさまざまな問題を訴える書き込みが続けられてきましたが、書き
込みは2月21日で終わっています。そこでは「鉄道当局の担当者が警察を伴っ
て文書を持ってきた」という報告があり、その夜の最後の書き込みには「これ以
上は何もいえないので、心ある皆さんがウェブ上の文章にリンクを張って広めて
もらえることを願っている。すでにたくさんの文章が削除されている。次は自分
が削除される番だ・・・。」というメッセージで終わっています。以下、翻訳で
す。
+ + + + +
ハルビン旅客運輸区の列車員らが労働組合の改選を要求
原文 http://www.worldlabour.org/chi/node/450
陳定生 2011/2/21
(ハルビン鉄路局に所属するハルビン旅客運輸区の職員がブログを開設し、当局
による権利侵害を告発している。ブログアドレスはhttp://blog.sina.com.cn/grdgh
以下はそこからの最新情報の転載)
ハルビン鉄路局に所属するハルビン旅客運輸区では当局がリストラを準備してい
る。雇用契約の変更も職員に知らせずに、降格、賃下げを行っている。これは労
働法規に違反する。
ハルビン旅客運輸区当局は、ハルビン鉄路局が制定したリストラ目標を達成する
ために、2010年12月15日に「旅客装具倉庫」の200名余りの職員をだ
まして病院で労働鑑定を行い、そのうちの多数が「労働力喪失」という判断を受
けた。明らかに当局と病院が結託して、労働者の解雇を想定した動きである。
2010年9月、多数の職員が陳情などを行っていた。職員の朱春生と数名の同
僚が当局と交渉を行った際、副区長の呉**は次のように言い放った。「どこに
でも告発すればいいだろう!」。当局は職員らの訴えを無視した。職員らが大区
長に会って訴えようとしたが、多数の警備員に妨害された。
ハルビン旅客運輸区はハルビン鉄路局の名前をつかって、経営合理化、大量のリ
ストラを進めようとしている。ハルビン旅客運輸区は労働契約を一方的に破棄し
、職員(労働契約書では列車員、期限の定めのない雇用)を清掃区(ハルビン鉄
路局生活供給区の管轄、人事権は旅客運輸区にある)に強制的に異動させようと
している。
2011年1月11日から、ハルビン鉄路局生活供給区が、これらの職員に対し
て空欄の労働契約書を提示し、契約書に署名するよう迫っている。今後のリスト
ラしやすくするために、あるいは待遇の大幅な引き下げを狙ったものだ。洗浄区
と清掃区の職員の多くは署名してしまったが、労働組合役員の改選を要求する職
員らは白紙委任の契約書への署名を拒否した!(契約書の画像http://photo.blog.sina.com.cn/grdgh
)
ハルビン旅客運輸区が職員に署名を迫る理由は、将来的に最小限のコスト(経済
補償金)で解雇するためである。中華人民共和国労働契約法の第47条では〔解
雇の引き換えに支払われる〕「経済補償は労働者の当該単位での勤続年数に基づ
き、満 1年毎に 1ヶ月分の給与を基準にて労働者に支払う。6ヶ月以上 1年未満の
場合は 1年として計算する。6ヶ月未満の場合は、労働者に半月分の給与の経済補
償を支払う」とある。
第87条でも「雇用単位が本法規定に違反して労働契約を解除又は終止した場合
、本法第47条に規定する経済補償基準の 2 倍の金額を労働者に賠償金として支
給しなければならない」と定められている。
ハルビン旅客運輸区当局はこれらの義務を回避しようとしている。このような無
茶な施策に対して職員みんなが疑問を持っている。「調和ある社会、法治社会の
建設と謳われているが、ハルビン旅客運輸区当局は権謀術策をもてあそび、職員
をだまし、法律を無視している。国は何をしているんだ!」と。
ハルビン旅客運輸区の職員は自らの合法的な権利のために、2011年1月に2
度、北京へ陳情に行った。しかし各級の鉄道部門当局は互いにかばいあったり責
任を押し付けあったり、一向にらちが明かなかった。北京からハルビンに戻った
朱春生は、旅客運輸区の労組を訪ねて取り組みの要請を行ったが、委員長はこう
言ってのけた。「自分で労働仲裁か裁判の手続きをすればいいだろう」。
ハルビン旅客運輸区労働組合は、当局による深刻な違法行為に対して、労組法で
定めるところの責務を果たしていない。積極的に介入して調査を行うことも、質
問を提出することもしていない。権利を侵害された職員の不満と訴えに対して、
労働組合は何ら支援や説明をしていない。
労働組合は、職場の当局と職員の間で「矛盾」や「争議」が発生した場合は、そ
れが「合法」か否かに関わらず、まず当局の利害を優先する。職員の権利が侵害
されたときでも、かれらはやはり当局の側に立つか、何ら意見を言わない。労働
組合の職責を果たしているとはいえない。現在の労組執行部や代議員は労働組合
の職責を果たしていないし、労働者の合法的な権利を侵害する違法行為が存在し
ている。それもみんな、職員の選挙で労働組合の代議員と委員長を選出していな
いからだ。だから労働者の合法的な権利を守ることができない!
ハルビン旅客運輸区には1万3千人の職員が在籍し、一人当たり毎月9.05元
の組合費を徴収していた。あわせると毎月13万元弱もの大金になる。にもかか
わらず組合の執行部は当局の業務を支援し、「労働力喪失」と認定された職員に
毎月800元の補助金を支給する仕事をしている!
朱春生は2010年12月20日からブログに書き込みをはじめた。労働組合執
行部の改選と労働者の合法的な権利の擁護を訴えている。すぐに公安部門からの
監視が始まった。公安部は、黒竜江省長、省公安庁がハルビン鉄路局公安局に職
員を派遣するよう文章で指示し、多数の警察が彼に対する恫喝を行った。201
1年1月22日午前、彼は、国家安全局の担当者から鉄路公安局に呼び出されお
昼すぎまで事情聴取された。
ハルビン旅客運輸区の職員のたたかいは進行中だ。多くの道義的な支援を!
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staff01.
Last modified on 2011-02-23 16:08:51
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