原子力損害賠償紛争審査会:「避難の権利」を求めて、福島の親が意見陳述 | |||||||
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「避難の権利」を求めて、福島の親が意見陳述10月20日、第15回原子力損害賠償紛争審査会(会長・能見義久学習院大学教授、以下「原賠審」)が開催され、避難の権利を求めて福島県の2人の親が意見陳述した。 震災後半年以上たっても一向に「自主」避難の権利が認められず、「自主」避難した人々は避難先で経済的な負担をはじめ多くの苦労を強いられ、また福島では多くの人が避難できずに今だ高線量の放射線にさらされ続けている。 このような状況の中、福島や全国の粘り強い要請の前にやっと「自主」避難者への賠償の必要性を認めた「原賠審」ではあったが、前回第14回の「原賠審」では「4月22日」という日程を設定し、その前後で賠償の格差、下手をすればそれ以降は「賠償」を「認めない」ともしかねない状況が生まれていた。 今回の「原賠審」は市民の要求で現地福島の親の意見陳述が実現したこともあわせ、「原賠審」に不当な日程設定をさせず、避難の権利を実際に認めさせていくきわめて重要な会であった。会場には多くのマスコミも取材に訪れ、多くの傍聴者が参加した。 会の最後に福島の親2名が意見陳述を行なった。 家族を岡山県に避難させ、自らは福島に残り「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の代表として活動している中手聖一さん(福島市在住・写真)は、「そもそも専門家の中でさえ意見がわかれる問題について、我々親が決断を下さなければならない状況に追い込まれているのです」と語り、福島県伊達市から札幌市に避難し、避難先で避難者自治組織を作って活動をしている宍戸隆子さん(写真)は、「はじめは福島から避難するというだけで、『非国民扱い』をされました。それでも避難したのは子どものためなのです」と語った。 会のしめくくりに「現陪審」会長の能見氏は「自主避難の賠償と福島に残っている人の賠償の問題は、同時に検討し解決していきたい」と結んだ。 今回、まだ何らかの具体的な結論が出たわけではないが、福島の声を「原賠審」に反映させうるステップは作られたといえる。闘いは、これからが本番である。(湯本雅典) ↓文科省前行動 Created by staff01. Last modified on 2011-10-22 08:28:41 Copyright: Default |